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電力が足りなくなる時代に!?事例から見る電力会社のDXとは

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こんにちは。DXプロデューサーの児玉です。今日は生活に欠かせないですが、毎日使う割には請求が来たときくらいしか考えない、電気についてのDXの話をします。

今この記事を見るのに、スマホやパソコンに電気が使われていますが、このままだとその電気が足りなくなる時代が来そうということをご存じでしょうか。

去年の冬頃、電気の請求書をみて、電気代が高いなぁと思った記憶がある方も多いと思います。
強烈な寒波によって電力需要が大幅に上がりました。それと同時に液化天然ガス(LNG)の燃料不足によって稼働抑制が起こり、一部日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格が異例の高騰を続けていました。

2020 年 12 月~2021 年1月のスポット市場システムプライスの推移

(出典)2020 年 12 月~2021 年1月のスポット市場システムプライスの推移

電力はJEPXで30分毎に価格が変動しています。株価と同じで電力の需要が高まれば、値段も高騰します。日本の場合、電力を発電する原料の化石燃料はほぼ輸入であり、世界でエネルギー需要が増えていく中、現在原子力発電は停止されているため、今後も電気代が高くなるケースは十分に考えられます。

私たちが電力を節約する以外に何か方法はあるのでしょうか?

代替エネルギーとしてのクリーンな再生エネルギーへの注目

エネルギー業界にとても影響がある、2050年カーボンニュートラル宣言を去年菅総理が行いました。温室効果ガスの排出を全体としてゼロに、脱炭素社会の実現を目指すことが上げられています。

その中で、現状温室効果ガスの排出割合として、発電などのエネルギー転換部門が大きな割合を占めています。

(出典)温室効果ガスインベントリ

現在電力発電の主流と呼ばれる化石燃料での火力発電は、温室効果ガスが多く排出されています。そこで太陽光発電や水力発電など温室効果ガス排出ゼロの再生エネルギーへの転換を国全体で推進しています。しかし現在、全体の電気使用量の中で使われている再生エネルギーは約2割となっており、まだまだ低い水準ではあります。

(出典)世界エネルギー見通し2020年版(World Energy Outlook 2020, WEO2020)概要紹介(電力・原子力中心に)

今後、再生エネルギーの代表である太陽光発電は2020~2030年に、年間平均13%成長し電力発電の新たな中心軸となっていきます。

化石燃料の代わりとなる、再生エネルギーの電力、そしてエネルギー需要拡大において、さらに加速していかなければならない状態となっています。

次世代電力ネットワークの期待

現在、自宅の屋根の上に太陽光パネルが設置されている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。発電して自宅では使わず余った電気は、電力会社が買い取るFIT制度※を利用されていると思われます。
※FIT制度とは
再生エネルギーを一定の価格で一定期間、電力会社に買い取ってもらうことを国が約束してくれる制度。これによりコストの高い再生エネルギーの導入を促進しようという試み

海外ではそのように太陽光パネルなどで個人などが発電した電力を、買い手につなげるプラットフォームが次々に生まれています。今回は新しい電力取引のDX事例を2つほど紹介します。

事例1: 電気を発電所から直接購入できる「Vandebron」(オランダ)

Vandebronは、太陽光や風力の発電所から直接、再生可能エネルギーを購入することのできる個人間取引(P2P)のプラットフォームを提供しています。
オランダでは家庭の約7割が再生エネルギーを選択しています。しかしオランダの全エネルギーの10%だけが持続可能な方法で生成されていて、多くのサプライヤーは外国からのグリーン証明書に頼っているとVandebronは言っています。

webサイトでは、好きな発電所を選び、発電所の特色や場所もわかり、料金も明快ですぐ契約できる仕組みになっています。

商品を買うように、電気もこだわりを持って、作った人は誰なのか?どこで作られているのか?を知り、再生エネルギーを選ぶことで、間接的な温暖化防止行動が簡単にできる仕組みづくりをDXで解決することはとても素晴らしいです。

日本では現在、電力は電力会社から購入していますが、次世代では個人間取引P2Pが台頭してくることでしょう。

事例2: 近所で発電、近所で電力消費 Brooklyn Microgrid(アメリカ)

https://www.brooklyn.energy/

https://www.brooklyn.energy/

マイクログリッド(Microgrid)は小規模電力網という意味で、地域のエネルギーコミュニティになります。Brooklyn Microgridのプロジェクトでは、太陽光パネルを設置している建物にスマートメーターを設置していもらい、ブロックチェーンを使い余剰電力を隣人の家へ取引を可能にしています。

自然災害などで、大規模停電などが起きた時に影響を受けないため復旧が早いというメリットがあります。また独自の電力網を使用すれば、電気は送電する際に電力ロスが出ていくので、コミュニティ内の送電であれば、ロスが最低限に抑えられ、電気の地産地消とも言えます。

日本でも小田原などで非常時には独立して電力供給を行うマイクログリッドのプロジェクトが始まっています。

現在までは集中して発電して大手電力会社が販売していく形でしたが、これからは発電は分散型となっていき、個人でも発電して販売できるような時代がやってきます。電気が資産になりうる時代です。エネルギー業界の発展を支えるDXは、私たちの生活に電気の選択の自由、そして電気のサプライヤー側にもなれる自由を与えてくれます。

メンバーズは、企業が持続的に発展し価値を創出しながら、カーボンニュートラルな社会を実現させ、人々が心豊かな暮らしを送ることができる脱炭素社会を目指します。その変革のカギとなるDXを加速させ、新しい価値提供ができるよう支援を行っていきます。

DXの推進を伴走して支援するDXプロデューサーの紹介はこちら>>

DXプロデューサー
児玉 恭子(こだま きょうこ)

受託制作会社に始まり、大手證券、大手メーカー、SIer等で10年以上PM・WEBディレクターとして従事。2020年にメンバーズ中途入社。大手企業リニューアル案件をリードディレクターとして推進。現在は、DXプロデューサーとしてアジャイル開発のPO支援を行う。