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北欧フィンランドのEdTechに学ぶ!試験のDX

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新型コロナウイルスの影響で、さまざまな資格試験が中止や延期を余儀なくされています。
そんな中、独立行政法人 情報処理推進機構が開催する「情報処理技術者試験」が、新たにコンピュータを利用したCBT方式*1となることが発表されました。
https://www.meti.go.jp/press/2020/09/20200918003/20200918003.html(経済産業省ニュースリリース)

*1 CBT方式:「Computer Based Testing」の略で、分散した会場でコンピュータを利用する試験方式。受験者はコンピュータに表示された試験問題に、マウスやキーボードを使って解答し、試験結果は終了と同時に確認できる。インターネットを用いて自宅から受験する方式は「IBT方式」と呼ばれる。

試験の媒体が紙からコンピュータになることで考えられるメリットは

  • 試験制作にかかる手間の削減
  • 採点時間の短縮
  • 座席による環境の差異が減少
  • 動画など出題の幅が広がる
  • 席の間隔や入室時間の調整による感染リスクの軽減

などさまざまです。今後もさまざまな試験がコンピュータを利用したものに変わっていくと考えられますが、導入コストの高さやシステムトラブルへの対応など懸念点も挙げられます。

 

北欧フィンランドのEdTech

ムーミンでも有名な北欧フィンランドでは、コロナ禍以前の2019年から、日本でいうセンター試験(大学入学共通テスト)が完全にデジタル化されていたことをご存知でしょうか。
フィンランドはIT先進国ではありますが、入試のデジタル化はすぐに受け入れられたわけではなく、スムーズな導入にあたってさまざまな工夫がなされていました。

・スモールスタートで徐々に浸透

フィンランドでは1990年代から小中高でICT改革が開始し、2000年代には電子黒板や電子教科書、2010年にはタブレットやノートパソコンが日常的に使われるようになりました。
また試験のデジタル化も、まずは比較的デジタル化しやすい科目から限定して行われ、徐々に全体へと広げられていきました。

・模擬試験環境を先行公開

そんなフィンランド国内でも当初、デジタル入試の導入には反発や批判が多かったといいます。その反発を変化させたのが、デジタル試験の導入に先駆けて公開された「Abitti」(https://www.abitti.fi/)という模擬試験環境システムです。
模擬試験として試験環境を事前に体験することができたため、教師と生徒からフィードバックやサポートの要望が殺到し、デジタル入試はフィンランドの教育界に必要性をもって受け入れられたのです。

・カンニング防止

フィンランドのデジタル入試は、高校に生徒が来校する形で試験を行い、不正行為の防止のために教師が監督をしています。
学生たちの多くは、試験会場に私物のPCを持参し、渡されたUSBから試験環境のシステムを開いて試験を開始します。このシステムによって、試験中はPC機能が制限され、PCログも監視され、ブラウザ検索や翻訳などのカンニングを防止しています。

 

おわりに

教育のデジタル化はEducation+Technology=EdTech(エドテック)と呼ばれます。
コロナ禍によってタブレットやPCを用いて勉強する機会はぐんと増え、公立の小中学校でも電子端末を使った授業が始まっています。
また、国内でも一部の私立校が自宅からのオンライン入試を取り入れるというニュース*2もリリースされています。
*2 仙台育英学園秀光中等教育学校、入試の一部をオンライン化 https://edtechzine.jp/article/detail/3925 

今回ご紹介したフィンランドのオンライン入試はあくまで会場受験であり、自宅からのオンライン入試にはカンニング防止などの課題が残るのも事実ですが、模擬的に試験環境を公開しフィードバックを得るなど、参考になる工夫はたくさんあるように思います。
時代と状況に即した入試のあり方は、コロナ禍によって世界中で試行錯誤されている最中だと思います。常に最新の情報を得ることが重要だと感じました。

(参考サイト)
https://synodos.jp/education/23754
https://news.yahoo.co.jp/articles/96c2f42a7ea129aab3e13a7381f04da361c97455
https://www.ylioppilastutkinto.fi/ajankohtaista/blogitekstit/970-Digitaalinen%20ylioppilastutkinto%20kehittyy%20koronan%20varjossa

 

コラム執筆

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デジタルトレンドラボ

社内の有志が集まり、デジタル業界のトレンド調査を行い、社内外に情報発信しています。
9月におこなったウェビナー動画はこちら!→ デジタルマーケターが知るべき9つのDX最新事例

木戸 希望

2019年10月にメンバーズに入社。デザイン・フロントエンドや提案に奮闘中です。
デスクワークの冷え対策にジンジャーシロップを作りました。