ウェブサイトのアクセス解析ツールとして、多くの企業がAdobe Analytics(アドビ アナリティクス、AA)を導入しています。
ところが、Google Analytics(グーグル アナリティクス、GA)などの他のアクセス解析ツールよりも、AAはネットに情報が少ない、勉強本がない、ヘルプを見てもよく分からない、、という方、多いのではないでしょうか。
そこで本コラムは、初心者でもよく分かるように、AAの主要なブラウザツールである「Analysis Workspace(ワークスペース)」の基本的な使い方をご紹介していきます!
今回は第1回ということで、ワークスペースでできることと、簡単なデータ取得の仕組みについてお伝えします。
目次
1.ワークスペースでできること
2.データ取得の仕組み~レポートスイート、イメージリクエストとは
3.まとめ
1.ワークスペースでできること
「そもそもワークスペースって何?何ができるの?」と思われる方もいらっしゃると思います。
ずばり、ワークスペースとは、ブラウザ上でデータをビジュアル化し、共有するためのウェブブラウザアプリケーションです。
例えば、従来のアクセス解析ツールは、データを取得したあと、エクセルなどのツールに再度落とし込み、整形する必要がありました。
ところが、ワークスペースを使えば、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で、ブラウザ上でデータを表やグラフなどの形でビジュアライズ(視覚化)することができるのです。
ちなみに、AAには共有機能がついているため、作成したレポートをチームメンバーやクライアントと共有することもできます。
もちろん外部共有のためのPDF変換機能もついています。
つまり、ワークスペースを使えば、データの取得、分析、視覚化、共有までをブラウザ上で完結させることができるわけです。
2.データ取得の仕組み~レポートスイート、イメージリクエストとは
次に、具体的な使い方をお伝えするまえに、AAのデータ取得の仕組みについて、少しだけお話したいと思います。
どのような流れでデータが取得されているかをイメージできることは、少なからずデータ分析の助けとなるはずです。
ではAAのデータ取得の流れについて、簡単に見ていきましょう。
データ取得の流れをざっくり図で示すと、以下のようになります。
- ブラウザがHTML上でAAのjsコードを読み込む
AAの実体は、Google Analyticsなどと同様に、HTMLソースに記述されたです。
ユーザーがウェブサイトを閲覧するとき、ブラウザ(Internet ExplorerやGoogle Chrome)は、URL(アドレス)で指定されたHTMLを読み込みます。
- Adobeのサーバーにイメージリクエストが送られる
ブラウザがHTMLを読み込む際に、AAのコードが実行されることにより、AAのサーバーに「イメージリクエスト」が送られます。
(「このイメージリクエストをAAのサーバーに送信せよ」という内容の命令が記述されており、ブラウザがコードを読み込むことによって実行されるとイメージしてください。)
「イメージリクエスト」とは、1×1ピクセル以下の大きさの透過的なグラフィックイメージ(画像)です。
その画像のソースにデータ収集パラメーターが付加され、データ収集サーバーがそのパラメーターを読み取ります。
データ収集パラメーターには、アクセス(AAでは「ヒット」(※)と呼びます)ごとの関連情報―たとえば、いつ、だれが、どのページにアクセスしたかなどが含まれており、それを読み込むことによって、膨大なアクセス情報が蓄積されていきます。
※AAについて勉強していると、よく「ヒット」という単語に出くわすと思いますが、ヒットとは、まさに上記のJSコードが実行されることを指しています。次回以降、AAの専門用語などについても詳しくご説明していきます。
- レポートスイートにデータが蓄積される
イメージリクエストから取得したデータは、「レポートスイート」に蓄積されます。
このようにして、AAのコードが記述されたページがブラウザによって読み込まれるたびに、そのアクセスに関する情報が、「イメージリクエスト」としてAdobeのサーバーに送信され、データは「レポートスイート」と呼ばれるデータタンクに蓄積されていきます。
3.まとめ
いかがでしょうか?
ワークスペースで何ができるのか? また、どのようにしてデータを取得しているのか? について、ご理解いただけましたでしょうか。
データ取得に流れについては、少し難しい印象があるかもしれませんが、AAは非常に優れたUIで直感的な操作ができるようになっていますので、ざっくりと流れを理解しておけば、まったく問題ありません。
●第1回のまとめ
- ワークスペースでできること
データの取得、分析、視覚化、共有までをブラウザ上で完結させることができる
- データ取得の仕組み~レポートスイート、イメージリクエストとは
AAのコードが記述されたページがブラウザによって読み込まれるたびに、そのアクセスに関する情報が、「イメージリクエスト」としてAdobeのサーバーに送信され、データは「レポートスイート」と呼ばれるデータタンクに蓄積される。
次回からは、「ワークスペースの基本構造」や、単語の定義など、具体的な使い方についてご説明していきます!
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コラム執筆
清水 聡朱(しみず そうじゅ)
2018年入社。WMC1-1所属。大型サイト運用を担当。趣味は囲碁。
カテゴリ: Googleアナリティクス, マーケティング
2021年03月18日