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【事例02】シカゴ発 遊休資産をみんなでシェア 大学研究室の切実な悩みから出発した循環経済ビジネスモデル/サーキュラーエコノミーの実践的すすめ

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このコラムは、ケンブリッジ大学経営大学院の「循環経済プログラム」を修了した当社のシニアプロデューサーである数藤によるシリーズ企画です。企業がサーキュラーエコノミー(循環経済)を実践していくうえで、必要な知識やツール、参考になる事例を紹介していきます。

循環型経済を実施するには、プロダクト、ビジネスモデル、エコシステムの階層でイノベーションをもたらす必要があります。このシリーズでは、上位概念であるビジネスモデル層とエコシステム層に主眼を置き、有益な事例を紹介していきます。

 

概要

Rheaplyは、組織の遊休資産をマッチングし、循環経済を促進するためのプラットフォームです。予算乏しい大学研究室の学生が、資金不足の解消に、同じ大学で遊休状態であった大量の未使用の機器や廃棄物を相互に紹介しあう仕組みを構築。いまや循環経済界のユニコーンとして注目されるビジネスに成長してきました。

ノースウェスタン大学のような大学の科学部は、多くの建物に散在する実験室や保管室に収容された数百万ドルの研究機器を所有していました。大学内に数多くの学部があり、大学全体で数千万ドルの機器が数百エーカーの広さのキャンパスサイトの周りに点在していたのです。機器の一部は定期的に使用されていますが、多くはアイドル状態であるか、まったく使用されていません。これは明らかに資産価値を失う状況であり、組織のコスト、埋め立て廃棄物、および環境に影響を及ぼしていたのです。こういった遊休資産を相互に貸し借りする仕組みを構築したのです。

大学卒業後も、この件での相談が舞い込むことから一大決心し、創業したのがRheaply社です。

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SUSTAINABLE PURCHASING LEADERSHIPやSupplier Leadership Awardなどでアワード獲得している将来有望な企業です。

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注目ポイントはここ!

操作イメージは、シェアリングのプラットフォームです。ただそこには循環経済的なUI/UXがうまく組み込まれています。

1、アイテムごとにルールを設定することができます。例えば、最初の数週間は身内利用(例:オーナーである研究室)のみとし、設定期間を超えて利用がない場合に、アセットは自動的にキャンパス側に公開され、さらに数週間後には組織外利用へと公開されます。ルールは時間軸の他資産タイプでも設定可能。たとえば、製造設備は組織内にとどまり、家具はどこにでもシェアできるとか。

2、譲渡の条件もカスタマイズできるため、機器を自由に移動・寄付または販売することができます。プラットフォームはサービスとしてのソフトウェア(SaaS)オファリングであるため、Rheaplyは売買手数料ではなく、サブスクリプション料金を通じて収益を上げます。Rheaplyが財務的に健全な仕組みをもっているといえます。

3、利用が途絶えた場合、資産の回収とリサイクルパートナーに委ねることができます。コンポーネントと材料をリサイクル。破棄比率を1%未満することに成功しました。

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循環型ビジネスモデル

遊休資産は、遊んでいることで資源の無駄、時間の無駄、価値の無駄につながります。
使われない資産はただのがらくた。邪魔な存在でしかありません。破棄していたはずです。また、一方で、大きな組織ではそんな遊休資産がどこにあるのかわからないため、不要な購入を続けてきました。まさにリニア経済状態だったものを循環経済へ移行できた好例です。

 

結果

・マサチューセッツ工科大学は、最大800人のユーザーのパイロットで、プラットフォーム上で最初の6か月で44,000米ドル以上を節約しました。
・シカゴ市とのパートナーシップにより、プラットフォームが稼働してから1週間以内に2,100の新規企業と非営利団体が、市の段階的な再開計画のためにPPEを調達することを目的にRheaplyにサインインしました。
・シカゴ大学は、1回の内分泌学研究室の清算で約300,000米ドルを節約しました
・Google・Abbvie・MiT・米国空軍などのさまざまな組織がRheaplyと契約することを決定する際のヒントとなることが多いのは、プラットフォームを通じて、クライアントがボリューム・モデル番号・状態・その他の詳細条件でかんたんに調達できたこと。数億ドル相当の価値があるとされています。

参考文献
https://www.ellenmacarthurfoundation.org/case-studies/connecting-people-with-things
https://www.ellenmacarthurfoundation.org/circular-economy/concept
https://rheaply.com/resources/blog/circularity-gap/
http://www.worldbusinesschicago.com/chicago-startup-rheaply-proves-innovation-is-possible-during-a-pandemic/
https://rheaply.com/resources/press-releases/ellen-macarthur-foundation/

 

循環経済の実践的すすめ方

このRheaply社のモデルは、昔からある“ご近所さんの貸し借りっこ”をDX/デジタルの力で循環経済に昇華させた好例です。
購入するということは地球の有限資源を消耗するということ。購入せずにシェア・リユーズがなされるだけでも立派な循環経済です。

日本の大手企業の皆さま、
あなたの会社でもすぐに導入できるビジネスモデルです。
また事務所を中心に近隣地域への貢献もできるモデルです。ぜひご検討あれ。

循環経済を実践的に進める、プロセス、ツール、サービスを準備しました。
ご興味ございましたら、下部のプロフィールよりご連絡おまちしております。

これまでの“サーキュラーエコノミーの実践的すすめ”シリーズは、こちらよりご覧ください。

 


 

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コラム執筆

デジタルトレンドラボロゴマーク数藤 雅紀

数藤 雅紀(すとうまさのり)

シニアプロデューサー兼戦略プランナー、デジタルトレンドラボ所長
循環経済戦略プランナー(英国ケンブリッジ大学の経営大学院 Circular Economy & Sustainability Strategies修了)

 

 

大手證券、グローバルIT調査会社を経てメンバーズ入社。新規事業、国策案件、未踏案件など先例の少ない難易度の高い案件にこそ魂を燃やすタイプ。ケンブリッジ大学経営大学院循環経済プログラム修了し全力投球中。阿波踊りとフルマラソンを愛する左利きB型。

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