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60社以上の取材経験から語る!気候変動への取り組みを牽引する企業の共通項

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EMCカンパニーの広報・もえかが、社内外で耳にする疑問やナゾをキーマンたちへのインタビューを通じて解き明かすシリーズ「教えて!メンバーズ」の第12弾です。

今回は、事業を通して社会課題を解決している企業や団体を紹介するインタビューシリーズ「Social Good Company」の編集長が登場!

 

目次
・Social Good Companyのご紹介
Social Good Companyとは何かをご紹介。最初は取材を断られ続けたものの、60社以上の取材ができた理由とは?
・気候変動に対する企業の潮流はどう変化しているのか?
日本政府による昨年10月のカーボンニュートラル宣言を皮切りに、企業でどのような変化が起きているのか?サステナビリティ部門と事業部門の関係性など、これまでの取材経験から語っていただきました。
・気候変動への取り組みを牽引する企業の共通項
「ウォッシュ」と呼ばれる見せかけの対応が揶揄されるなか、本質的な気候変動への取り組みができている企業の共通項について、取材や事例創出の経験からお答えいただきました。

 

お話を聞いたのは、この方!

萩谷衞厚

萩谷衞厚

株式会社メンバーズ EMCカンパニー プロデューサー / Social Good Company編集長

前職では環境Webメディアの運営や、経済産業省や環境省、文部科学省の環境に関連する政府広報や省庁プロジェクトに従事。2015年にメンバーズ入社。Shared Value Agency®として、大手企業を中心に様々なCSV推進プロジェクトに関わり、現在に至る。
人間中心設計(HCD)スペシャリスト、日本マーケティング学会会員、環境エンジニア2級を取得。
共著『UX × Biz Book 顧客志向のビジネス・アプローチとしてのUXデザイン』マイナビ出版

 

Social Good Companyのご紹介

まず、SocialGoodCompanyについて教えてください。

萩谷:SocialGoodCompanyは、単なる社会貢献やフィランソロピーではなく、事業を通して社会課題を解決している企業や団体を紹介することを目的に、2017年度からメンバーズのコラムにて掲載をはじめています。これまでに60本ほどのインタビューを実施し、記事を公開しています。

また、2018年3月からインタビュー記事をまとめた冊子の発行をはじめ、現在はVol.7まで発行しています。
こちらのページからダウンロードいただけます>

 
萩谷さんが取材交渉をされているとのことですが、企業の方(特にメンバーズとお取り引きのない企業)は応じてくださるのでしょうか?

萩谷:最初は苦戦していて、結構断られましたね。取材の実績も少なかったですし、今では社会課題解決の事例を取り上げるメディアやチャネルは珍しくないですが、始めた当初は何でこんなことをやっているのかと疑問に思われることが多かったです。
また、この取材で掲載費はいただいていないのですが、取材を受けたらお金がかかるんじゃないかと躊躇されることもありました(笑)

 
最近の傾向としては、どうでしょうか?

萩谷:取材を受けてくださる企業さまのご協力もあって、何とか記事数を増やしてきました。複数の冊子を発行できたことで、最近は冊子をお見せすると掲載先としての安心感を感じていただけるようで、嬉しいことに今ではスムーズに承諾いただけることがほとんどですね。

ただ、RE100などのイニチアチブに加盟しはじめて、実際の取り組みはこれからという企業さまは、取材依頼は喜ばれるもののまだ実績がないという理由で断られることはあります。企業としての取り組みが進み始めたことは確かなので、再度交渉させていただき記事にできたらいいなとポジティブに捉えています。

 

気候変動に対する企業の潮流はどう変化しているのか?

気候変動に対する世の中の潮流はどのように変化しているのでしょう?

萩谷:昨年10月に日本政府が発表したカーボンニュートラル宣言を皮切りに、企業やビジネスの観点から気候変動対策に取り組まないとマズイという潮流に変わったと感じますね。今までは、環境保全活動のように任意でやっていたものが、やらなければ企業にとってネガティブな問題が発生するようになってきています。例えば、持ち株を手放したり、融資を停止するなどの「ダイベストメント」の動きなどがあります。

 
企業のサステナビリティ部門は世の中の潮流を検知していると思うのですが、その他の部門でも気候変動対策に取り組まなければいけない認識を持っているのでしょうか?

萩谷:取材や仕事で関わりのある企業のサステナブル部門のご担当者に話を伺うと、脱炭素宣言の目標が掲げられて以降、「再生可能エネルギーを導入するにはどうしたらいいのか」「CO2削減するために事業で取り組めることは何か」といった相談が社内の様々な部門からくるようになったそうです。

 
サステナビリティ部門任せではなくて、自分たちの部門で何ができるか考えるようになったのは非常に大きな変化ですよね!

萩谷:そうですね。現状は、企業としてサステナブルな取り組みができていたとしても、社外に情報発信したり、顧客とのコミュニケーションやプロモーションに活用できている企業は少ないので、そこが非常にもったいないなと感じています。

パタゴニアやAllbirdsといった先進企業は、「商品・サービス」情報と「サステナビリティ」情報をうまく融合し発信しているので、日本でもそういった企業が増えるといいなと思っていますし、メンバーズとしてお手伝いしていきたいですね。

▼萩谷が執筆した企業のプロモーションに関する記事もあわせてご覧ください。
脱炭素時代の企業プロモーション~たった1つのシンプルな法則~

 
逆になぜ企業としてサステナブルな取り組みをしているものの、マーケティングにその取り組みが活用されないのでしょうか?

萩谷:日本社会には「隠匿は美徳」という考え方があるように、サステナビリティ部門では自分たちが管理するサステナビリティページやサステナビリティレポートに成果を掲載するだけにとどまってるケースが多いです。

サステナビリティ部門だけでは社外への情報発信力が弱いという課題もあるので、事業部門と連携して消費者に分かりやすく情報発信していくことが重要なポイントになってくると思います。

また、事業部門と連携できている企業でも、サステナビリティ部門と事業部門の方針のギャップが弊害となっているケースがあると思っています。経営方針としてはサステナブルな目標を掲げている企業であっても、事業部門にとって「サステナブルな取り組みを訴求することは付加価値ではなく、その商品やブランドのもつ世界観を崩すもの」と判断されてしまうことも多いようです。

ただ、メンバーズが行った生活者意識調査では、SDGsや地球温暖化問題に取り組む企業の商品への購入意向が全体の53%を占めており、サステナブルな訴求は購買意欲を増幅させる付加価値であることがわかっています。一方、そういった購入意向はあるものの31%の方が「対象の商品がよくわからない」と回答しています。このような実態を事業部門の方にも知っていただき、SDGsや地球温暖化問題への取り組みが商品に反映され、それを生活者が認知できるようにプロモーションされることが当たり前になるといいですよね。

参照:気候変動問題・SDGsに関する生活者意識調査(CSVサーベイ2021年3月)
https://www.members.co.jp/company/news/2021/0325_2.html

 
これまで気候変動に対して特にアクションしていないような企業でも、何か取り組みが進められているのでしょうか?

萩谷:サプライチェーン全体でカーボンニュートラルを目指す企業が、取引先企業に取り組みを求めるケースは増えてきています。

ケース① Apple
Appleは事業、製造サプライチェーン、製品ライフサイクルのすべてにおいて、2030年までにカーボンニュートラル達成を目標に掲げています。その目標達成に向けて、取引先の選定基準に気候変動関連の視点を取り入れるようになっており、製造パートナー110社以上が、Apple製品の製造に使用する電力を100パーセント再生可能エネルギーに振り替えていくことを発表しました。
https://www.apple.com/jp/newsroom/2021/03/apple-powers-ahead-in-new-renewable-energy-solutions-with-over-110-suppliers/

ケース② ユニリーバ
2039年までにサプライチェーン全体でCO2排出量の実質ゼロを目指すユニリーバでは、CO2の排出削減に積極的な企業との取引を優先するため、取引先に対して請求書にカーボンフットプリント排出量の記載を求めています。
https://project.nikkeibp.co.jp/ESG/atcl/news/00101/

自分たちで目標を立てるか、取引先の影響で対応を始めるかきっかけはさまざまですが、これまでアクションしてこなかった企業も行動にうつす時期にきていると思いますね。

 
東証の上場基準が見直され、サステナビリティについて基本的な方針を策定し自社の取り組みを開示しなければいけないとも聞きました。そういった動きも影響があるのでしょうか?

萩谷:私自身もちょうどお取り引き中の企業さまから相談をうけて、情報開示のコンサルティングを紹介したところです。そのコンサルティングの方に伺うと、かなり問い合わせが増えているそうです。

グローバルスタンダードとしての基準ではすでにサステナビリティへの取り組みに関する情報開示がされているので、やっと日本も追いついてきたと感じていますね。

 
逆に、基準に通るだけの辻褄あわせの対応になる企業も増えそうで怖いなと感じてしまいます…。

萩谷:そうですね、そうなるとやはり消費者の意識というのも重要ですよね。欧米だと、消費者が企業に対して脱炭素への取り組みを求めるために声をあげることは度々あります。

現状の日本は、投資家や世界の大きな流れの中で仕組みが変わりつつありますが、そこに消費者の厳しい視点も加わるとより本質的な取り組みが増えそうですよね。

 

気候変動への取り組みを牽引する企業の共通項

これまで取材をされてきて気候変動に取り組めている企業の共通項があれば教えてください。

萩谷:経営層が強い危機感をもっているという点が共通していると思います。マルイさんでは、一度経営危機を経験したことから、ビジネスの在り方を考え直したそうです。

<コラムより抜粋>

マルイさま(https://blog.members.co.jp/article/43674
現在の経営にシフトしたきっかけは、バブル崩壊後、貸金業法改正とリーマンショックの時期に、二度の赤字を経験したことです。そうした会社の危機的な状況が、これまでのビジネスのあり方を改めて考えるきっかけになったと思っています。

また、企業のトップが海外の経営層と情報交換したことで、気候変動対策をしていないことへの危機感を抱いていて経営方針をシフトしたという話は、取材していて数社で聞きました。

 
萩谷さんは、取材だけではなく多くのCSV事例の創出にも携わっているかと思います。その経験から、取り組みを成功させるポイントがあれば教えてください。

萩谷:これまでさまざまな企業さまと社会課題解決プロモーションをやってきましたが、その中で感じた取り組みを成功させるポイントが2つあります。

①我々メンバーズだけでCSV施策を考えてご提案するのではなく、お客さま企業と一緒に考えて作っていく進め方が良い
②さまざまな関係者(NGOやNPOなど)を巻き込むこと

①については、実際にワークショップを体験されたお客さまからも好評をいただいています。

<お客さまの声より抜粋>

みずほ銀行さま(https://www.members.co.jp/results/casestudy/case27.html
竹内氏:きっかけはメンバーズさんの共創デザインワークショップでした。従来であれば施策の要件をお渡しして提案をいただくという流れでしたが、今回はワークショップを通じて一緒に考えませんか?というご提案でした。

原:そのような提案を受けてどのようにお感じになりましたか?

竹内氏:そう来たか! という感じでしたね(笑)。従来のやり方、すなわち提案依頼を要件に落とし込んで考えていただき、ご提案いただくという流れは、我々も楽な反面、考えるところを御社をはじめとするベンダーに任せてしまうことで我々自身が考える作業をやめてしまっている点も課題であったと思います。今回のご提案は、我々も一緒になって施策を考えるというアプローチで、ワークショップの中で、その背景からの共有、共創によるアイデア創出、その場でのクリエイティブアイデアのプロトタイピングという流れを体験できたことはとても良かったです。

(中略)

竹内氏:今回のワークショップは単に集まってアイデアを出し合うというブレーンストームと違い、みずほ銀行のWHY(社会における存在意義)を考えることから始まり、2030年の日本とお客さまの未来を考えることからのバックキャスティングという手法を提供していただいたので、自行の価値を立ち止まって考えるいい機会になりました。

②については、これまで企業さまでそういった団体との繋がりがないケースも多いので、当社でコーディネートのお手伝いしつつ、より共感性の高い取り組みを実現できればと思います。

 
最後に、こうした企業の社会課題解決の支援を行う企業は、他にもあるのでしょうか?ある場合、他社とは異なるメンバーズならではの特徴について教えてください。

萩谷:最近は、大手広告代理店やコンサル会社など、社会課題訴求を起点とした支援をする企業は増えています。メンバーズにはこれまでのCSV活動支援の事例も数多くあるので、単なる流行り言葉としてのSDGs訴求にはならないように、事業を通じて社会課題を解決に貢献できる支援をしていますので、ぜひ一緒に取り組みができると嬉しいです。

萩谷さん、ありがとうございました!

今回のお話をまとめると・・・

 

 

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<編集後記>
「教えて!メンバーズ」の第12弾は、いかがでしたか?昨年10月から企業でも気候変動対策にむけた取り組みが検討され、まさに過渡期なのだと実感しました。
また、私自身、社員インタビューを始めて取材調整や準備・原稿の執筆など大変だと思うことがありますが、萩谷さんの取材交渉に対するアグレッシブさを聞いて、ただただ感銘を受けました。見習わなければ…!

<コラム執筆>
鈴木 萌果
EMCカンパニー EMC推進室 マーケティング&コミュニケーショングループ
2015年にメンバーズへ新卒入社。ソーシャルメディア運用・広告ディレクション業務を経験し、現在はEMCカンパニーの広報・マーケティングを担当。社内のサービス・取り組みを発信する『EMCライター』という社内唯一の職務をせっせと遂行中!

 

 

カテゴリ: CSV
2021年09月30日