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【セミナーレポート】「自然電力のお取り組みと再生可能エネルギーの現状について」

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世界各国が「CO2排出量実質ゼロ」を目標に掲げ、達成のために必要となる再生可能エネルギーへの注目が集まっています。

メンバーズでは2020年11月27日にお客さま企業向けの講演プログラムとして、株式会社自然電力 代表取締役 磯野謙氏をお迎えし、自社でのお取り組み内容と再生可能エネルギーの現状についてお話いただきました。本コラムでは、磯野氏の講演内容についてご紹介します。

目次
1.自然電力のご紹介
2.気候変動の現状
3.脱炭素社会に向けて必要なこと
4.産業構造の変化をもたらす気候変動
5.自然電力のお取り組み
6.企業における気候変動の取り組みへのメッセージ

 

1.自然電力のご紹介

自然電力では、「We take action for the blue planet. 青い地球を未来につなぐ。」というパーパスを掲げ、世界中で再生可能エネルギーの発電所を建設しています。規模としては原子力発電所1基分以上の再生可能エネルギーを作り提供してきました。


引用:https://www.shizenenergy.net/about/

 

2.気候変動の現状

地球温暖化は近年頻発する異常気象の原因であると考えられることから、世界的に重要な課題と認識されています。

日本でも気候変動の影響で東京の猛暑や熊本の水害などの自然災害が起こり、人的被害はもちろん、企業にとっては自然災害による損害が毎年起こっています。そのため各企業と個人が脱炭素社会実現に向けての取り組みを進め、気温上昇を食い止める必要があります。温暖化が地球の大きな変動によるものだとする考えもありますが、世界が高度経済成長し人口が増えて以降、明らかにCO2排出量が増えています。そのため気候変動は、人間がもたらしたものだと考えられています。

温暖化による深刻な影響を避けるため、平均気温の上昇を産業革命前と比べて2度未満に抑えようと定めた「2℃目標」を達成するために、2030年までに我々に何ができるのかを考えることが重要です。もし目標が達成できなければ、気候変動による海面上昇の影響で2100年には東京の半分が水に浸かってしまうという予測も出ています。


引用:気温上昇による東京近辺の浸水予測(「CLIMATE CENTRAL」データより)
https://choices.climatecentral.org/#11/35.6841/139.

 

3.脱炭素社会に向けて必要なこと

世界で考えられている脱炭素社会に必要なことは大きく2つあります。

化石燃料を再生可能エネルギー・水素燃料に切り替えていくこと

電化を進めること

再生可能エネルギーは価格が高いという印象がありますが、世界的には最も安い電源※になっています。日本でも最も安い電源にすることは可能です。また、再生可能エネルギーは不安定だということも言われますが、蓄電池やデジタル技術で需給バランスを取ることは可能です。もちろん、発電と需要のバランスを100%満たすことは、蓄電池やデジタル技術だけでは難しいため、余剰電力を使って水素を製造し、貨物運輸や農業機械など電化が難しい部分には水素燃料の活用をしつつ、電力が不足する際は、そうした水素で動く機械が発電した電力を系統に流すといった取り組みも必要です。カーボンニュートラルを実現するためには、こうした世界を目指すことになります。

残りのCO2に対しては、カーボンキャプチャーというCO2を地中に貯留する技術が検討されています。

現在CO2の約50%がエネルギー分野から排出されています。そのため化石燃料からのエネルギー転換が重要であり、世界と比較して遅れている日本では、まだできることがたくさんあると考えています。

※電力市場価格は、需給ひっ迫等により、高騰する場合もあります。


引用:2019年の電源構成:世界15カ国(自然エネルギー財団)
https://www.renewable-ei.org/statistics/international/

 

4.産業構造の変化をもたらす気候変動

ジェレミーリフキンの『限界費用ゼロ社会』という本では、3つの技術が変わると社会全体の構造が変わるといわれています。

1.コミュニケーション 2.エネルギー 3.輸送

これを現在に当てはめると、コミュニケーションはインターネット、エネルギーは再生可能エネルギー、輸送は電気自動車となります。


引用:限界費用ゼロ社会から引用し再編

歴史から考えてもこの3分野の変化に対応しなければ、社会変化から取り残されてしまいます。気候変動は情緒的な話だけではなく、この社会全体の構造変化をもたらすものです。

この3つの分野で最も進んでいるのはヨーロッパと中国です。企業においてはアメリカの自動車メーカー「テスラ」がこの3分野に投資をし、現在世界の自動車メーカーで最も高い株価となっています。そのため気候変動は環境問題の意味合いだけではなく、ビジネスチャンスとしても取り組むべき課題であり、これら3分野の変化に注目する必要があります。

また社会の構造変化が起きることで、化石燃料の輸入に使用しているお金が地方に回ると考えています。化石燃料費として現在約5.7兆円が使われていますが、再生可能エネルギーの使用量が10~20%増加すればその分の燃料輸入費が削減され、同時に再生可能エネルギー発電所の建設・運営にかかるお金として、海外ではなく日本の地方に循環することになります。

 

5.自然電力のお取り組み

自然電力の主な取り組みを5つご紹介します。

①自動車メーカーとのパートナーシップ
アウディブランド初の電気自動車である「Audi e-tron Sportback」のオーナーさまへ、定額の割引付きで実質自然エネルギー由来の電気を提供。

②パートナー企業と共に再生可能エネルギーを広める活動
パートナー企業を通じて自然電力にお申込みいただくと、電気料金のキャッシュバックや電気料金の一部をパートナー企業の社会貢献活動に充てるお取り組みをしています。

③地方に電力を軸とした新たなインフラ作り
長野県小布施町・地元企業と電力会社を作り、地域の方に再生可能エネルギーをご使用いただいています。また地方企業と共に水道・ガス・通信サービスなどのインフラ計画に策定段階から関わる予定です。

④グローバルでの取り組み
海外ではベトナムでの風力発電事業やタイにある日本企業の向上に太陽光パネルの設置を行っています。

⑤ライフスタイルのシフト
90%以上の電力を自給できるワーケーション施設への発電設備のコンサルテーション・再生可能エネルギー供給をする予定です。

 

6.企業における気候変動の取り組みへのメッセージ

気候変動をビジネスチャンスとして捉え、企業ごとにストレッチした目標を掲げ、アクションに繋げていただきたいと思います。

気候変動問題は企業・団体・個人などさまざまな動きがあり、現状がどうなっているのか把握することも難しい課題だと思います。また実際、課題が目に見えず、わかりづらいと感じる方も多いです。しかし、脱炭素とは脱化石燃料という意味であり、今後化石燃料に依存している事業は継続が難しいと政府が言っていることになります。たとえばEUではグリーンディールとして多額の資金が投入され、脱炭素が大きなビジネスの変化となっています。このように特にビジネスをされている方には、気候変動が社会的な価値だけではなく、産業構造の変化をもたらすものだと認識していただき、世界が変わっていくと良いなと思っています。

以上がセミナーでのご登壇内容となります。
ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

本コラムをご覧いただいた皆さまにとって再生可能エネルギーについて検討するヒントとなれば幸いです。

 

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<セミナーレポート執筆>
石川碧
EMCカンパニー EMC推進室 マーケティング&コミュニケーショングループ
2020年にメンバーズへ新卒入社。顧客向け勉強会の企画や自社サイトの運用業務を担当。社内のサービス・取り組みについてのコラム執筆にも挑戦中。