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SDGs 「目標5:ジェンダー平等の実現」:「ダイバーシティとマーケティング」 ブックレビューを通して考える

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「正しさは一つではない」「私は違うけど、あなたの考えも良いよね」「自分が正しくないと思うことを相手に対してしない」などのダイバーシティ視点の良心が、ビジネスパーソンや企業(トップ)に問われるのではなかろうか。
「ダイバーシティとマーケティング」(宣伝会議)より)

テキスト

SDGsの目標5にも掲げられるジェンダー平等。しかし、性的マイノリティやトランスジェンダに関する記述は169のターゲットには含まれていないんですね。これは、同性婚が認めれている国もあれば、同性の性交渉自体に厳格な国もあり、国連加盟国全体での目標としては合意出来なかった事の様です。

今回の記事の内容であれば、本コンテンツのタイトルやTOP画像は、人や国の不平等を是正するということで、目標10にも該当する内容ですが、今回は、目標5を適用させて頂きました。

 

さて、書籍「ダイバーシティとマーケティング」で述べられるダイバーシティとは、性的マイノリティであるLGBTに関わること。では、そのLGBTをどう企業戦略に活かすかというのがテーマの本書となります。

本書でも引用元として、度々挙げられる、電通のLGBTに関する調査(全国20歳~59歳の6万人を対象)によれば、LGBTの実態は以下の通り。

  • LGBT層に該当する人:8.9%
  • 「LGBT」という言葉の浸透率:68.5%
  • LGBT層をサポートする企業の商品・サービスを購買・利用する:53%

LGBTにフレンドリーな企業であることが購買意欲に繋がり、数兆円と言われる市場規模が見込めるのであれば、企業はマーケティング施策としてLGBTを進めるべきというのが、本書の主題となります。

●企業自らの実践に勝るものなし

読後の感想は、LGBTをマーケティング戦略として活かすには、一朝一夕には果たし得ないということ。それは、本書でも紹介される、著者知り合いの性的マイノリティーの方へのインタビュー・コメントがそれを象徴しています。

Q:「私たち○○○社は、LGBTへの支援の一環として、□□□に協賛しています」と堂々とアピールする会社があったら、どう思う?

A:正直言ってあまり良い気はしない。どうせ広告の口先だけで、うさん臭い。全員がカミングアウトしているわけではないので、そんなことを謳っている企業をむしろ敬遠する性的マイノリティーも多いはず。

(本書より)

コンプラ違反のブラック企業がCSVを進めても説得力もなく、支持されないのと同様、LGBTをマーケティングとして活用するのであれば、企業としての理解に加えて、社内の人事制度や就労面でのルール等、企業自らが実践していなければ、LGBTへの支持を声高々に叫んでも何の説得力もないということ。

そういった意味では、マーケティング戦略以前に、人事制度や採用基準、就労ルール等の整備が必須、つまり、人事部門や総務部門に本書のヒントがありそうです。

 

●実践する企業からのヒント

では、企業自らの実践とは?

本書後半には、マーケティング事例として、ライフネット生命保険、ラッシュジャパン。ネオキャリア、ホテルグランヴィア京都の4社インタビューが掲載されていますが、その中で、ヒントとなるコメントを紹介しましょう。

 

『ライフネット生命保険』:顧客セグメントはその方をどの一面で切り取るかで変わります。LGBTというセグメントであることも、その方の一部ではあるけれど、すべてではないはずです。そう考えれば、選択肢を増やすということがダイバーシティ・マーケティング参入の基本となる考え方ではないかと思います。(本書より)

ライフネット生命:保険金の受取人を同性パートナーへ拡大

テキスト

 

『ラッシュジャパン』:LGBTも含むダイバーシティ施策というのは、やるメリットよりも、やらないリスクが大きく、得られるものより失うものの方が大きいものなのだと思います。働きにくい環境にあることで20人に1人いるといわれるLGBTの人たちが、会社で長く働けないという環境になるかもしれないですし、働きにくい環境が存在することが原因で、仕事に集中できなちということがあってもいけない。(本書より)

ラッシュジャパン:WE BELIEVE IN LOVE どんなカタチの愛も素晴らしい

テキスト

 

●LGBTとZ世代の関心事

メンバーズ・エンゲージメント・ファーストでは、2017年以降、大学生を対象にしてCSVをテーマにしたビジネスアイデアコンテストを実施しています。

昨年 2018年度に行われたコンテストでは、延べ60件以上のアイデアのエントリーがありましたが、解決する社会課題として挙げられたテーマで最も多かったのは、LGBTとプラスチック廃棄問題。

Z世代と呼ばれる若者層は、LGBTへの関心も高く、また、Z世代に限らず、冒頭の調査結果では、半数以上が、LGBTフレンドリー企業の商品・サービスを応援したいとの結果も出ています。

まずは、社内制度の整備に取り組むことが、将来のビジネス成果やマーケティングに活かす近道と言えそうです。

 

メンバーズも、女性社員の長期的なキャリア形成を支援を目標に、女性管理職比率の向上や、育児・介護に関する支援制度の整備にと努めています。

SDGsの達成に向けて

 

※本コンテンツは、はてなBlog:Marketing They Are a-Changin’  投稿コンテンツを追記修正して掲載しました。
全てを受け入れる良心 「ダイバーシティとマーケティング」 ブックレビュー

 

執筆

萩谷衞厚

萩谷衞厚

株式会社エンゲージメント・ファースト(メンバーズグループ)
Chief Shared Value Officer
人間中心設計(HCD)スペシャリスト
日本マーケティング学会会員 サステナブル・マーケティング研究会 事務局
環境エンジニア2級

新卒入社の外資系コンピューター会社を経て、コールセンター・CRMコンサルティング・ファーム 株式会社 テレフォニー(現 株式会社 TREE)に在籍。コールセンター構築や顧客戦略のコンサルティング業務に関わりながら、2007年以降、Green TV Japanの立上げ・運営に従事。
前職の事業譲渡に伴い、2015年5月より、株式会社 メンバーズの100%子会社 株式会社 エンゲージメント・ファーストに在籍。Shared Value Agency®として、大手企業を中心に、様々なCSV推進プロジェクトに関わり、現在に至る。
茨城県日立市出身、『UX × Biz Book 顧客志向のビジネス・アプローチとしてのUXデザイン』(共著)

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