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巨大プロジェクトで5年以上成果を出し続ける方法とは?-設計編 ①設計者の基本姿勢-

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“巨大プロジェクトで5年以上成果を出し続ける方法とは?-設計編-”

我々のユニットでは、領域も多岐にわたる巨大プロジェクトにおいて、5年以上に渡ってクライアントとともに確かな成果を創出してきました。
プロジェクト参画に際して試行錯誤しながら改良した進め方やチームに蓄積した学びを、「設計編」「チームビルディング編」の2つのテーマに分けて紹介したいと思います。
「設計編」では、全3章に渡り、メンバーズが価値を発揮しているUX/UI設計の進め方や成果をまとめました。ディレクターもデザイナーも「設計者」とした、その基本思想やノウハウをナレッジとして共有します。 今回は、「設計編」の第1章として「設計者の基本姿勢」についてご紹介します。


まず、「設計者の基本姿勢」では、導入として基本的な姿勢やポイント、意識したいことに触れたいと思います。
我々が参画しているプロジェクトでは、ECサイト/アプリに対する機能追加であったり、サイトの課題解消のための、要件定義 / 詳細設計 / UI制作などの「UX/UI設計」を行なっています。
設計には5つのポイントがあるので、そちらを以下の架空のサービスを通じて説明していきます。

“ドローン配送導入検討してみた”

画像:ぱくたそ-すべて無料の写真素材(フリー素材)人物や背景・テクスチャなどの写真をダウンロード

※こちらの機能検討は全く架空のもので、実際の業務とは一切関係ありません。

①ビジネス要件を把握

一つ目のポイントは、「ビジネス要件を把握すること」です。
設計というものは、クライアントが達成したいビジネスゴールを把握するところから始まります。
ゴールが把握できていると、目的達成のためのベストな方法が提案できるようになります。ドローン配送を例にあげます。
ドローン配送というのは、オンラインストアでの注文が完了してから、1時間以内に近くの店舗からドローンが直接自宅に商品を届けてくれるサービスを想定しています。
ドローン配送でクライアントが達成したい目的は、「商品をすぐに自宅に届けて欲しいユーザーに対しての機会創出を行い、そこからの売り上げ増を見込むこと」だと仮定します。
その場合、「注文から配達完了まで1時間以内」というドローン配送の最大のメリットをユーザーに対して訴求するUIの検討が必要です。
このように、クライアントが目標を達成するためのベストな方法を提案する為には、ビジネスゴールを把握することはマストです。

“ビジネス要件を把握”

画像:ぱくたそ-すべて無料の写真素材(フリー素材)人物や背景・テクスチャなどの写真をダウンロード

②最新の技術の仕様/特徴を把握

二つ目のポイントは、「最新技術の仕様/特徴を把握すること」です。今回のようなドローン配送の場合は特にそうですが、その新機能でできることや、仕様、制約を正しく把握しないと、適切なUI設計はできません。
ドローン配送の特徴を考えると、ドローンが荷物を運んで飛んでくるため、着陸できるスペースがある必要があります。
また、ドローンだと、配送できる荷物の量にも限界があると思われるので、重さ、個数の上限があることを考慮に入れなければなりません。
これらが把握できていないと、「着陸地点の入力フォーム」を検討しないといけないということが思いつかなかったり、重さ制限・個数制限をどうやってユーザーに伝えるか、ということも思いつかなかったりするので、「最新技術の仕様/特徴を把握すること」はとても大事です。

“最新技術の仕様/特徴を把握”

画像:ぱくたそ-すべて無料の写真素材(フリー素材)人物や背景・テクスチャなどの写真をダウンロード

③サイト全体の構成を把握

三つ目のポイントは、「サイト全体の構造を把握すること」です。
新しい機能を導入する際は、既存サイトのどの部分に影響が出るのかをまず調査する必要がありますよね?
そして、影響範囲を漏れなく調査するためには、サイト全体の構造の把握が必要です。
我々のユニットでは、サイト構造を常にドキュメントで可視化しており、最新のサイト構造がわかるようになっています。しかも、それぞれのサイトのデザインや仕様へのリンクが付いているため、デザインや仕様をすぐに見られるようにもなっています。
このようにサイト構造を可視化することによって、「誰でも、漏れなく」影響範囲を調査することができるようになります。
ドローン配送の場合であれば、新しい配送方法の導入になるので、例えば、自宅配送・メール便・店舗受け取り・コンビニ受け取りなどの「配送方法選択」の中に、ドローン配送を追加しなければならない、というのはすぐに思いつくと思います。
しかし、他にも、注文確定前の最終確認ページで「あなたが選んだ配送方法はドローン配送です」というような表示をさせなければならないとか、さらに注文履歴ページにも記載が必要であったりと、実は漏れがちな色々なページが把握できるようになります。

“サイト全体の構成を把握”

④サイトの技術的仕様を把握

四つ目のポイントは、「サイトの技術的仕様を把握すること」です。
どんなに理想的な設計をしたとしても、それが既存サイトの技術仕様であったり、既存サイトの制約をクリアできていないと、実現は不可能です。一から設計をやり直しということもありえます。
なので、実現可能な設計をするためにも、サイトの技術的仕様の理解は必須です。例えば、ECサイトの機能として、オーダーキャンセル機能というものがあるとします。注文完了から30分以内はキャンセルできるという仕様とすると、ドローン配送の場合、注文完了後すぐにドローンが向かってきてしまうため、30分以内にキャンセルできる機能が残ってしまっていると、ユーザーが途中で「やっぱりキャンセルしよう」と思った時に、ドローンが既に稼働していたら困ってしまいます。
なので、そういったことを防止する為に、ドローン配送の場合はキャンセルを不可にする検討をしなければならなかったりします。
また、ドローン配送ができるエリアは限られてくることが想像できるので、ユーザーが配送エリア内にいるかどうかの判定を行う仕組みが、サイトの技術仕様的に可能なのかを検討する必要も出てきます。
こういったことを検討する為にも、受け持つサイトがどういう機能を持っていて、どんなことができて、どんなことができないのか、技術的仕様を把握しておくことが大事です。

“サイトの技術的仕様を把握”

⑤ユーザー心理の把握

五つ目のポイントは、「ユーザー心理の把握」です。これが一番大事です。
具体的にどういうことかというと、サービスを使ってくれるユーザーが間違えず、迷わず、目的を達成できるようになっているかを見極める必要があるということです。
一度完成した成果物をもとに、ユーザーの気持ちになって、ユーザーの取り得るあらゆる行動パターンを検証し、ユーザビリティに問題がないかチェックを行う必要があります。
ドローン配送で、ユーザーが求めそうなことを考えてみます。
例えば、急ぎで商品が欲しいユーザーというのは、ドローンの配達状況や現在地がどうなっているのか、ちゃんと向かってきてくれているのか、ドローンが墜落していないか心配になると考えられます。
そこで、リアルタイムでドローンが向かって来ていることを視覚的に表現するUIを入れると、ユーザーの不安や、焦りも解消できるのではないかと考えます。
こういった「気づき」の感覚を磨くためには、やはり日頃どれだけサイトやアプリを触ってユーザー体験をしているか、ということが物を言ってきます。設計において、最も重要な部分であると考えています。

“ユーザー心理の把握”

まとめ

我々が参画しているプロジェクトでは、主に「新機能追加」や「サイトの課題解消」の為に、Webサイトやアプリケーションの要件定義や詳細設計、UIデザインなどのUX/UI設計業務を行なっています。本章では精度の高い設計業務を行うためのポイントを解説させていただきました。

ポイントのおさらいです。

▼設計者の基本姿勢

①ビジネス要件を把握

②最新技術の仕様/特徴を把握

③サイト全体の構成を把握

④サイトの技術的仕様を把握

⑤ユーザー心理の把握

 

次回は、「プロジェクトの進め方」についてご紹介させていただければと思います。
それでは、失礼致します。

 

コラム執筆

Watanabe Cezar Yuske
小林 健
高橋里菜
中新田 紫乃
根元かな子
馬場 政宏