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サステナブルWebデザインのために考える!ディスプレイの色で変わる消費電力

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コラムのメインビジュアル

近年ではインターネットの利用率が急速に増加し、インターネット使用による二酸化炭素排出量も増えていることが問題になっています。

そんな中、Webサイトの閲覧による通信量や消費電力などを少しでも減らし二酸化炭素の排出を抑える取り組みとして、「サステナブルWebデザイン」に注目が集まってきています。さまざまな視点からサステナブルWebデザインのための手法が考えられていますが、このコラムで焦点を当てるのは、ディスプレイに表示される色による消費電力の大きさについてです。Webページを開いて閲覧すると当然ディスプレイの表示に電力を使います。表示されるページに使われる色でディスプレイの電力を抑えられることができれば省エネルギー化ににつながると思い、調査しました。

 

目次

  1. 液晶ディスプレイと有機EL(OLED)ディスプレイの仕組み
  2. 消費電力が大きいのは白or黒?
  3. いちばん消費電力の大きい色は?
  4. まとめ

 

 

1.液晶ディスプレイと有機EL(OLED)ディスプレイの仕組み

ディスプレイの種類によって仕組みが違い、電力の消費量も異なる場合があります。ディスプレイの種類は大きく2つあるので説明します。

 

■液晶ディスプレイ

表面にカラーフィルターがあり、後ろからLED等を使ったバックライトで照らします。その間で液晶を調節して色を表示させます。

 

■有機EL(OLED)ディスプレイ

OLED(有機発光ダイオード)を使用した有機EL方式のディスプレイです。
ピクセルごとにOLEDが設置されていて、OLEDが発光することで色を表示させます。そのため、バックライトが設置されません。

液晶ディスプレイと有機EL(OLED)ディスプレイの仕組み説明図

 

 

2.消費電力が大きいのは白or黒?

「ダークテーマを使うと画面の照度が落ちて消費電力を抑えられそう」と思っていませんか?実際私は、今回調査するまでどの機器でもダークテーマが消費電力を抑えられると思っていました。
実は、ディスプレイの種類によって白のほうが消費する電力が大きいのか、黒のほうが消費する電力が大きいのかには違いがあります。

液晶ディスプレイの種類は、主にTN方式・VA方式・IPS方式の3つがあります。
液晶ディスプレイ3種類の方式と有機EL(OLED)ディスプレイで、それぞれ白と黒のどちらが消費電力を抑えられるのか説明します。

 

TN方式:消費電力を抑えられるのは

一般的に多く普及しているTN方式のディスプレイでは、消費電力を抑えられるのは白です。
TN方式は、電圧をオフにするとバックライトの光がそのまま透過される仕組みのため、電圧をかけないと白く表示されます。バックライトを遮断するためには電圧をオンにする必要があるので、電圧をかけることで黒を表示させます。よって、電圧を使うのは黒なので、白を表示させるほうが消費電力を抑えることができます。

 

VA方式・IPS方式:消費電力を抑えられるのは

VA方式・IPS方式のディスプレイでは、消費電力を抑えられるのは黒です。
この2つの方式では、電圧をオフにするとバックライトの光が遮断され、黒く表示されます。電圧をオンにするとバックライトの光を通し、白が表示されます。よって、電圧を使うのは白なので、黒を表示させるほうが消費電力を抑えることができます。

 

有機EL(OLED)方式:消費電力を抑えられるのは

有機EL(OLED)方式のディスプレイでは、消費電力を抑えられるのは黒です。
黒を表示させるためにはOLEDの光をオフ、白を表示させるためにはOLEDの光をオンにするため、白を表示させることに電圧を使います。よって、黒を表示させるほうが消費電力を抑えることができます。

 

以上のことから、Webデザインを考えるときは、現在普及率が高い液晶TN方式に合わせて白を多く使用するといいと考えられます。しかし、現在はVA方式・IPS方式も値段が安くなっていたり、デバイスに使用されるディスプレイに有機EL(OLED)が増えていたりするため、将来的には黒の多いデザインを使用するといいかもしれません。

 

参照:
液晶パネルの違いまとめ:TN / VA / IPSのメリットと弱点 | ちもろぐ
TN・IPS・VA・有機EL方式ディスプレイの違いを解説【図解】 | Bable Tech
スマホディスプレイ、LCDからOLEDへの移行が加速 | EE Times Japan

 

 

3.いちばん消費電力の大きい色は?

ディスプレイではLEDが使われているため、LEDの消費電力もWebサイト閲覧の際の消費電力に関わります。
電圧が大きいほど電力の消費も大きいので、小さい電圧で表示できるLEDの色をWebサイトに使う工夫をするとよいでしょう。

LEDの順方向電圧を色ごとに比べると、青、白が比較的大きいことがわかりました。

LEDの種類ごとの順方向電圧を示した表

マルツオンライン「LED基本ガイド LEDの基本を詳しく解説」表1 主なΦ5のLEDより編集

 

また、サステナブルWebデザインについての書籍「Sustainable Web Design」(Tom Greenwood著)でも以下のように記述されています。

 

Color also makes a difference, with blue pixels consuming 25 percent more energy than green or red.

(色でも違いを生み、青のピクセルは緑や赤よりも25%も多くのエネルギーを消費します。)

 

引用元:Tom Greenwood(2021年2月)「Sustainable Web Design」A Book Apart出版

 

以上のことから、Webページのデザインには極力青以外の配色を心がけると消費電力を抑えることができると考えられます。

 

 

4.まとめ

今回は、私が社内で参加している「サステナブルWebデザインラボ」の活動の中で挙げられた疑問について調査しました。今回の調査では、Webページに使用される色という要素を調査したことで、配色によって消費電力を抑えサステナブルにつなげる方法を考えられることがわかりました。
自分で実際の計測等はまだ行っていないので、今後の「サステナブルwebデザインラボ」の活動を通してもっと調査や実践をしてみたいと思います。

 

 

 

【コラム執筆】

松本 夕貴(まつもと ゆうき)

EMCカンパニー第6ビジネスユニットアカウントサービス第1ユニット所属。
2021年4月に入社し、コーダー業務を担当する。
ラボ活動に参加してサステナブルWebデザインを勉強し始めた。

カテゴリ: SDGs, Webデザイン
2021年09月17日