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気候危機状況下の民間パートナーシップ

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●気候変動から気候危機へ

2019年10月、多摩川や千曲川等、多くの河川が氾濫し、甚大な被害をもたらした台風19号。誰もが年々台風の勢力が強まり、確実に私たちを取り巻く天候が大きく変化していることを実感したことでしょう。

また、昨年から今年にかけて、半年以上も続いたオーストラリアの大規模森林火災は、皮肉にも地球温暖化が原因とされる数十年に一度の大雨により鎮火したという、気候変動時代を象徴する出来事となりました。

私たちが普段使用している「気候変動」、「地球温暖化」 、その言葉の意味する範疇を超えてしまっていると言えます。

さかのぼること、約1年前の2019年5月、UK ガーディアン紙は、今世界が直面している状況をより正確に表現するため、従来の言い方は誤りではないものの、以下キーワードの使用を優先することを発表しました。

  • 気候変動:Climate Change → Climate Emergency, Crisis or Breakdown
  • 地球温暖化:Global Warming → Global Heating

 

出典:Why the Guardian is changing the language it uses about the environment:The Guardian

新型コロナウイルスの世界的なパンデミックにより、今年11月に開催予定だったCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)は来年に延期。気候変動・地球温暖化への関心が薄れている様にも思われがちですが、COPの延期は、気候変動対策の延期を意味するものでは無いことを私たちはもっと自覚すべきでしょう。

 

●気候危機に対応した国内動向

こうした状況の中、日本でも今月(2020年6月12日)、令和2年版 環境白書の中で、初めて、「気候危機」という言葉が使われ、環境省として「気候危機宣言」を発表。

出典:環境省:令和2年版 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書(概要)

「人間生活、経済・社会システムに起因して環境の基盤へ悪影響。地球環境の危機に対応するためには社会変革が必要」とし、「デジタルや防災、分散型エネルギーの観点からの変革」が必要としています。

 

こうした社会変革とデジタルトランスフォーメーションが求められる中、今月は、民間企業連携の2つのニュースが発表されました。

 

6月5日、環境ナレッジや情報、ノウハウをデジタルで共有し、新たな価値を共創する場として、「環境デジタルプラットフォーム」が、コニカミノルタ(運営企業)、パナソニック(幹事企業)等、全16社により立ち上がりました。

出典:環境経営効率化を目指し、企業間で対策を共有する「環境デジタルプラットフォーム」:BIGLOBEニュース

気候危機はまさに、民間企業一社だけの問題ではなく、地球規模の課題であり、バリューチェーン全体で対応すべきもの。

AIやIoT、ブロックチェーン等の技術を活用したCO2排出量のDXによるマネジメント等、オープンイノベーションにより、どの様な新しい価値が創出されるのか、期待が高まります。

 

また、6月11日には、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)情報の開示に関して、日立製作所、日本生命、みずほフィナンシャルグループ等、19社による「ESG情報開示研究会」設立が発表されました。

出典:「ESG情報開示研究会」日立など19社参加:Yahoo!ニュース

研究会設立で注目すべきは、研究テーマとして以下の2点が挙げられていること。

  • 日本固有の特色などを加えたモデル指標の探究
  • 効果的かつ効率的な情報開示・エンゲージメントを行うためのインフラ整備

財務データの様に、開示データの標準化や企業間の比較が難しいESG情報。モデルとなる指標や定量化が整備され、評価の仕組みの確立とそれに準じた情報開示のためのプラットフォームが実現すれば、投資や企業評価をする上で企業間の比較も容易になります。

また、様々な第三者評価機関から各企業担当者に求められる、調査アンケート回答の負担解消にも繋がるでしょう。

さらに、エンゲージメントのためのインフラ整備は、多くのサステナビリティレポートに掲載される形骸化されたステークホルダーダイアログを全く違ったものへと進化させる原動力になると言えます。

脱化石燃料社会への変換が求められる中、気候変動対策を進める上で、ESG情報の標準化と透明性の確保、そして、ステークホルダーとのコミュニケーションはデジタル化と共に進化を遂げるでしょう。

 

 

萩谷衞厚

萩谷衞厚

株式会社エンゲージメント・ファースト(メンバーズグループ)
Chief Shared Value Officer
人間中心設計(HCD)スペシャリスト
日本マーケティング学会会員 サステナブル・マーケティング研究会 事務局
環境エンジニア2級

新卒入社の外資系コンピューター会社を経て、2000年より、コールセンター・CRMコンサルティング・ファーム 株式会社 テレフォニー(現 株式会社 TREE)に在籍。コールセンター構築や顧客戦略のコンサルティング業務に関わりながら、2007年以降は、環境映像Webメディア Green TV Japanの立上げ・運営に従事。メディア運営と併せて、経済産業省や環境省、文部科学省の環境に関連する政府広報や省庁プロジェクトに関わる。
前職の事業譲渡に伴い、2015年5月より、株式会社 メンバーズの100%子会社 株式会社 エンゲージメント・ファーストに在籍。Shared Value Agency®として、大手企業を中心に、様々なCSV推進プロジェクトに関わり、現在に至る。
茨城県日立市出身、人間中心設計(HCD)スペシャリスト、日本マーケティング学会会員、環境エンジニア2級
『UX × Biz Book 顧客志向のビジネス・アプローチとしてのUXデザイン』(共著)

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カテゴリ: CSV, SDGs
2020年06月30日