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サーキュラーフードが「食」の未来を変える! 食品ロスゼロの世界を目指して

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画像元より編集

 

こんにちは! パン作りと文房具集めが趣味の澤永です。
最近「サーキュラーエコノミー」という言葉をよく耳にしますが、みなさん「サーキュラーフード」という言葉はご存知でしょうか?

簡単にいうとサーキュラーエコノミーの食べ物版、循環型食品です。

世界中の企業が持続可能な社会を目指してさまざまな取り組みをおこなうなか、現在サーキュラーフードが注目を集めています。
今回はサーキュラーフードが注目を集めている理由どんな未来を目指しているのかについて、ご紹介したいと思います。

 

 

サーキュラーフードとは

捨てられるはずだった食品を新たな食料として循環させ、「食」という課題から持続可能な社会を目指す取り組みのことです。
最近よく耳にする「サーキュラーエコノミー」は循環型経済といわれ、捨てられるはずだった製品などを資源として循環させます。
つまり、サーキュラーフードは食品面から取り組むサーキュラーエコノミーの一つとなります。

 

世界の現状と解決すべき課題

⚫️食品ロス

人口増加による食糧不足へ直面しているにもかかわらず、食品を捨てているという矛盾した現状があります。
家庭やスーパー、飲食店などでは、食べ残しや売れ残り、賞味期限が切れるなどの理由から、まだ食べられる食品を廃棄する「食品ロス」が日々排出されており、その数なんと日本では約612万トン/年、食品ロスを含む食品廃棄物は約2,531万トン/年(※1)。世界の食品ロスは約13億トン/年 にものぼり(※2)、これは世界の食糧生産量の約3分の1にあたります。
つまり、世界的にみても、食品ロスとして大量の食品が食べられずに廃棄されているのです。
この状況が続けば、多くの食料を無駄にしているだけではなく、将来の人口増加による食糧危機にも適切に対応できず、廃棄にあたるコスト増加や環境の悪化にも繋がるため、世界規模で食品ロスを削減する取り組みが緊急の課題といえます。

※1 出典:環境省「我が国の食品廃棄物等及び食品ロスの発生量の推計値(平成30年度)の公表について」(最終閲覧日:2022年3月20日)
※2 出典:農林水産省「食品ロスの現状を知る」(最終閲覧日:2022年3月20日)

⚫️飢餓問題

2021年の世界人口は78億7,500万人、2020年と比べ1年で8,000万人増加するなど、現在も増加の一途を辿っています。
しかし、世界人口の10人に1人にあたる最大8億1,100万人もの人々が飢餓に苦しんでおり、国連の持続可能な開発目標「2:飢餓をゼロに」の『2030年までに飢餓をなくす』という目標への道のりは、現実的に大きな差が生じています。
2021年時点では78億人ですが、2030年には85億人、2050年には95億人、そして2100年には95~127億人に達すると予想されており(※3)、今のままでは人口増加に伴って栄養不足・貧困で苦しむ人が急増していくと見込まれます。

※3 出典:国際連合経済社会局「世界人口推計 2019年版」(最終閲覧日:2022年3月20日)

 

取り組み事例

このような課題を解決するために、サーキュラーフードという概念が生まれ、民間企業(産)・政府や地方公共団体(官)・大学をはじめとする学術機関(学)などが連携した多様な取り組みがおこなわれています。ここでは、ユニークな取り組みを実施する企業を3社ご紹介します。

  • 1. Loop

    ゼロ・ウェイストなECサイトを目指し、小売店や運送会社などのパートナー事業とともに、便利で気軽に参加できる再利用のためのエコシステムを世界中で展開しています。
    Loopでは「捨てるという概念を捨てる」というミッションのもと、お気に入りの商品を再利用可能な容器で購入し、使用後は返却することで容器代を返金、回収した容器は洗浄し再利用することで循環型のプラットフォームを形成しています。日本ではAEONがパートナープランドとしてLoop商品の取り扱い、容器回収ボックスを設置し、この取り組みに参画しています。
    Loopオンラインショップでは、食品だけでなく、日用品や美容・衛生用品なども取り扱っています。

    Loop

  • 2. GRYLLUS

    食品廃棄物を餌とした「コオロギ」の養殖に成功した、徳島大学発のベンチャー企業です。
    人口増加に伴う食料不足・栄養不足のなかで、特に大きな課題として「タンパク質」の確保が重要視されており、コオロギのもつ高い栄養素がその危機を打開する存在だとして現在注目を浴びています。
    コオロギが注目されるポイントとしては3点あり、①コオロギは雑食なので食品ロスを餌として育てることができる②育成にかかる環境負荷が低い③成長が早く飼育が容易、という特徴があります。「とはいえ、昆虫はちょっと…」と思う方に向け、GRYLLUSでは誰もが食べられるような工夫を施したパンやクッキー、カレーなど高タンパク・高栄養素の食品が展開されています。(まだ手に取ったことはないのですが、個人的にコオロギパンの購入を検討しています…!)
    次の章で触れますが、GRYLLUSは産官学連携で発足した「サーキュラーフード推進ワーキングチーム」に参画し、日本で率先してサーキュラーフードを推進している企業です。

    GRYLLUS

  • 3. CRUST JAPAN

    2019年にシンガポールで設立されたフードテック企業です。
    パートナーシップを組むホテルやレストランから提供された余剰食材を使用してビールへとアップサイクルさせたり、食品ロスとなってしまうフルーツや野菜をノンアルコール飲料へと生まれ変わらせています。通常のビールは主に麦やホップを使用しますが、CRUST JAPANではパンや米などを材料とするため、今までにないフレーバーやお酒の新しい楽しみ方を提供しています。ホームページでは、活用した食品ロスの量やカーボンフットプリント(製品生産にかかる温室効果ガスの削減量)なども記載されており、気候変動や持続可能な社会をより意識した企業活動がおこなわれています。
    CRUST JAPANも後述の「サーキュラーフード推進ワーキングチーム」に参画しています。

    CRUST JAPAN

 

サーキュラーフードが目指す未来

食品ロスの課題解決・サーキュラーフードの普及に取り組むべく、2021年10月に産官学連携で「サーキュラーフード推進ワーキングチーム(WT)」が発足しました。
サーキュラーフードの推進を通して、SDGsターゲットの12.3「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の1人当たりの食品廃棄物を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品の損失を減少させる。」を目標に、2040年までに日本国内で発生している食品ロス約253万トンの活用・循環を目指しています。

そんなサーキュラーフード推進WTが目指す未来として、以下4つの施策を推進目標として掲げています。(※4より抜粋)

  • 1. 食品ロス・活用技術についての情報交換の場の形成

    食品ロスの発生情報や活用技術情報を活発に交換するプラットフォームを形成し、食品ロス排出企業と活用企業のマッチングを促進させます。

  • 2. サーキュラーフード認証マーク

    環境負荷を低減する新しい技術を活用して生産された食品への認証制度をつくり、スピンオフ団体での認証制度運用や食品以外への制度拡大を目指します。

  • 3. サーキュラーフードシティ構想

    一つの街と未来の食を創造する「Circular FOOD City」を目指し、サーキュラーフードに関する研究開発から商品を販売・提供まで一貫して取り組める複合支援を提供します。

  • 4. サーキュラーポイント制度

    食品ロス削減量に応じたポイントを購入者に付与し、「サーキュラーフードを購入するきっかけ」として普及を促進します。

※4 出典:フードテック官民協議会サーキュラーフード推進WT設立趣意(最終閲覧日:2022年3月20日)

2021年10月に発足したばかりなので、ご存知ない方も多いかもしれませんが、今後の活動に期待し、私たちも積極的にサービスや情報収集に活用していきたいですね。

 

まとめ

いかがでしたか?
サーキュラーフードについて、少しでも知識を深める機会にしていただけたら幸いです。

また、同時に私たちは食品ロス自体を減らすことができます。
食事を作りすぎたら残りは冷凍したり、食べ切れる分だけを購入したり、そんな小さな積み重ねが社会を変革する第一歩になるはずです。

まずは今日から、日頃の生活を振り返り、無駄のない食生活を実践してみませんか。

 

コラム執筆

澤永 和葉(さわなが かずは)

2021年入社。コーダーとして大手航空会社さまのサイト運用業務を担当。
趣味はパン作りと文房具集め。


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