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DXプランナー視点で読む、日本製薬工業協会 医薬品評価委員会「ブロックチェーンって、なに?」報告書

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日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 データサイエンス部会が2020年7月1日に「ブロックチェーンって、なに?」という報告書をリリースしました。

この報告書では、ブロックチェーンの基本的技術を解説するとともに、この技術の課題点や医療業界での活用検討事例について紹介しています。

目次(上記報告書より抜粋)
1 ブロックチェーンとは
1.1 ブロックチェーンの定義
1.2 ブロックチェーンの要素技術
1.3 ブロックチェーンの動作メカニズム
1.4 合意形成アルゴリズム
1.5 ブロックチェーンの分類
1.6 ブロックチェーンのメリット
1.7 ブロックチェーンの課題
1.8 ブロックチェーンに関連した技術ブロックチェーンに関連した技術
2 ブロックチェーンの医療分野での活用事例ブロックチェーンの医療分野での活用事例
2.1 Personal Health Record: PHR,Electronic Health Record: EHR
2.2 臨床試験臨床試験 .
2.3 医薬品の流通医薬品の流通
2.4 ファーマレッジャー・プロジェクト

「1 ブロックチェーンとは」では、ブロックチェーンの基本的技術を丁寧にわかりやすく解説しています。市販の資料より読みやすく網羅的でもあり、とても素晴らしい内容です。

注目は、「2 ブロックチェーンの医療分野での活用事例ブロックチェーンの医療分野での活用事例」。医療分野で期待されるブロックチェーン活用領域が理由とともに事例解説されており、これは一読の価値ありです。

では、この活用領域に着目し、実際にブロックチェーンが利用された場合に、どのような運用上の課題がおきるのかを、UI/UXを考慮して読み解いてみます。
「構築」する以上に、「運用」が大切なのはどのプロジェクトも同じ。
早期にしっかりと社会に定着させる意味でも、ユーザー視点に基づいた構成と運用効率効果を整備することで、安定運用までの時間的・金銭的・運用負荷低減につながります。本コラムは、その一助になれば幸いです。

 

医療分野における3つのブロックチェーン活用

この報告書「ブロックチェーンって、なに?」では、ブロックチェーンの医療分野での活用として、次の3つをあげています。

 

●活用領域1:パーソナル・ヘルス・レコード(Personal Health Record、以下:PHR)

個人の健康情報を、電子記録として本人や家族が正確に把握するための仕組みです。医師に医療記録のアクセスを許可することで治療状況把握と誤診防止につながります。患者が処方薬を乱用することを防ぐことにもつながります。
先日閣議決定された「成長戦略フォローアップ」にも、PHRの推進は謳われており、今回のコロナショックでより一層注目されている領域といえます。

病歴・治療情報などは極めて高度な個人情報であるため、PHR は安全かつ非公開の環境で維持することが前提となります。そうした前提のなか、次のUI/UXを考慮することは極めて重要になります。

記録: 医療提供者及び本人が収集した情報を個人がPHR 内に所有・管理する際の容易性
公開: 「誰に」「どの情報範囲を」「フィルター有無」などアクセス権設定の容易性
参照: 「誰が」「いつ」「どこで」参照されたのか、アクセス履歴を可視化する仕組み

また、そのヒト(患者・被験者)が本人(または相続人・保護者)であるかなどの本人証明確認も必要になります。
このあたりのUI/UXは、金融業界の本人認証や個人情報管理が参考となりそうです。

 

●活用領域2:臨床試験

臨床試験の各工程のやり取りをブロックチェーン上でトレースするプランです。次のUI/UXを考慮する必要があります。

契約: 臨床試験開始時の被験者によるスマートコントラクト※の取り交わし
公開: データ二次利用など、利用範囲の設定。被験者が二次利用を拒否した場合、後日そのデータを削除した状態でデータ共有が行われたかを証明する必要も出てくる。
報酬: データ共有で発生する支払いの管理と被験者への報酬分配にも応用可能

※契約条件の締結や履行がプログラムによって自動で実行される仕組み

 

●活用領域3:医薬品の流通

2017年のC型肝炎治療薬の偽造医薬品流通問題に代表されるように、偽造医薬品の流通対策は世界的にも大きな課題とされています。偽造医薬品の混入防止に向けたサプライチェーン管理でもUI/UXを考慮する必要があります。

運営する事務局側も、ブロックチェーン全体の利用状況をデータ把握・解析する必要もでてきますね。

 

さらに進めると・・・・

近い将来、PHRデータや過去の臨床試験データを元にして、検診のススメや新薬の紹介といったOneToOneに基づくアプローチが実現できそうです。日本全体の医療費低減、医療保険費低減の観点からもそうするべきではないでしょうか。これはデジタルマーケティングの運用モデルがとても参考となります。マーケティングオートメーション(MA)の視点から考えるものありですね。

 

最後に

ブロックチェーンが実際の社会に利用されるまでもう少し。
早期にかつしっかりと社会に定着させる意味でも、安定運用までの時間的・金銭的・運用負荷を低減する意味でも、そろそろ真剣に運用を検討したほうがいい時期だと思います。

金融機関の運用、デジタルマーケティングの運用、マーケティングオートメーションの運用。
いずれも弊社で多くの実績をもっています。

お悩みあれば一度ブレスト(無料)してみませんか?
連絡お待ちしています。

数藤雅紀/ご連絡はこちらから

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数藤 雅紀

数藤 雅紀(すとうまさのり)

シニアプロデューサー兼戦略プランナー、デジタルトレンドラボ所長

大手證券、世界大手調査会社を経てメンバーズ入社。戦略プランナーとして、上場企業・グローバル外資企業などの大手企業のデジタル戦略・施策を支援。ネット選挙や新規事業系支援などの先鋭的案件も得意。阿波踊りとフルマラソンを愛する左利きB型。