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日本のキャッシュレス化はどうなる!?3つの視点から見たコロナ禍での変化

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キャッシュレス事情
引用;Pixabay

コロナの影響によって日本のデジタル化は急速に進展しました。リモートワークの推進やオンライン会議の活用などが代表例であり、キャッシュレスもその一例です。現在キャッシュレス決済は、便利でお得といったメリットに加えて、人との接触回数を減らせる観点からも注目されています。
では、コロナ禍において日本のキャッシュレス事情はどのように変化したのでしょうか。今回は利用者・店舗・政府及び企業の3つの観点から考えていきます。

 

1.利用者の急増

・コロナによる非接触型の浸透

コロナの影響によって、キャッシュレス決済の割合は増加傾向にあります。
利用増の要因として、「現金に触れなくてよい」「現金を扱うことでの接触回数を減らせる」などが挙げられます。これまで上位を占めていた「お得に買い物ができる」「お金の管理が楽である」を上回る勢いであり、接触への危機感が増していることがうかがえます。

また、キャッシュレスの中でも非接触型のスマホ決済は実店舗での利用が多く、クレジット決済はオンラインショップでの利用が多くなっています。つまり実店舗ではキャッシュレスかつ「非接触型」であることが重視されており、スマホ決済への対応が必要だと考えられます。

コロナ禍のキャッシュレス事情

出典;株式会社キュービック「コロナ禍のキャッシュレス事情調査」一部抜粋

 

・デリバリー・テイクアウトの利用増

外出の自粛によって外食の機会が減少したのに対して、デリバリー・テイクアウトの需要は伸びています。4月中旬から5月中旬にかけてのテイクアウト利用は以前よりも約40%増加し、約30%の人たちが今後も利用率が上がるだろうと回答しました。

「Uber Eats」や「出前館」を筆頭に近年需要が拡大しているデリバリーサービスもコロナの影響で需要増となっています。こうしたサービスではクレジットカードを連携して支払うケースが多く、デリバリー需要増=キャッシュレス増となっています。今後の予測を考えると、デリバリー・テイクアウトに順応したキャッシュレス決済への対応が必要だと考えられます。

飲食店のテイクアウトに関する調査

出典;ぐるなび「飲食店のテイクアウトに関する調査レポート」一部抜粋

 

2.導入店舗の増加

・スピード感ある会計で密にならない

様々な場所で耳にする「3密」を回避する手段としてキャッシュレスは有効です。そもそもキャッシュレスにはお釣りがありません。紙幣を出して端数を合わせるために小銭を探して…としている内に後ろに列が出来ていた経験はみなさんあるかもしれません。
しかし、キャッシュレス決済であればそのような手間は一切ありません。会計の回転率を上げることで、混雑回避、店内の回転率を上げる、待ち時間のストレス緩和などにつながります。このように3密にならないこと以外にも多くのメリットが挙げられます。


経済産業省とキャッシュレス推進協議会の調査によると、コロナ禍において約36%の中小店舗がキャッシュレスを導入し、前回調査(2019年11月)と比較して約5%上昇しています。この背景には還元率だけでなく、コロナ禍におけるキャッシュレス需要の増加も考えられ、今後も拡大が予想されます。

 

・店員とお客さんの接触回数を減らせる

利用者のメリットでもありますが、店舗側のメリットでもあります。店舗でコロナ感染者を出したとなれば、今後の営業に大きな影響を与えます。そのため店舗側でもいかにして感染リスクを減少させるか考えており、多くの店舗でキャッシュレス決済が導入されています。また、キャッシュレスはコロナ対策の一部であり、他にも様々な対策がとられています。

消費者と従業員の感染を防ぐ

出典;「アフターコロナは非接触決済が主流に?消費者と従業員の感染防ぐ」一部抜粋

 

 

3.政府・企業の後押し

5月4日、政府はコロナ禍における「新しい生活様式」を発表しました。その実例の中には、電子決済の利用も含まれており、今後も政府主導でキャッシュレスを推進する動きが活発になると考えられます。それに応じて、様々な企業でキャッシュレスを推進する動きがあり、三井住友カード株式会社は抽選で全額を還元する「With Cashlessキャンペーン」をスタートさせました。また、NEXCO西日本では管内のSA・PAで電子マネー及びQR決済をスタートさせ、コロナウイルスの感染防止に力を入れています。

参考;三井住友カード株式会社「With Cashlessキャンペーン」
NEXCO西日本「新しい生活様式の一環としてキャッシュレス決済を追加導入」

また6月末をもって終了した消費者還元事業に変わり、9月からはマイナポイント事業が開始されます。1人上限5000円相当が付与されるキャンペーンであり、国民の約3分の1にあたる4000万人を対象に行われます。キャッシュレス決済が対象であり、今注目が集まっている還元事業です。

参考;「マイナポイント事業ホームページ」

マイナポイント

出典;LINE Pay公式ブログ「マイナポイントとは?上限5,000円分を獲得するために必要な手続きと注意点」

このように利用者・店舗・政府及び企業の観点から見ると様々な側面でキャッシュレスは推進されています。withコロナの時代において、キャッシュレスは私たちの生活と切り離せないものになりつつあり、今後の当たり前になると考えられます。しかし、こうした潮流に対して課題もあります。

・カード番号や個人情報の漏洩に対する不安感
・盗難・紛失による悪用
・決済手段の多様化と複雑化
・災害発生時にキャッシュレスシステムが機能不全になるおそれ
・手数料・導入初期費用が高い

など利用者・店舗双方に様々な課題が挙げられます。個人の内面に依拠する課題をすぐに払拭することは難しいですが、まずは店舗側の負担を軽くし、そこから利用者へのキャッシュレス訴求を広げていくことが近道だと考えます。利用者・店舗・政府の三者が、時代と共に変化する消費者行動に見合ったキャッシュレスサービス・決済のあり方をこれからも考えていく必要があるでしょう。


*コラム執筆

伊藤

伊藤亘輝(いとうこうき)

20新卒の(見習い)WEBディレクター。大学時代は文学部日本中世史専攻の超文系学生。
好きな場所は、夜のコインランドリーと雑貨屋。QR決済はPayPayと楽天Payを使っています。