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海外メディアが予測!2020年の最新Fintechトレンド<後編>

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「海外メディアが予測!2020年の最新Fintechトレンド<前編> 」はこちら

デジタルトレンドレポート 2020」「価値」のトレンドより、新たな情報通信技術を用いた金融サービス「Fintech」についての記事をご紹介いたします。
前編では「デジタルエコシステム」「データイニシアチブ」について取り上げました。
今回は残りの4つのトピックを見ていきましょう。

メディア紹介

https://www.fintech.finance/01-news/finance-predictions-2020/
前回に引き続き、世界中のFintech業界における最先端のニュースを扱う「Fintech Finance」という英国メディアによって、2019年11月17日にリリースされた記事を取り上げます。

 

もくじ

◇Fintechとは
◇メディア紹介-Fintech Finance
1 エコシステムアプローチとAPIエコノミーの年

   ◆◆◆ここに注目!「デジタルエコシステム」
 2 データによる、これまで以上の顧客インサイト
   ◆◆◆ここに注目!「データイニシアチブ」
 <以上、前編で紹介>
 3 オペレーショナル・レジリエンスには適切な技術が不可欠
   ◆◆◆ここに注目!「オペレーショナル・レジリエンス」
 4 Fintech企業買収を見据える銀行の視点
   ◆◆◆ここに注目!「銀行によるFintech企業の買収」
 5 企業コンプライアンスとRegTechの成長
   ◆◆◆ここに注目!「様々な分野に広がるテクノロジー」
 6 コスト削減の新しい方法
        ◆◆◆ここに注目!「Fintechの更なる発展」

 

3.オペレーショナル・レジリエンスには適切な技術が不可欠
(Operational resilience needs the right technologies)

オペレーショナル・レジリエンスは銀行の上級幹部にとって、また規制当局にとっても、個人および組織のブランドに対する脅威を回避するための最重要課題の1つとして浮上しています。サービスの可用性の確実性と継続性は顧客にとって非常に重要であり、規制当局にとっても同様に重要です。オペレーショナルレジリエンスは、将来のインフラへの投資を続ける一方で、ビジネスおよびITオペレーションに関する厳重な取り締まりとガバナンスに依存しています。
銀行におけるITインフラの近代化と変化 ― 特にクラウドを採用し、主要機能のホスティングや受け渡しをクラウド上に移行することは、主要な戦略的方向として立ち現われています。クラウドへの移行は、独自のデータセンター運用を維持するコストを削減するだけでなく、回復力や俊敏性、柔軟性、高度な分析、更にはクラウドファーストのアプローチで構築された革新的なアプリケーションをも提供します。これらすべてが統合作業を大幅に改善し、深刻な課題を取り除くことにつながります。 “

◆◆◆ここに注目! 「オペレーショナル・レジリエンス」

オペレーショナル・レジリエンスとは、企業が環境の変化や不測の事態に弾力的かつ柔軟に対応しつつ、継続的にビジネスを成長させられるオペレーションの在り方を指す言葉です。
これまで企業戦略のひとつとして「オペレーショナル・エクセレンス」が重要な要素となってきましたが、今後はこのオペレーショナル・レジリエンスが最重要課題になると予想されています。現場における高いオペレーション力によって継続的や持続性が目指された前者とは異なり、後者は予測不可能な業務中断にいかに柔軟に対処し回復できるかということが目指されます。
業務中断は、テロやサイバー攻撃だけでなく、自然災害でも起こり得ます。Fintechによって重要な業務が自社ではなく外部に委託されている場合もあり、様々なリスクシナリオの想定や復旧計画が必要とされています。

 

4.Fintech企業買収を見据える銀行の視点
(Fintech acquisitions on the horizon for banks)

” フィンテック企業が、銀行や金融サービス提供者が顧客に商品やサービスを提供する方法を混乱させるということが、傾向として定着してしまっています。銀行のFintechプレイヤーに対する考え方も、大きな変化を遂げています。かつてFintech企業は二番手とみなされていましたが、今年、銀行はFintechを使用して自社サービスのギャップを埋め、顧客にさらなる提案をしようとしています。
銀行はインキュベーターであり、コラボレーターであり、戦略的パートナーです。どのFintech企業が期待の星なのかを特定し、その機能を製品提案に統合する方法を理解し、競合他社に遅れをとらないようにするために、銀行はFintechコミュニティと連携する余裕を確保しています。フィンテック企業を完全に買収することで、競合他社に対する優位性を獲得する動きも見られます。Santander(サンタンデール銀行)によるebury(イーブリー)の買収はその一例であり、2020年には銀行によるフィンテック企業の買収がさらに増えるでしょう。 “

◆◆◆ここに注目!「銀行によるFintech企業の買収」

2019年11月、ユーロ圏最大手の金融機関であるサンタンデール銀行が、イギリスに拠点を置くFintech企業イーブリー社の株式の過半数を、3億5,000万ポンド(4億5,300万ドル)で買収しました。
買収されたイーブリーは世界19か国で中小企業向けに140種類もの通貨決済サービスを提供しており、サンタンデール銀行は中小企業顧客のグローバル化や貿易促進を図る意向です。またイーブリーは提供された資本に加え、サンタンデール銀行の機能やブランド、ネットワークを活用してラテンアメリカやアジアに市場を拡大させる見込みです。
このように、銀行によるFintech企業の買収は両者の利害が一致しており、今後もこのような動きが増えることが予想されています。

 

5.企業コンプライアンスとRegTech*の成長
(Regulatory compliance and the growth of Regtech)

*Regtech=Regulation(規制)+Technology(技術):先端技術を用い、各種規制に対応するコストを引き下げる仕組み
規制遵守は、既存および新興の規制や業界イニシアチブを順守する必要性が続くため、引き続き銀行にとって最大の支出分野となります。FRTB、EUマネーロンダリング防止指令、ISO20022の採用やIBOR移行など他業界の取り組み、および他国や他地域のさまざまな要件があり、議題には事欠きません。こういった様々な規制で、2020年の銀行は手一杯になってしまうでしょう。銀行はこういった流れに対して効率的にアプローチしようとしており、作業の重複ややり直しが最小限になるように作業プログラムを構築しています。
Regtech企業の出現は、銀行のコンプライアンスへの取り組みを助けるカギとなる進歩です。RegTech業界の規模と成長の推定値は様々ですが、このセクターが急速に成長することは明らかです。Regtech企業は、収集データによる解決法の発達やレポート、意思決定、予測解析やリスクの特定・管理といったことに注力しています。Fintech同様、銀行がコンプライアンス戦略を支援すべくRegtech企業と手を組むことが期待されます。 “

◆◆◆ここに注目!「様々な分野に広がるテクノロジー」

金融業界は他の業界と比べてもかかる規制や法律が多く、海外と取引をする場合には相手国の規制についても検討しなくてはなりません。扱う金額も大きく、対応不足があると損失の額も大きくなるため、最新の規制に対応するためのリスク管理は欠かせません。
またユーザーの側からしても、いくら便利な機能が使えるとはいえ、新しい技術や会社に自分の信用情報を伝えるのは少しためらわれてしまうのではないでしょうか。そういった懸念を払拭し、Fintechが更に広がるためにもRegtechは必要だといえます。
一方で法律分野の側にも、金融業界同様にテクノロジーの波が広がっており、LegalTech(リーガルテック)やLawTech(ローテック)と呼ばれています。いずれもFintechとは表裏一体の存在であり、その発展にも注目が集まります。

 

6.コスト削減の新しい方法
(New ways to reduce costs)

” 近年の銀行による報告の傾向を考えると、コスト削減と合理化は2020年の重要な焦点となります。低コストの場所へのアウトソーシングやオフショアリング、およびコスト削減のための自動化やRPAの採用とは対照的に、2020年にはコスト削減のためのより根本的な運用の変革に焦点が当てられるでしょう。
これには銀行の業務プロセスの設計および提供方法の抜本的な再考や、自動化優先アプローチの採用が関わります。このアプローチは、ビジネスプロセスを監督し、専門知識をもって不測の事態や事件に対応できる小規模なマルチスキルのエキスパートによるオペレーションチームによってサポートされるでしょう。
銀行は、業務の抜本的な再設計に加えて、資産の収益化とコストの相互化を通じて運用コストを削減することが予見されます。また他の銀行顧客にも同様のサービスを提供している「戦略的パートナー」に、運用や技術の能力をカーブアウトさせるでしょう。
こういった取引はすでに実行されはじめており、来たる2020年にはさらなる拡大が見込まれます。 “

◆◆◆ここに注目!「Fintechの更なる発展」

これまでに注目してきたデータ活用や自動化は、初期投資はかかるものの長期的に見ればコスト削減につながります。しかしこの記事では、更なるコスト削減のために、テクノロジーの存在を前提として運用方法が根本的に変化することが予想されています。
運用する側も活用する側も、求められるスキルが大きく変わることが予想されます。今後も最新のFintechの動向から目が離せませんね!

 

・・・いかがでしたでしょうか?
2020年の金融業界を席巻するトレンドを、様々なキーワードとともに、身近に感じていただけたのではないかと思います。
本記事で取り上げたのは1メディアに過ぎませんが、デジタルトレンド2020はなんと!全99メディアをぎゅっと濃縮した内容となっております。
是非ご覧いただき、より良い未来を目指すデジタル世界のスピード感と、あふれるエナジーを感じていただけますと幸いです。

 

デジタルトレンドレポート2020

デジタルトレンド2019年~海外の有力メディア・企業から抜粋~

海外の有力メディア・企業からトレンド予測を抜粋しました。

・「情報」運用効率/成果向上/データ活用/アプリ/SNS/デザイン
・「価値」DX/ブロックチェーン/Fintech
の2部構成となっており、幅広く最新トレンドを知ることができます。

資料ダウンロード

 

コラム執筆:木戸 希望(きど のぞみ)
2019年10月、株式会社メンバーズに中途入社。第3ビジネスユニット アドエクスペリエンススタジオディベロップメント所属
デザインやコーディングを担当
よく食べ、よく歩き、よく絵を描きます