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CO2削減だけでは足りない? 温暖化問題の新知識

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こんにちは、BU1–4アートディレクターの天野です。
2021年末、BU1–4が主導して、国際環境NGOコンサベーション・インターナショナル ジャパンの2021年度年次報告書のリニューアルをプロボノ案件として担当しました。この記事では、コンサベーション・インターナショナル(CI)のご紹介と、CIが提唱している気候変動についての重要な知見「回復不可能な炭素(Irrecoverable Carbon)」について合わせてご紹介できればと思います。

目次
・CO2削減だけでは温暖化問題は解決しない?
・コンサベーション・インターナショナルについて
・NGOの資本元と活動について
▫️年次報告書プロジェクトについて
・環境を考慮したリニューアル
・メンバー紹介
・担当者からのコメント

https://www.pexels.com/photo/person-with-a-face-mask-and-latex-gloves-holding-a-globe-4167542/
©️Anna Shvets

 

CO2削減だけでは温暖化問題は解決しない?

二酸化炭素(CO2)は温室効果ガスの一つと広く知られています。
しかし、CO2は化石燃料の燃焼などだけでなく、伐採・火災・乾燥化などの森林破壊の際に、森や土壌からも放出されていることについてはあまり知られてはいないのではないでしょうか?
植物は、空気中から二酸化炭素を取り込み、水と日光で光合成を行い酸素を作り出すことは知られていますが、樹木は、体内に多くの炭素を貯留しています森林が伐採などで破壊されると、その森林に固定されていた炭素が二酸化炭素として放出されることになってしまうのです。
コンサベーション・インターナショナルが最近発表した研究では、世界各地にある自然生態系の中で、特に「原生林」「泥炭湿地」「マングローブ」には、膨大な炭素が貯留しており、これらの自然生態系が破壊されてしまうと、こうした自然は地球の長い年月をかけて形成された生態系のため、植林すれば回復するようなものではなく、取り戻すのに何百年もかかることから、そこから放出される炭素を「回復不可能な炭素(Irrecoverable Carbon)」と呼び、優先的に保護するべき場所として、回復不可能な炭素の場所を示す世界地図を公開しています。
気候変動を食い止めるためには、温室効果ガスの排出をなくすことと同時に『今ある重要な自然を破壊させないこと』が必要です。
コンサベーション・インターナショナルは、そのような地域において、現地政府やコミュニティとともに自然を破壊せずに持続可能な暮らしが確立するように支援しており、それは、私たち先進国に暮らす人間にとっても非常に有意義なことなのです。

 

コンサベーション・インターナショナルについて

コンサベーション・インターナショナルは、自然が人々にもたらす重要な便益を守るために、世界30か国で、科学、パートナーシップ、フィールドワークを通じて、自然に基づく気候対策の実施とファイナンスの改革、また、重要な生息地を守りながら、自然保護に基づく経済発展を推進しています。
自然を保護するためには、そこへ住む住人の暮らしや文化を守り続けることが重要という考えにより、主に途上国における地域コミュニティから政府・企業まで、幅広いパートナーシップを組んで、多様な保全活動を展開しています。
その日本支部がコンサベーション・インターナショナル・ジャパンで、最小限の多様なメンバーによって運営されています。
コンサベーション・インターナショナル・ジャパン

 

私たちがNGOと関わっていくには?

自分も社会へ貢献したいと考えている方もいると思うので、NGOへの関わり方についてご説明します。
コンサベーション・インターナショナルは国際的に活動する環境NGOですが、環境NGOの中でも、実はその活動資金の調達方法は、様々です。
コンサベーション・インターナショナルは、一般会員制度を持たず、米国本部の理事会による資金調達と、各国政府や企業とのパートナーシップによるプロジェクトを優先的に推進しています。一般会員制度を持たないCIのようなNGOはそうした広報活動を行っていたために認知度は低くなりますが、トヨタ自動車や日産、シチズン時計、スターバックスコーヒーなど、多くの企業とのパートナーシップを構築しています。
NGOやNPO、それぞれの組織がそれぞれの方針を持って活動しているところに対して、個人や会社として「どこの方針に賛同できるか」という視点で提携先を選ぶことも今後あることだと思います。また、ドネーションも大事ですが、今回の私達のようなプロボノとしてのクリエイティブな仕事やボランティアで貢献していくことも、これからの社会貢献のスタイルとしてとれる方法になっていきそうです。

※NGO:“Non Governmental Organization = 非政府系組織”  政府=国としてではなく、地球規模の課題に国際的に取り組む組織のこと
NPO:“Non Profit Organization = 非営利組織”  お金を設けるための活動はしない組織のこと

 

コンサベーション・インターナショナル2021年 年次報告書より
https://www.conservation.org/docs/default-source/japan-documents/cij_annual_report_fy21.pdf

 

 

年次報告書プロジェクトについて

環境を考慮したリニューアル

ここからは、私たちが手がけた年次報告書のプロジェクトについてお伝えします。
私たちがこのプロジェクトに携わるにあたり、目的にしていたことはどれだけ環境に負荷のないものが作ることができるかです。
自然保護団体であるからこそ、理念と行動を一致させたいと考えていました。
実はこれまでの年次報告書は、冊子やタブロイドの形で印刷会社で印刷し、イベントや訪問時に配布されていました。しかしコロナの影響でリアルの配布の場が激減しているという現状を聞き、紙の無駄を無くすためにも、デジタル閲覧をメインにシフトを提案しました。要所で必要がある印刷物は必要な時に必要なだけオンデマンド印刷するという方法にして、無事ウェブ閲覧をメインとしながら印刷しても違和感のないレイアウトで進めることができました。
写真を美しくリッチに見せることが不可欠だったため、消費電力を抑えるデザインにするまでは至りませんでしたが、紙の無駄を防ぐことはできました。

2021年 年次報告書

コンサベーション・インターナショナル2021年 年次報告書より
https://www.conservation.org/docs/default-source/japan-documents/cij_annual_report_fy21.pdf

 

メンバー

プロジェクトにおいて、メンバーズは企画、情報設計、アートディレクション、ビジュアルデザインを手がけました。
体制としてはBU1からAD、デザイナー、ディレクター、プロデューサー4名のほか、アイデア出しに2名の協力を得て、初のプロボノ案件を実現することができました。

 

担当者からのコメント

磯部 麻子(一般社団法人コンサベーション・インターナショナル・ジャパン 広報担当)
写真もキレイでわかりやすく、同業のNGOからも数字や写真をもとに、フィールドの状況が分かる非常に魅力的な内容ですね、とお褒めの言葉を頂いております。今後もメンバーズ様にCIのブランディングや行動変容を促すアウトリーチ活動において、ご協力頂けることがあれば、嬉しく存じます。

井上 奈緖(メンバーズ ディレクター)
初の取り組みでディレクションについてはもちろん、実際行われている環境保護活動についても深く知ることができ、環境問題への関心を高めるきっかけとなりました。今後は発信していくことをより意識して取り組みを行っていければと思っています。

村上 沙織(メンバーズ デザイナー)
デザイン面で関わらせていただきましたが、初めての経験だった為、メインの自然の美しさを伝えるためのビジュアライズについて試行錯誤しながら学ぶことができ、また環境への取り組みを知るきっかけにもなりました。 こちらの内容を読み、自然保護活動に興味を持っていただけるきっかけになれば嬉しいです。

天野 一記(メンバーズ アートディレクター)
自然の美しさ、尊さが伝わることが一番の目的だったため、ビジュアルで魅せてゆくアートディレクションにしました。「こんな美しい自然を守るために、こんな考えで活動している組織がいるんだ。」と知ってもらうきっかけになれば嬉しいです。今後もCIのプロボノ活動は粛々と続けてゆきますので、ご興味のある方はご連絡ください。

 

コラム執筆者 天野 一記(あまの かずき)
第1ビジネスユニットアカウントサービス第4ユニット所属
UXリサーチ、UXデザイン、アートディレクションを軸に日々手を動かしたり考えたりしています。

 

カテゴリ: CSV
2022年01月25日