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日本のOMO化はどこまで進んでる? ~原宿reportその1~

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O2Oが盛んだった2010年代、2020年からは、EC店舗とリアル店舗の融合と言われるOMO・ニューリテールのトレンドへと遷移していくと予想されています。

@cosme店舗内写真

画像:@cosme TOKYOのレジ前にある購買履歴が映し出されるデジタルサイネージ

O2Oは「Online to Offline」の略で、ネット上の店舗(オンライン)から、リアル店舗(オフライン)へ送客して、購買行動につなげるマーケティング活動のことです。
来店したらポイントをもらえたり、店舗で使えるクーポンの配布、商品やイベントの告知をSNSで行い、現在もネットから店舗への誘導施策は多く行われているのを目にします。

それに変わってOMOの場合は、Online Merges (with) Offlineの略で、アリババを創業したジャック・マー氏が提唱したニューリテール(新小売)、10~20年先での未来に訪れるだろう新しいリーテルのコンセプトのことで、O2Oの進化系とも言われています。

ネット通販で、自分の好みのものを最安値でいつでも買えるようになりましたが、実際に商品を手に取って試せないなどオンラインの顧客体験(UX)は限られています。また店舗に関しては、一定の在庫やスタッフの確保が必要で、運用コストが高いなど、それぞれにボトルネックを抱えています。

それらを、モバイルインターネットとデータテノロジーを用いることで、小売業のデジタルトランスフォーメーションを実現し、オンラインとオフラインを融合させた新しい消費体験をアリババは産み出しています。
アリババのNew Retail(Alibaba Japan)

アリババグループが出資する生鮮スーパー「盒馬鮮生(Hema Fresh/フーマ―)」では、生けすで泳ぐ鮮魚をその場で調理してくれるサービスや、商品には電子ペーパーを利用したプライスカードの中にバーコードが表示されており、アプリで読み取ると商品情報だけでなくユーザーレビューや調理方法なども閲覧でき、EC及びリアル店舗の顧客体験(UX)を出来る限り同一化するようにしています。

上記は中国のOMO化の一例に過ぎませんが、デジタル大国になった中国に比べて、日本は今どれだけOMO化が進んだのか、流行に敏感な原宿で、店舗にオンラインが組み込まれたお店を見つけたので、今回は2店舗レポートします。

GU STYLE STUDIO原宿 〜アプリとの連携で効果的な商品訴求〜

GU店舗内写真

セレクトショップのような高級感も感じさせるGUの原宿店。先行販売の新商品は購入して持ち帰りが可能ですが、その他の商品は試着のためのサンプルしか店舗においてありません。店内でもお買い物は、オンラインストアへ促すアナウンスが流れていました。

GU店舗内写真

店舗内でGUアプリを立ち上げると、”ようこそGU STYLE STUDIO原宿へ”というメニューがポップアップし(写真左)、商品についたタグのQRコードやバーコードをスキャン(写真中央)すると、自動的にお気に入りに登録(写真右)されます。気に入ればそのまま帰りの電車などで、アプリで注文手続きを取り自宅へ配送される仕組みになります。

他のGU店舗と比べると、商品在庫が陳列していないため、店舗内が省スペースでどんな服があるのか把握がしやすかったり、コードを読み込むとスタッフのスタイリングが表示されるので、手持ちの服との組み合わせがイメージできたり、試着しなくても雰囲気がわかるので購買促進にはつながりそうだと思いました。

ただGUの場合は低価格ラインの品揃えで10~20代中心のターゲットを考えると、オンラインストアでは送料が一定料金以内でかかってしまうため、顧客にとってはコスト面のデメリットが、また他GU店舗と同様に、気に入った服を見つけ試着するという店舗体験は変わ
らないため、お気に入りにはいれたけどその後カート落ちしてしまう(実際に私がそうでした)懸念を感じました。GU店舗が近くにない観光旅行者ターゲット向きかなという所感でした。

@cosme TOKYO〜デジタルサイネージを活用し、口コミ・ランキングと連動した商品訴求〜

@cosme店舗内写真

アットコスメの新体験フラッグシップショップが今年1月原宿駅前にオープンしていました。店内はより綺麗になりたい!欲望強き女の子たちで本当に混雑していました。
店舗入り口上はデジタルサイネージとなっており、原宿駅出口を出るとキャッチーさが目立ちます。

@cosme店舗内写真

店内は@cosmeのサイトを店舗にしたようなレイアウトで、各ブランドコスメエリア(写真左)、ランキングエリア(写真右)があり、スタッフのおすすめコーナーやシーズンエリア(今なら美白や日焼け止め)など所せましと配置されていました。@cosmeならではの口コミ情報量を軸としたコンセプトで、普段はお店で気になったコスメをサイトで検索して、口コミをチェックしてから買いますが、店舗内でその情報が得ることができ、みんなが選んでいるという安心感や百貨店や薬局を超える品揃えで、どこにも負けない陳列棚を作れる店舗だと感じました。

@cosme店舗内写真

コスメに関しては実際試すことができるかどうかという点が重要な店舗でのUXとなります。他店舗ではテスターがない商品でも、価格が安い高いに限らずほとんどの商品にテスターが置いてありました。化粧水なら手に塗って感触を確かめたり、アイシャドーであれば実際まぶたに塗ってみて(現在コロナ渦のため、顔へのテスターは禁止されていました)自分に合うかを試せる自由な環境が整っていました。上記写真は、TESTER BARコーナーでランキング上位のコスメが並んでおり、試供するためのパフやチップ、また落とすためのクレンジングが手前に用意されています。また各ブランドコスメには美容部員の方もいたので、相談にも乗れるようになっています。

@cosmeが元々ネットでの口コミサイトから始まっているので、店舗展開しても顧客のニーズがとてもよく把握できていると思いました。口コミサイトでの顧客ニーズが変われば店舗での陳列もリンクし変わっていく、それが楽しくてまた来訪してしまう、好循環サイクルが感じられました。

単純にOMOの仕組みを入れれば店舗での売り上げが上がるというわけではなく、顧客のニーズをどれだけオンライン上でデータ取得できるか、そしてそれをいかに店舗へ反映できるかがとても重要なポイントになっています。

コロナ渦実店舗の売上大きく下がる中、EC販売はコロナ自粛での巣ごもり消費で、利用者及び消費金額が共に増える傾向でした。コロナ時代だからこそ、店舗しかできない、店舗ならではの体験を提供することがより求められてくるのではないでしょうか。
また、店舗そしてECやサイトのデータを相互に活かしていく仕組みづくりがとても重要だと感じました。

コラム執筆

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デジタルトレンドラボ

社内の有志が集まり、デジタル業界のトレンド調査を行い、社内外に情報発信しています。
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児玉 恭子(こだま きょうこ)

受託制作会社に始まり、大手證券、大手メーカー、SIer等で10年以上WEBディレクター・PMとして従事。2020年4月コロナ渦の中メンバーズに中途入社。社会貢献とビジネス課題両方を解決するべくマーケティング支援に奔走中。

カテゴリ: デジタルトランスフォーメーション
2020年06月30日