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「Webサイトの運用設計」第1回:Webサイトの運用設計とは

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「Webサイトの運用設計」虎の巻

今回から6回連載で「Webサイトの運用設計」に関して特集していきます。
Webサイトのリニューアルをしてみたは良いが、うまく運用ができない。現状の運用に課題がある、運用で成果を出していきたいといった企業Web担当者やWeb制作会社ディレクターの方々向けに、運用設計とは何かから、どういったことを運用設計で実施すべきか、何が必要なのかを簡単にわかりやすく全体的に網羅する内容にする予定です。

本連載の運用設計は、システム運用の運用設計ではなく、
Webサイトのフロントページ更新担当者向けの運用設計解説となります。

第1回:Webサイトの運用設計とは
第2回:Webサイト運用で企業が抱える課題(1月公開予定)
第3回:企業の内製化トレンドと運用設計(1月公開予定)
第4回:運用設計に必要なもの(2月公開予定)
第5回:運用設計タスクリスト(2月公開予定)
第6回:運用設計納品物(3月公開予定)

第1回:Webサイトの運用設計とは

初回の今回は、Webサイトの運用設計とは何なのか、なぜやらなければいけないのか、どんなことをやるのか、運用設計の流れなど、Webサイトの運用設計をする上でベースとなる項目を抑えていきます。

今回のメニュー
Webサイトの運用設計とは?
運用設計を行うメリット
運用設計の対象
運用設計の流れ
運用設計のポイント

Webサイトの運用設計とは?

・「運用設計」とは、日々の運用業務をどのように実施を行うかの行動指針となるものや、普段の運用が属人化しないためのマニュアルや、レギュレーション、ガイドライン等を含めたサイト内のガバナンス強化のための定義や、障害時や災害時の対応方針などを策定したものです

・実施タイミングは大きく2種類に分割されます
1.サイトリニューアルの場合
2.運用リプレイスや改善が必要な場合

・現在の流れとして、サイトリニューアルを実施し終了ではなく、サイトリニューアル後の運用業務でデータドリブンマーケティング*へ変革を行うためには、どのような手法をどう運用に組み込んで改善していくかが大きなポイントとなってきています

・特に実施タイミング1で挙げている、サイトリニューアルの際に新しいシステムを導入する場合にはシステム運用設計と同時に業務要件を含めた業務運用設計が非常に大切となります

*様々な顧客データを基にして、マーケティングなどの戦略や、一つひとつの行動(顧客へのアプローチなど)を客観的に判断する経営手法

運用設計を行うメリット

運用設計が適切に行われていないとどういったことが起こってしまうのかを挙げてみます。

①有事の際のフロー、対応が決まっていなかった
災害や障害、ビジネスに大きなインパクトのある予測不能の緊急事態が起きた際に、即時性の非常に高い対応を行う際のフローが明確に定められていないと対応に時間を要してしまい、ビジネスに大きなインパクトを起こす可能性があります
緊急時を想定し、システム的な対応フロー、社内の承認の仕組み化、対応マニュアルを整備しておくことで万が一の事態に対応できます。

②デザインガイドライン、レギュレーションが明確になっておらずサイト全体のガバナンスが取れなくなってしまった
大きなサイトや、グローバルに展開している企業などではWebサイトの運用も色んな部署やグループ会社、海外拠点等々、様々な人が様々な要望を盛った状態でサイトを運用していることが多くあります。ルールがなく好き勝手にサイトを更新していくと担当者により様々な意思が存在し、担当者目線のみでの好みのサイトが立ち上がりサイトの統一感はどんどん失われて行きます。
お客様(エンドユーザー)にとっては同じ会社のサイトを見ているはずなのに外見がどんどん変わっていってしまうのは不安を煽りますし、サイトの操作方法がわからず離脱率に繋がっていきます。

③人の入れ替えで知見を持っている人がいなくなってしまった(属人化の弊害)
案件知識を持った担当者が異動や退職になり、人の入れ替えが発生した際にWebサイトへの掲載ルールや対象ページ、波及ページ、影響範囲がわからないことによりサイトの更新がうまくまわらずに、お客様(エンドユーザー)へ必要な情報がきちんとお伝えすることが出来ない状況等へ陥ることが考えられます。

一例とし3つの例を挙げましたが、全てに共通し運用設計を行うメリットは、
・運用ルールが徹底され顧客(エンドユーザー)に必要な情報をきちんとわかりやすくお伝えすることが出来、企業の顧客満足度に繋がります
・運用担当者がいかに楽にルールを守りながら日々の業務を回すことができるかに繋がります

運用設計の対象

運用設計の対象は、誰かが担当者としており日々業務をしているもの全てとなります。
そのため、いわゆるWebサイト更新担当者の方々はWebサイトの運用設計のみが対象となりますが、システムを安定稼働させるために管理・監視=運用が必要となるものも存在します。
・インターネット環境
・DBサーバー
・Webサーバー
など・・・

本連載における運用設計はシステム運用ではなく、Webサイトのフロントページ更新担当者向けのため例えばECサイトの場合には
・TOPページ
・NEWSページ
・キャンペーンページ/プロモーションページ
・新規ページ
・更新ページ
・削除/転送ページ
・FAQページ
・会員限定ページ
・新規入会ページ
等々、ページによって運用方法が変わるもの全てが運用設計の対象となります。

そのため、プロジェクト遂行の前に今回の運用設計が入る対象範囲を詳細まで洗い出しプロジェクトメンバーで認識を必ずすり合わせることが大事となります。
後から運用設計の対象を追加となると、調査等を1から実施しなければいけないため追加コストとなるので気を付けてください。

運用設計の流れ

運用設計の基本の流れとなります、以下手順を踏みリリースを目指します。

1.提案・計画作成
・発注側
-RFPを作成するために、今回の目的やスケジュール、実施してほしい内容、納品してほしい資材を纏める
-RFP*の書き方や記載内容についてはメンバーズの関連記事を是非御確認ください
https://www.members.co.jp/search.html?query=RFP&start=0&count=10&group=1&site=F95OIGRP&charset=utf-8
-マイルストンとなる箇所を軸とし(コンペタイミング、分析計画フェーズ、テストフェーズ、公開日等)スケジュールの概要を作成する
・受注側
-RFPをもとに提案書の作成を行いお客さま企業の合意を得ます

2.調査・要件定義
・発注側
-運用設計を行う上で大事なのはいかに現状の問題や仕様書を受注側に伝えられることができるかになります
-専属の担当者が存在する場合には、受注側との繋ぎを行い全体を把握し受注側と要件定義を詰めていきます
・受注側
-RFPを元に対象物に対し現状調査を行い(仕様書やマニュアルの確認やお客さま企業へのヒアリング)を基に要件定義を纏めます
-運用設計を行うためには現状の問題になっている箇所を現場含めヒアリングを行う
-仕様書等が存在するのであれば読むことにより、新しく運用設計を刷新すべきなのか一部改修でいいのか、仕様ママでいくのか等を見計らう

3.運用設計
・発注側/受注側
-調査・要件定義を基に運用設計を行い、すべてのパターンが網羅され検討しなければいけない事項が漏れていないか確認しながら実施する
-コンペ時に合意を得た各種資料の作成
-調査・運用設計を行う上で追加になった作成資料や対象範囲増加などがないかを確認

4.運用導入・テスト
・発注側/受注側
-運用設計を行った運用フローに沿って、実運用のテストを行い、実用性の確認を行う
-テスト実施後、改善点が見つかれば運用設計の見直しを行う
-運用に関係する全担当者(他社ベンダー等もいれば含む)に対し、どのような運用にしていくのかを説明しツール等を導入した場合にはレクチャーも行います

5.移行/納品
・発注側/受注側
-新環境に移行する場合には、移行後に実際に動くのか想定をしていた流れの通りに実施できるのかを確認する
・受注側
-策定した納品物を納品し、運用設計タスクは完了となります

*Request for Proposal(提案依頼書)

運用設計のポイント

運用設計についてお話してきましたが、運用設計を行うことでの大きなポイントは
・誰が見てもわかる資料であること
新卒や異動社員、新規ベンダーや既存メンバーでも全ての人が運用設計書をみることで同じ理解・同じ対応・同じ認識でいなければいけません、人によって理解が異なるような資料および設計はNGです。

・全てが網羅されていること
ビジネスの基本である、5W1H*が必ずわかる資料となっていることが必須となります。
どのファイルを触ればいいだけでは、誰がやるのか責任の所在はどこにあるのか等、諸々の情報がわからず人によって対応方法が変わるや、属人化に繋がっていくことになるので、資料を見れば5W1Hが網羅され誰でもが対応できるようになっていなければなりません。

*Who(だれが)When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)

今回は運用設計が行うことは何かというポイントで説明を行いました。
次回からは、企業が抱える課題や詳細なタスク・納品物等に触れていきます。

運用設計のご相談は運用のメンバーズに是非ご依頼下さい
サービスに関するお問い合わせ

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Webサイト運用・運営

コラム執筆

多賀 黄菜美(たが きなみ)
2013年入社。第4ビジネスユニット アカウントサービス第15ユニットに所属し、構築案件の運用設計PLを担当。

カテゴリ: Webサイト
2022年01月05日