members

members

なぜ脱炭素社会を目指すのか?

Tweet

テキスト

日本政府による2050年のカーボンニュートラル宣言からちょうど1年、アメリカ政府も民主党のバイデン政権に代わり、ビジネスを取り巻く環境やビジネスパーソンの意識は着実に脱炭素に向けられていると言えるでしょう。

地球温暖化の原因となっている温室効果ガスの濃度が数十年で急激に上昇し、地球温暖化が加速していること。地球温暖化がこのまますすめば、地球環境はもちろん、私たちの暮らしや経済に大きな影響を与えることは、IPCCによる最新のレポートなどで科学的にも証明されています。

テキスト

出典:メンバーズ 脱炭素に関する社内勉強会資料より

 

ここでは、なぜ脱炭素社会を目指すのか?人権問題や人類存続などの観点からその根本的な意義を改めて考えてみましょう。

 

●気候変動は人権問題であり格差問題である。

昨年の10月時点で、カーボンニュートラル宣言を行う国はすでに120か国以上。最近は中東の産油国、サウジアラビアやバーレーンまでが、2060年を期限とした脱炭素宣言を行いました。

なぜここまで世界の国々がカーボンニュートラル宣言を行い、脱炭素社会を目指すのか?それは、2015年に国連で採択されたパリ協定が基点となっています。そして、今問われているのが、気候変動は、環境問題やエネルギー問題に加えて、人権問題であるということです。

温室効果ガスの排出量が日本の1/18程度のバングラディッシュでは、非常に多くの人々が海面上昇など、気候変動の影響によって気候難民となり、命の危機にさらされています。

参考:「昨日家が流された」気候変動に揺れるバングラデシュ貧困層、気候難民の深刻さ
https://creators.yahoo.co.jp/konishiyuma/0200131727

皆さんもご存じのモルディブやツバルも同様に海面上昇により暮らしそのものが脅かされています。そう、真っ先に被害を受けるのは、概ね社会的弱者や開発途上国の人々なのです。温室効果ガスを出すことにより享受可能な私たちの便利な暮らし。一方で、気候変動が進むことにより、脅かされるのは主に開発途上国の人たちの暮らしであり、次の世代を担う若者たちの将来の生活であることを忘れてはなりません。

国境や領土という地政学的な境界線はあれど、太陽系から見れば1つの惑星である地球。

「気候変動は裕福なものから貧しいものに対する暴力である」
書籍『それを、真の名で呼ぶならば(岩波書店)』でのアメリカの作家、レベッカ・ソルニット氏の主張は、気候変動が進み、経済格差の拡大、分断する社会への警鐘を鳴らしています。

 

●生物圏の土台により私たちは生かされている

SDGsには、スウェーデンのヨハン・ロックストローム博士が考案した「ウェディングケーキのモデル」があります。
ウェディングケーキの土台となる1番の根っこを形成するのが「生物圏」であり、その上に「社会圏」、「経済圏」と続き、頂点には目標17のパートナーシップが位置付けされています。

テキスト

出典:スウェーデン レジリエンス研究所 環境科学者 ヨハン・ロックストローム博士

 

「生物圏」を構成するのは、以下の4つとなりますが、すべてが地球環境や生物に関連することになります。

目標6:安全な水とトイレを世界中に
目標13:気候変動に具体的な対策を
目標14:海の豊かさを守ろう
目標15:陸の豊かさも守ろう

私たちが普段口にしている水や食料をはじめとして、身の回りのモノは自然環境が豊かであるからこそ私たちが享受できる、まさに自然の恵みであると言って良いでしょう。

カーボンニュートラルや脱炭素が経済やビジネス用語として一般化される今日。しかしその土台を支えるのは自然の恵みであることを忘れてはなりません。人間のおごりともいえる、地球を守ろう、地球に優しい・・ そうしたキャッチコピーは、私たちと「生物圏」とが逆転する本末転倒な考え方と言えます。

暮らしや経済活動以前に私たちが生存できるのはこれら生物圏あってこそ、その中で人間は生かされていることを謙虚に受け入れるべきでしょう。私たちの生存そのものが危ぶまれれば、暮らしや経済活動もままならないことを新型コロナウィルスによるパンデミックにより、世界中の人々が痛感していることでしょう。

 

●歴史的名画に描かれた人類の運命

いまからもう50年以上前に公開された名画「猿の惑星」。主人公テイラーが見た海岸沿いで目にした衝撃的な風景は、SF映画史上いつまでも語り継がれるラストシーンといっても過言ではありません。

日本政府のカーボンニュートラル宣言からちょうど1年が経過した本日、温室効果ガスの大気中濃度が、昨年過去最高を更新したとの国連が発表したニュースが流れていました。映画が描いた人間の愚かさは、ずっと昔から、そして、21世紀の現代も全く変わっていないことを示す象徴的な出来事となりました。

映画で描かれる悲劇的な未来の景観を人間の運命として片付けるのか?脱炭素化を進めて、現在の文明を次世代に引き続くのか?キャスティング・ボードは私たちが握っています。

 

 

萩谷衞厚

萩谷衞厚

株式会社メンバーズ
EMC推進室 Social Good Company編集長
人間中心設計(HCD)スペシャリスト
日本マーケティング学会会員 サステナブル・マーケティング研究会 事務局

新卒入社の外資系コンピューター会社を経て、2000年より、コールセンター・CRMコンサルティング・ファーム 株式会社 テレフォニー(現 株式会社 TREE)に在籍。コールセンター構築や顧客戦略のコンサルティング業務に関わりながら、2007年以降は、環境映像Webメディア Green TV Japanの立上げ・運営に従事。メディア運営と併せて、経済産業省や環境省、文部科学省の環境に関連する政府広報や省庁プロジェクトに関わる。
前職の事業譲渡に伴い、2015年5月より、株式会社 メンバーズの100%子会社 株式会社 エンゲージメント・ファーストに在籍。Shared Value Agency®として、大手企業を中心に、様々なCSV推進プロジェクトに関わり、現在に至る。
茨城県日立市出身、人間中心設計(HCD)スペシャリスト、日本マーケティング学会会員
『UX × Biz Book 顧客志向のビジネス・アプローチとしてのUXデザイン』(共著)

CSV担当者向け資料

CSV企業インタビュー冊子

CSV企業インタビュー冊子

【無料進呈】メンバーズでは、社会課題の解決とともにビジネス目標の達成も実現する「CSV」や、秀逸でユニークな取り組みを行う企業へインタビュー集「Social Good Company」を定期的に発行しています。

資料ダウンロード
はこちら

カテゴリ: CSV, SDGs
2021年10月28日