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【セミナーレポート】MAの黒字化を考える ~新生銀行・SMBC信託銀行・JCBパネルディスカッション~ #01

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メンバーズでは、企業のデジタルマーケティングご担当者さま向けに、最新事例やトレンドを盛り込んだ自社セミナーの開催や外部セミナーへの登壇を行っています。

2019年8月30日(金)に開催された「第6回 Marketing Special DAY」では、「MA(マーケティングオートメーション)の黒字化を考える」をテーマに新生銀行さま・SMBC信託銀行さま・ジェーシービーさまにご登壇いただき、パネルディスカッションを行いました。

それぞれ企業さまが苦労している点や課題解決の進め方など、現場責任者だからこそお伝えできる超リアルな実態。本コラムではそんな当日の模様を、全3部に分けてレポートします。

第1部は、「MA導入の背景」や「現在のMA運用状況」について、3社さまにお話しいただきました。※登壇者さまの所属は、セミナー当時のものとなります。

 

MA導入の背景とMA運用状況について

福島(メンバーズ):今回のパネルディスカッションは、「MAの黒字化を考える」ということで、既にMAを導入したが黒字化にならず悩んでいる企業さま、あるいはこれからMAを導入しようと考えているが、有効に使いこなせるか、黒字化できるかと悩んでいる企業さま向けに企画しました。

私は、メンバーズの福島と申します。2017年から分析やMAチームを牽引し、現在は新生銀行さまのご支援をしております。

それではお一人ずつ、自社のMAの取組みも含めてご紹介いただきたいと思います。

 

オンプレ型のMA導入で、一方通行のコミュニケーションからの脱却

村田氏(ジェーシービー):ジェーシービーの村田と申します。本日はよろしくお願いいたします。

2014年から販売促進企画部に着任し、CRM領域を担当しております。販売促進企画部は、ジェーシービーとそのフランチャイジーが発行するジェーシービーカードの利用促進を担っています。その中でCRM推進グループは、お客さまからカードをずっとご愛顧いただくためのコンテンツ開発や、お客さまに色んな形でコンテンツを提供することで喜んでカードを利用していただけるような施策を担っております。

当社がMAを入れた経緯ですが、2014年当時のジェーシービーのマーケティングは、お客さまに「こういったサービスがありますよ」とか「こういったキャンペーンにご登録ください」といった発信をしていました。分かりやすい例でいうと、カードのご利用代金明細書にそのような情報を記載して、お客さまに送るといった一方通行のマーケティングしか出来ていないというのが実態でした。

やはりこれではお客さまに全く情報が届かず、魅力的に思ってもらえないので、2014年からMAの導入をずっと考えてきました。

入会いただいた時にはこんなお店で使えますよといった情報をすぐにご案内したり、オンラインショッピングで利用されたらこういったポイントモールで利用すればもっとポイントが貯まりますよといった情報や、住所変更をしたら公共料金のセットはジェーシービーカードにするとお得ですよといった、お客さまの行動に合わせて親和性の高いコンテンツを提供していけば、お客さまが喜んで情報を受け取ってカードを利用してくださるのではと考え、MAを入れることになりました。

当社の場合、色んなシステムやツールを使っていますが、基本的には内製・オンプレでMAを作り、2014年から構想2年・開発2年かけて、2018年7月にやっとリリースしました。

MAを導入した利点として、「PDCAの高度化・高速化」です。導入前は、一方通行のコミュニケーションの中で、アプローチをしたら効果検証をして、また次の施策を実施する作業をすべて会員属性や利用金額ごとに1対1の施策として進めていました。MAを導入してからは、迅速にPDCAをまわしていけるようになりました。

もう一つの利点としては、「タイムリーにお客さまの行動に合わせたアプローチが出来るようになったこと」です。過去にお客さまの行動に応じてMAみたいなものをトライしたのですが、行動を検知してアプローチをしようと思っても、実際は1.5ヶ月くらい時間がかかってしまい、全くタイムリーにならなかったんですね。それを検証しようと思って次のアプローチをやろうと思っても2~3か月後になることも。今はMAにシナリオをセットしておけば、リアルタイムにお客さまの行動を検知して、様々なツールでアプローチが出来るようなりました。

一方で悩みもございまして、MAを動かすためのシナリオをセットするのは、人の力・考えでセットしなければいけないので、時間も労力も非常にかかっています。そこをどれだけ省力化・高度化できるかが悩みでして、みなさんとお話しできればと思っています。よろしくお願いします。

 

CRM⇔MA⇔BIを連携して、数値の”見える化”に成功

松永氏(新生銀行):新生銀行の松永です。本日はよろしくお願いいたします。

銀行に入社して16年がたちますが、経歴としては、2年ほど店頭営業を経験してから、Webサイト・広告・デジタルマーケティング・キャンペーン等広くマーケティング分野に携わり、関連してインフラ・システムとの調整にはじまり、CRM・MAの領域を担当しています。気が付けば、自分が銀行員なのか?と思うようなスキルセットになってきたかなと 感じています(笑)。直近3年ほどは、CRMを中心としたお客さまのデータ基盤・プラットフォームの構築を行っています。

ここから、新生銀行でどのようなMAを実施しているのかについてご紹介します。弊社は1年ほど前にMAツールを導入し、半年くらいかけてインプリして、運用し始めて半年くらい経ったところです。現時点ではここでご紹介しているシナリオ(下記図参照)をメインに、全体としては20本程度まわしています。

(下記図の)シナリオの構築順に見ていただくと、インプリの時期は簡単なものから拡張時期には大きなジャーニーを、足元では新しいMAのツール・機能を色々と使ってみようといった状況で進めています。

弊社の場合、MAをオムニチャネルで使うことを前提としていますので、メールやオンラインのみではなく、多くのチャネルを連携したシナリオを実施しています。導入時期はメールだけのシナリオもあったのですが、メールとWebを連携する・店舗と連携するといった形でチャネルを増やしています。

また、パッケージツールであるMAツールは随時新しい機能が追加されてきますので、これらを用いていかにインタラクティブなコミュニケーションを作っていくかについても実験中です。

MAを支える仕組みについて、弊社はMA単体ではなく、その裏側にあるお客さまのデータ基盤としてCRMを主軸としています。さらにアクティビティをBIツールにつなぐことで数字を見える化しています。CRMでは、オフラインチャネルを中心にお客さまの行動データが整っているので、そのデータをMAに流してオンラインのチャネルでフォローしています。場合によっては、オンラインのチャネルでフォローしたものを再度戻して、スタッフがお客さまをフォローしていくこともあります。

ここから、本日の論点である「MAで儲かっているか」といったところを見るために、BIツールを活用して、すべてのチャネルでどれだけのタッチポイントやお取引が生まれているのかといったところまでを、クラウド上でのデータ連携で一気通貫に検証しています。

ここでは、弊社のシステム全体の中でMA/CRM/BIがどういった位置づけになっているのかを示しています(下記図参照)。多くの金融機関さまにおいて同様ですが、弊社も内部・オンプレのシステムが数多く存在しています。ただし、内部・オンプレのシステムから直接お客さまとコミュニケーションしていく、つまり受発信を作っていくには、データ連携にしても配信システムにしてもスクラッチで構築するように非常にコストも時間も掛かるものになります。従って、間にクラウド系のアプリケーション・データベース・サービスをつないでお客さまとのチャネル連携を使うことによって、チャネルごとの最適なアプリケーションにつなげていくといった仕組みを作っています。

このプラットフォームの構築前、つまりこのクラウド部分がなかった頃には、メールを1本送信するために、オンプレシステムのバックアップからデータをバッチ処理し、かつ月次程度の頻度でデータを取得し、都度セグメントをつくって手動で配信セットするという流れで進めており、まさに村田さんがおっしゃったように、メールの効果をみるために1~2ヶ月を要していました。

現在は、データがリアルタイムで入ってきており、それを分別・配信処理することも自動化しています。配信状況やお客さまの反応も全てクラウドに入り、BI連携をしています。シンプルな流れのように見えますが、一つひとつのシナリオを設定するために、それはそれで多くの工数がかかっているというのも(村田さんと)同じように実感しております。

本日の黒字化というテーマについて、黒字の元となる収益やお客さまとの取引から入ってくる情報をどのようにして見える化するのか、本当にコストに見合った効果が出ているのかといった考え方をお話できればと思います。

 

メール配信に5時間かかっていた旧システムから、マーケティング成果向上を狙ったMAツールへの切り替え

酒井氏(SMBC信託銀行):皆さん、こんにちは。株式会社SMBC信託銀行の酒井と申します。よろしくお願いします。

(会場に向けて)今日いらしている方の中で金融機関・金融関係の方はどの位いらっしゃいますか?代理店・ベンダーの方はどの位いらっしゃいますか?…どちらもあまりいないので、金融ではない事業会社の方が多いですかね。

MAをすでに入れていらっしゃる方は、どの位いらっしゃいますか?…まあまあ多いですね。MAのセッションですからね(笑)

今回金融系ではない方もいらっしゃるということで、SMBC信託銀行についても説明させていただきますが、まず私の自己紹介から。新生銀行とReluxという旅行サイトをやっているLoco Partnersを経て、現職に至ります。新生銀行のころは、隣にいる松永さんと同じチームで働いていました。

現職は3年弱いますが、企画グループでグループヘッドをやっております。企画グループは、デジタル戦略の企画から広告・SEOなどを使ってお客さまを集めてくる、MAを使ってお客さまを活性化させるといったデジタルマーケティング領域を一貫して担当しています。フィンテック関係のところも一部見ています。

MAツールはSalesforceを使っていて、2018年に導入しています。

弊社について、三井住友銀行は知っていてもSMBC信託銀行は知らない方が多いと思います。

SMBCグループの信託銀行ということで、一言でいうと主に富裕層のお客さまを対象に、少しニッチな金融サービスを展開しています。具体的には、信託業務をやっているんですが、信託・外貨・不動産の3つを富裕層のお客さまに提供しています。もともとが旧シティバンクのリテール部門を統合して今の形になっていて、シティバンク銀行がやっていたビジネスを「PRESTIA」というブランドで継続してやっています。

MA導入に関しては、MAをやりたかったというより、システムの公開があって既存のツールが使えなさそうという文脈からスタートしています。もともとメール配信はやっていたのですが、そこで使っていた旧システムは価格が高い割に機能がイマイチということで、色々検討した結果、SalesforceのMarketing Cloudを導入しました。

Marketing Cloudにした理由ですが、一つは「既存業務の効率化」です。もともとメールを配信するのに、5時間くらい待っていないといけなかったんです。ここにいらしている人からすると考えられないと思うのですが、14時くらいからメール配信を始めて、夕方以降は配信してはいけないといったルールがあり、夕方になったから一回止めてまた翌朝から送るといった、非効率な作業をやっていました。Salesforceの場合は、一瞬で配信が完結するので、既存の業務の効率化になるだろうと。

もう一つの理由は、「マーケティング成果の向上」のためです。チャネルでいえばメールだけでなく、SNS・プッシュ通知・ソーシャルも展開できて、スペックでもオートメーションを組めば村田さんや松永さんが言っていたようなことが出来るかなと。マーケティング成果の向上が期待できたのでこのツールにしようと決めました。

今行っている施策は、既存で口座を開いているお客さまに対する活性化施策です。MAツールの場合、一斉配信は別のツールでやっている会社さんも多いかと思いますが、弊社は一斉配信も含めてMarketing Cloudで全て担っています。自動化施策・MA施策は、10本くらい走っています。

今後のビジョンとしては、既存のお客さまの活性化だけでなく、例えばデジタル広告と連携させ、獲得から活性化まで一貫したマーケティングをツール上で展開することや、今やっているメール配信のパーソナライズ化をどんどん進めていきたいです。また、現在はソーシャルアカウントがない状態ですが、徐々にソーシャルリスニングみたいなところから、お客さまの単語を推察して施策に活かしていくことも展開しようとしています。

 

以上、セミナーレポートの第1部をお送りしました。金融業界3社のお話ではありますが、導入の背景や活用方法など、皆さまのご参考になる内容があったのではないでしょうか?

次回のレポートでは、いよいよ本セッションのメインテーマでもある「MAで黒字化はできているのか」という点に迫ります。お楽しみに!

 

第2部のレポートは下記よりご覧ください:

【セミナーレポート】MAの黒字化を考える ~新生銀行・SMBC信託銀行・JCBパネルディスカッション~ #02

 

本セミナーの資料は、下記よりダウンロードいただけます。

MAの黒字化を考える~新生銀行・SMBC信託銀行・JCBパネルディスカッション~

MAの黒字化を考える~新生銀行・SMBC信託銀行・JCBパネルディスカッション~

既にMAを導入する企業が、実際にどのようにMAを活用しているかを語り合うパネルディスカッションの公開資料です。パネルディスカッションでは、費用対効果の評価基準は?MAで成果をあげるには?MAって儲かるの?それぞれが苦労している点や課題解決の進め方など、現場責任者だからこそお伝えできる超リアルな実態をお話いただきました。

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今後もメンバーズでは、オウンドメディアやデジタルマーケティングの研修、最新事例やトレンドを盛り込んだセミナーを開催して参ります。

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