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今話題のライブコマースとは?

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中国で大人気のライブコマース。日本でも2020年前後からメディアで取り上げられることが多くなってきました。メーカーや小売業で働いている皆さんの中には、会社の上司から突如「ライブコマースを実施せよ!」と指令が出た方もいるのでは?
私は、テレビのライブショッピング業界でプランナーとして経験を積み、縁あって今はWeb業界でSNS運用のお手伝いをしています。
Webサイト・SNSでのライブコマースは、日本ではまだ歴史が浅いこともあり、なかなか継続的に成果を出しているという例はあまり聞きませんが、
「商い=飽きない」。奥深くチャレンジグで魅力的なライブコマースの世界をご紹介します。

目次
1.ライブコマースとは?
2.ライブコマースで売上をUPするのは難しい?
3.ライブコマースのメリット~ライブコマースはショッピング体験を変える!

1.ライブコマースとは?

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ライブコマースとは生配信で商品を販売することです。SNSで商品を紹介し、自社のECサイトでの購入を促す場合もあれば、特別なツールを利用し、生配信の画面から直接購入できる場合もあります。商品の価格も様々で、数千円の商品を紹介することも、テレビショッピング専門会社が、5百万円を超える高額ジュエリーを販売することもあります。最近では、有形商品ではなく、保険の販売など無形のサービス商品の販売も見かけるようになりました。

広義ではテレビショッピングも「ライブ」「コマース」ですが、最近では、WebサイトやSNSアプリから「ライブ」で商品を販売することを指す場合が多いようです。
WebサイトやSNSアプリのライブコマースは様々な形態で配信されおり、ツールも販売フォーマットも開発途上のため類型化が難しいのですが、あえてわけてみると下記の3つに集約できるのではないでしょうか。

ライブコマースの種類

1.大手小売業やメーカーが、TV番組を制作するようにコンテンツを企画して配信するスタイル

・1回あたりにかけるコストが大きく、販売金額も相応。
・1~3か月に1回、など配信回数は限られる傾向。
・有名人が出演し、広告費をかけ、事前告知も大々的に実施。
・カメラを複数用意し、画面切り替えもスムーズ。
・専門ツールを使用しているケースが多い傾向。

2.小売業やメーカーが、スマホでインスタライブを実施するなど、自前の機器を中心に制作、配信するスタイル

・出演者は自ブランドの店頭販売員や、商品開発者などが多い。
・自社の店舗やオフィスの一室から気軽に配信するスタイル。
・TV番組を制作するようなスタイルと比較すると、ローコストで開始できる。
・ツール会社のツールを利用し、上手に自社のECサイトに連携している例も見られる。

3.ライブコマースライバーと呼ばれるような方を起用して、商品を販売するスタイル

投げ銭が可能なツールを利用して配信しているケースも見られますね。

どのスタイルにもそれぞれ魅力がありますが、売上規模や目的に応じて、「継続しやすい」スタイルで始められるとよいと思います。
何故なら、ライブコマースには「ライブ」であることの良さと難しさがあるからです。

2.ライブコマースで売上をUPするのは難しい?

photoAC

ライブコマースを始めてみたけれど、なかなか売上が上がらない、と聞くことがあります。
実は、大きな資金力と技術をもっているテレビのライブショッピング専門会社でさえ、最初の数年は大きな売上の確保は難しい状況でした。
テレビのライブショッピング大手、ショップチャンネルの2020年度の売上は1,611億円。ところが、初年度の売上は17億円。100億円を超えたのは4年目にあたる2000年です。※1

テレビの場合、ザッピングでたまたまチャンネルにたどり着く人もおり、よいコンテンツを作り続ければ定着してくださるお客様もいますが、Webサイト・SNSでライブコマースを配信する場合、数多くのサイトやSNSアカウントの中から認知し、意識的に自分のアカウントを選択していただく必要があります。

もちろん、テレビ広告に比べてインターネット広告は安価に出稿できるため、一時的な視聴者の確保は可能です。しかし、商品やサービスについて全く知らない人、購入検討の段階にいる人など、様々なファネルに属する人が混在している場合、必要な情報がそれぞれ異なるため、配信コンテンツの作り方が非常に難しくなります。サイト上では制限なく表示できる商品情報を、たとえば1時間の配信時間内で、「ライブ」で表現できる範囲の表現方法で紹介する、という制約があるからです。

ブランド認知や購入に至るまでの心理ステータスの違いだけでなく、価格帯、消耗品かどうか、購入サイクルによっても、最適な番組進行が異なるため、他社の「成功事例」を参考にしてもすぐに売上があがらないこともあるでしょう。

難しさばかりに目を向けてしまいましたが、ライブコマースにはよいところがたくさんあります。司会者と視聴者が協力して作り上げる「ライブ感」は、ライブコマースの醍醐味だと思います。

3.ライブコマースのメリット~ライブコマースはショッピング体験を変える!

photoAC

ライブコマースの一番のメリットは、「双方向性」ではないでしょうか。
匿名で質問ができ、チャットで依頼をすれば、商品の裏側や生地の伸び具合なども見せてもらえます。事前購入者が配信中に使用感を投稿すると、それに対して司会者や他の視聴者との間で会話が生まれることもあります。まるでサロンで好きな商品について語り合っているような空間がデジタル上に「ライブで」再現されることもあるのです。通販サイトで購入するだけでは味わえない喜びです。

時には使いにくかった、というようなマイナスのコメントが入ることもありますが、それも含めて「編集できない」「生の」情報を得ることができるため、視聴者は配信内容を信頼できるのではないでしょうか。

盛り上がっているライブコマースの配信に出会うと、商品を提供する人も、販売する人も、購入する人も楽しい!と思える世界が実現できる、素晴らしいフォーマットだと感じます。

今は認知度があがったテレビのライブショッピングですが、2000年初頭は、「テレビショッピング=怪しい」という印象もあり、バイヤーが大手メーカーに商品供給を依頼しても、なかなか取り扱いを許してもらえない、ということもありました。今では、おすすめする根拠として「テレビショッピングで大人気」と記載がある店頭POPも増えてきています。

しかし、「人気のテレビショッピング」も、昔から人気があったわけではなく、業界の売上規模が大きかったわけでもありません。業界が大きく成長したのは、テレビショッピングの番組制作会社、商品供給会社、出演者、かかわるすべての人がお互い学びあい高めあってきたからこそ、存在感が高まったのではないかと思います。

お客様の支持を得られる番組を制作することによって売上が向上し、認知度もあがり、供給できる商品の幅も広がり、テレビショッピングで多く売れていることが「人気」の象徴と言われる時代になったのです。

WebサイトやSNSでのライブコマースはまだ始まったばかりですが、ぜひ、かかわる人みなで、信頼できて、楽しくて、便利なショッピングのプラットフォームを作り上げていけたら嬉しく思います!

※1 出典:ジュピターショップチャンネル株式会社 会社案内パンフレット

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コラム執筆

タカノ キョウコ
テレビのライブショッピング業界でプランナーとして経験を積み、現在はメンバーズでSNS運用に従事。