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【事例05】富山県発 捨てられていた魚の皮を革に「フィッシュレザー」/サーキュラーエコノミーの実践的すすめ

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このコラムは、ケンブリッジ大学経営大学院の「循環経済プログラム」を修了した当社のシニアプロデューサーである数藤によるシリーズ企画です。企業がサーキュラーエコノミー(循環経済)を実践していくうえで、必要な知識やツール、参考になる事例を紹介していきます。

循環型経済を実施するには、プロダクト、ビジネスモデル、エコシステムの階層でイノベーションをもたらす必要があります。このシリーズでは、上位概念であるビジネスモデル層とエコシステム層に主眼を置き、有益な事例を紹介していきます。

フィッシュレザーのブランド「tototo」は、漁業文化が息づく富山県氷見市を拠点に、「生命の恵みを無駄にしない持続可能なものづくり」をコンセプトとして、食用時や加工する時に捨てられていた魚の皮をなめして作った魚の革「フィッシュレザー」を素材にした製品を販売しています。

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目次

■1.フィッシュレザーとは?
■2.なぜそれがサーキュラーエコノミーの例なのか
■3.ビジネス上のメリット
■4.ビジネス課題
■5.最後に

 

■1.フィッシュレザーとは?

「tototo」は、魚の皮という廃棄物を1枚1枚包丁を使って綺麗に削ぎ落します。その後さらに脱脂加工を繰り返し、匂いのもとの脂分を徹底的に除去、植物から抽出したタンニンという成分を少しずつ浸透させ皮を革化、染色・乾燥のプロセスを経てフィッシュレザーが完成。これを素材にした商品を開発・販売しています。

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■2.なぜそれがサーキュラーエコノミーの例なのか

毛皮など革製品のためだけに殺される動物がいる一方で、9割もの魚の皮が廃棄されています。
魚の皮やウロコに含まれるコラーゲンを活用した機能性食品材料へのリサイクル(バイオケミカルリサイクル)もありますが、皮を革として活用するリジェネレイトリサイクルな事例。「tototo」は命の恵みを無駄にしない、持続可能なものづくりに挑戦し続けています。

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■3.ビジネス上のメリット

「tototo」の取り組みは、ビジネス上の3つのメリットがあります。

1 魚類残滓に新たな価値を捉えて新製品を生産し、地域経済・循環経済を構築します
2 漁業関係者、水産加工メーカーは、廃棄物の流れを見直すことができます
3 新製品の製造に関わる人を雇用することにより、雇用を創出することができます

 

■4.ビジネス課題

この取り組みはまだはじまったばかり。概して十分な市場規模を確保するに至っていません。相対的に高いとされる生産コスト等の課題克服には,時日と投資を要する段階といえます。

 

■5.最後に

食品廃棄物の別利用化(リジェネレイトリサイクル)は世界的にも取り組まる循環経済のカギとなり施策のひとつです。
どの事例もベンチャーとしての開発力があるものの、ビジネスが軌道にのるまでの道筋はまだまだ遠く険しい状態です。
ESG投資先として、金融機関には積極的な検討を願いたいところですね。

循環経済を実践的に進める、プロセス、ツール、サービスを準備しました。
ご興味ございましたら、下部のプロフィールよりご連絡おまちしております。

これまでの“サーキュラーエコノミーの実践的すすめ”シリーズは、こちらよりご覧ください。

 


 

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コラム執筆

デジタルトレンドラボロゴマーク数藤 雅紀

数藤 雅紀(すとうまさのり)

シニアプロデューサー兼戦略プランナー、デジタルトレンドラボ所長
循環経済戦略プランナー(英国ケンブリッジ大学の経営大学院 Circular Economy & Sustainability Strategies修了)

 

 

大手證券、グローバルIT調査会社を経てメンバーズ入社。新規事業、国策案件、未踏案件など先例の少ない難易度の高い案件にこそ魂を燃やすタイプ。ケンブリッジ大学経営大学院循環経済プログラム修了し全力投球中。阿波踊りとフルマラソンを愛する左利きB型。

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