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脱炭素社会に向けたRE100と電力調達

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2015年のパリ協定の採択ををきっかけとして、企業は脱炭素社会への取組みや、再生可能エネルギーの積極的な導入、また、気候に関連する導入や気候変動に関連する経営の情報開示が求められています。

こうした世界的な潮流の中、本コラムでは、国際的イニシアティブ RE100の情報と電力調達の課題をまとめました。

 

●RE100とは?

RE100とは、企業活動に必要なエネルギーを、2050年までに100%再エネで調達することを目標に掲げる企業により構成される国際的なイニシアティブ。英国のNGO、The Climate Groupによって2014年に設立されました。

テキスト

RE100:Webサイト

6月半ばの時点で、AppleやGoogle、Microsoft等の世界を代表する企業245社が参加、うち日本企業も34社が参加しています。

参加企業は、グローバル企業であったり、100GWh以上のエネルギーを使用すること等、様々な基準が設けられ、毎年、取り組み内容に関する報告書の提示が義務付けられています。

RE100の取り組みとして素晴らしいのは、参加する自社企業に加えてサプライチェーン全体の取り組みが求められ、波及効果があること。

 

●再生可能エネルギーの定義とその調達とは?

RE100が定義する再エネは、バイオマス、地熱、太陽光、水力、風力を電源とするもの。

そして、再エネを電源とする電力の調達は、以下の方法が認められています。

1.企業の敷地内に自らが保有する再エネ設備からの購入
2.企業の敷地内に供給者が設置した再エネ設備からの購入
3.企業の敷地外に設置した再エネ設備からの直接購入
4.企業の敷地外にある系統に接続した再エネ設備からの直接購入
5.再エネ事業との電力購入契約
6.環境価値を切り離した電力証書の購入

再エネ100%を達成するには、これら複数の調達方法を組み合わせて達成することになりますが、最近では、電力証書の購入が問題視されています。

既存の再エネ設備で発電した電力を環境価値として購入し、普段使用する電力を既存の電力会社から購入することは、再エネの新規発電設備の拡大には繋がらないこと、そして、既存の電力会社が化石燃料を主電源としていた場合、CO2の削減には寄与していないことが挙げられます。つまり、化石燃料由来の電源を減らし、脱炭素社会の実現という根本的な課題の解決には繋がらないということ。

そうした中で、既に、RE100 達成企業として有名なAppleは、自らが投資し建設したメガソーラー発電所や風力発電所により、電力を賄っています。電力証書購入の比率がどの程度なのかは把握出来ていませんが、濁りのない真水のRE100を目指していると言っていいでしょう。

テキスト

Apple社 環境Webサイトより

Apple社のWebサイトのクリエイティブは素晴らしいですね。分かりやすくで力強いメッセージと共感性の高いコンテンツ。

是非、以下の報告書も日本語で発行して欲しいものです。

2019年の環境責任報告書を見る(英語PDF)

 

Appleが実践する脱炭素社会を目指すには、自らが再エネ設備の新設に投資すること、非化石燃料由来の電力を主電源とする再エネ事業からの電力の調達が求められます。

 

●RE100、TCFD、SBT 環境省まとめサイト:日本企業の対応は世界のトップランナー

RE100のグローバルでの企業動向や参加する日本企業情報の他、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)※1、SBT※2の概況をまとめた環境省の資料は2020年6月15日にアップデートされコンパクトにまとめられています。

テキスト

企業の脱炭素経営への取組状況(環境省)

 

TCFD、SBT、RE100の全てに取り組む企業は、建設業:6社、医薬品:1社、電気機器:6社、情報・通信:1社、小売・卸売:3社、不動産:1社で、企業は以下の通りとなります。

  • 建設業:積水ハウス、大東建託、大和ハウス工業、戸田建設、LIXILグループ、住友林業
  • 医薬品:小野薬品工業
  • 電機機器:コニカミノルタ、ソニー、パナソニック、富士通、富士フィルムホールディングス、リコー
  • 情報・通信:野村総合研究所
  • 小売・卸売:アスクル、イオン、丸井グループ
  • 不動産:三菱地所

欧米の先進企業と比べると政府の動きと併せて、少し出遅れた感のある日本ですが、TCFD、SBT、RE100の対応状況は世界のトップランナーと言ってもいいでしょう。

※1:TCFD概要:環境省Webサイト
※2:STBパンフレット

 

次回は、気候変動対策を行う、国内民間企業による企業連携の情報等をお届けします。

 

萩谷衞厚

萩谷衞厚

株式会社エンゲージメント・ファースト(メンバーズグループ)
Chief Shared Value Officer
人間中心設計(HCD)スペシャリスト
日本マーケティング学会会員 サステナブル・マーケティング研究会 事務局
環境エンジニア2級

新卒入社の外資系コンピューター会社を経て、2000年より、コールセンター・CRMコンサルティング・ファーム 株式会社 テレフォニー(現 株式会社 TREE)に在籍。コールセンター構築や顧客戦略のコンサルティング業務に関わりながら、2007年以降は、環境映像Webメディア Green TV Japanの立上げ・運営に従事。メディア運営と併せて、経済産業省や環境省、文部科学省の環境に関連する政府広報や省庁プロジェクトに関わる。
前職の事業譲渡に伴い、2015年5月より、株式会社 メンバーズの100%子会社 株式会社 エンゲージメント・ファーストに在籍。Shared Value Agency®として、大手企業を中心に、様々なCSV推進プロジェクトに関わり、現在に至る。
茨城県日立市出身、人間中心設計(HCD)スペシャリスト、日本マーケティング学会会員、環境エンジニア2級
『UX × Biz Book 顧客志向のビジネス・アプローチとしてのUXデザイン』(共著)

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