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DX視点で読み解く:祝!はやぶさ2カプセル帰還と回収

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2020年12月7日、6年間約50億キロメートルの航行を終え、小惑星リュウグウから無事カプセルの回収に成功したことは皆さまもご存知ではないでしょうか。

はやぶさ1のあのドラマがあったからこそ、今回のはやぶさ2は大きなミスなくサンプル回収に成功したのでしょうね。今後の調査分析結果の発表が待ち遠しい限りです。

 

目次
このカプセル帰還プロジェクトのどの部分にあなたは興味を持ちました?
●カプセル帰還と回収 概要
●カプセル帰還と回収に必要な事前調整と準備
●カプセル帰還と回収を範にDX推進を考える・・
ご提案:ちょっと早めの来期予算検討

このカプセル帰還プロジェクトのどの部分にあなたは興味を持ちました?

地球への突入?カプセル切り離し?
燃え尽きないカプセル強度?
予想着地点とおりの着陸?

どれも技術的に素晴らしい成果ですね。
でも、あなたがプロジェクト統括、それもDXのような新しい未知のことを推進する立場なら違う視点で見てほしいのです。

はやぶさ1のカプセル帰還と回収について、その点をまとめて解説している注目すべきレポート「はやぶさカプセル帰還と諸制度」がありましたので、そこからいくつかを抜粋してみたいと思います。

 

●カプセル帰還と回収 概要

はやぶさプロジェクトは宇宙航空研究開発機構(以下:JAXA)の探査ミッションであり、はやぶさカプセルは2010年6月13日に豪州南オーストラリア州ウーメラ管理区域(WoomeraProhibitedArea:WPA)に帰還を果たしました。その後6月17日には、チャータ機にて豪州空軍のウーメラ空港を飛び立ち、母国日本に輸送されています。日本から打ち上げ、外国ヘカプセルを着陸させ回収し、母国へ持ち帰ったプロジェクトとしては世界初となりました。

 

●カプセル帰還と回収に必要な事前調整と準備

”外国ヘカプセルを着陸させ回収し、母国へ持ち帰る”
たったこれだけのことを実現するのに、どれだけ日豪米との事前調整と準備が必要だったかというと…

画像1

この調整・準備作業に向け想像を絶するプロジェクト進捗管理が必要だったのでしょうね。

●着陸許可
豪州の宇宙許可安全局へ文書を提出し危険率等を計算。
はやぶさ探査機の帰還が追るにつれ、WPA着陸点の予測値を更新しついに着陸許可を得る。

●損害賠償保険
宇宙損害責任条約に基づき第3者損害賠償保険(カプセル帰還のリスク)を付保した保険額の算定が必要。
しかし豪州国内の間連法令が統一されておらず、その整理から実施してやっと契約締結。

●検疫
地球外から帰還する物体に対する検疫作業は初めて。
そのスキームを整備し、着陸予定地点に検疫官を出張手配し、カプセル破損時滅菌手順書を準備。

●運搬
着陸予定地点ウーメラは豪州のネイティブであるアボリジニーの聖地。
1回目のフライトではカプセルの回収を実施せず、アボリジニーの方々にヘリコプターの着陸地点を決定していただき、2回目のフライトにて回収を実施するという気遣いも忘れずに。
着陸地点からダーウィン等の大都市へ運搬するリスクを避け、日本までの運搬ルートを確保。

●通関手続
「着陸時は輸入」との解釈とのことで申請が必要となり、カプセルおよびイトカワのサンプルの資産価値を想定し申請、通関税手続きを終える。

●日本国内での調整交渉
文部省に、宇宙物体登録条約第4条第3項に基づき、はやぶさ消滅に伴う国連への探査機登録(消滅)の手続きをする。
経済産業省に、(宇宙開発は機微な情報技術を取り扱うため)輸出規制の物品や情報に抵触しないかを確認。
農林水産省/厚生労働省に、カプセルおよびイトカワサンプルは日本への入国に関して検疫の対象になるかを確認する。

まだまだ気の遠くなる確認事項があったようです。ご興味ある方はこちらをご覧ください。

 

●カプセル帰還と回収を範にDX推進を考える・・

遠い小惑星から土壌サンプルを持ち帰るという未知なるチャレンジ。
そのチャレンジのほんの一部が”カプセルを着陸させ回収し、母国へ持ち帰る”
たったこれだけのチャレンジでも気の遠くなる実務確認事項が山積です。

DXを推進するのも全く同じ。
大規模なDXプロジェクトになるほど、革新的なDXプロジェクトになるほど、
技術面に留まらず、既存の仕組みや制度との整合性を取る必要があります。
(はやぶさでいう通関税とか、検疫とか・・ですね)

DXを推進する上で、よく見落としがちなのが、法務チェック。
新たな事業を推進する上で関連する法令とその内容に細心の注意を払う必要があります。
法務部との接点が少ないとどうにも見落としがちですが、フィジビリティスタディしておかないとプロジェクトが大幅に遅延する自体に陥ります。最悪の場合は、撤退もあります。それに法務チェック関連の当該予算も確保する必要があります。

補:Fintech関連であれば、金融庁が一括相談窓口を設けており法令チェックを支援しています。
金融庁のみならず他省庁も含めた関連法令の確認を数日でおこなうという従来の官公庁ではありえないスピード感で支援が得られます。

もうひとつ見逃しなのが、PDCA関係。
構築するのに夢中で、運用設計が後回しになりがちです。
運用設計は構築設計と同じタイミングで行うことで、TOC(Total Cost of Ownership)は大きく下がります。
特に何をどのようにモニタリングするかここが大事ですが、なかなか目が行き届かないようです。

さて、コロナに振り回された2020年が終わろうとしています。
来年度の予算処置は順調ですか?
そのDX予算、ぬけ漏れはないですか?

 

ご提案:ちょっと早めの来期予算検討

そうそう、もうひとつ重要なことをお伝えします。
コロナ禍の影響を踏まえ、来年度(以降)の予算編成を抜本的に見直そうという企業が増えています。今年度は予算がなく応急処置的対処しかできなかったこと、または、ウィズコロナ・アフターコロナを見据え中長期的な計画とそれに必要な予算計画をしようという動きです。従来より数カ月早くからこの来年度予算に向けた事前調査・検討を開始しはじめている企業が散見されます。

今回のこの菅義偉官房長官の政策プランも、予算獲得に向けた状況証拠として使ってみるのもいいかもしれませんね。

DX視点で読み解く:次期首相最有力候補、菅義偉官房長官の政策プラン「自助・共助・公助、そして絆 〜地方から活力あふれる日本に!〜」

 

懸念事項あれば、いつでもご連絡ください、お待ちしています。

 

 


 

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数藤 雅紀

数藤 雅紀(すとうまさのり)

シニアプロデューサー兼戦略プランナー、デジタルトレンドラボ所長

大手證券、世界大手調査会社を経てメンバーズ入社。戦略プランナーとして、上場企業・グローバル外資企業などの大手企業のデジタル戦略・施策を支援。ネット選挙や新規事業系支援などの先鋭的案件も得意。阿波踊りとフルマラソンを愛する左利きB型。