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企業ロゴのデザイン手法を3つのプロセスで解説(言語化・象形化・構造化):①言語化編

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UX ONE VIガイドライン

はじめに

デザイナーの及川です。
2006年新卒でメンバーズ入社以来、ずっとWebデザインをやっております。
子会社やサービスの立ち上げに伴うロゴ制作の依頼を請けることが多く、今まで社内外含め多くロゴを作らせていただきました。
また、グループ会社の「株式会社エンゲージメント・ファースト」のロゴや、昨年VIをリニューアルした「メンバーズグループロゴ」の制作にも携わっています。

2019年2月、平成最後のメンバーズ子会社「Members UX ONE(株式会社メンバーズユーエックスワン)」が誕生し、ありがたい事に3度目となる子会社ロゴ制作の依頼をいただきました。
今回はその新会社ロゴデザインの制作プロセスをご紹介できればと思います。
ロゴ制作の事例や用語はネットで調べればすぐに出てくるので、この記事では私がロゴを作る上で必ず踏んでいる手順と、そこで意識している事を書こうと思います。数多ある作り方の一つとして読んでいただければ幸いです。

概要

要件:新会社立ち上げに伴うコーポレートロゴ・VI制作
期間:2019年2月中旬〜3月中旬
依頼:Members UX ONE(株式会社メンバーズユーエックスワン) 代表取締役社長 舟山 智裕
制作:デザイナー(本人)1名、アシスタントデザイナー1名

プロセス① 言語化

目次
1.ヒアリングする
2.スローガンをつくる

1.ヒアリングする

ロゴ制作の依頼を受け、行ったのは舟山社長ご本人からの新会社ブリーフィング、そしてロゴに込めたい「想い」のヒアリングです。
デザイン全般で言える事ですが、ロゴ制作において形から考えることはしません。
依頼者には必ず、ロゴに表したいメッセージや込めたい想いがあります。
たとえ依頼書として事細かに要件がまとまっていても、必ず会話をし依頼者の言葉の裏にある想いを、自身の言葉で話してもらうようにしています。

はじめに「UX ONEとは何者なのか」他社ではない自身の価値とは何かを言葉として伝えてもらいます。
その次になってほしい企業イメージや、集まるメンバーの人物像、ベンチマークする企業や、逆に差別化したいところは何なのか。
色々な角度からUX ONEの姿を言葉で描いてもらいます。
ここでポイントになるのは、依頼者からの「具体的な形状のイメージ」は受け取らない事です。
もし話に出てきても、その形からイメージされる言葉に言い換えてもらいます。
先に形状をイメージしてしまうと、その形の印象から離れられなくなり、本来伝えたいメッセージが薄れてしまう可能性があるからです。

社長の熱い言葉の数々から、印象的なキーワードとして抽出したのが以下です。

想い(一部)

  • 世の中のUXという言葉の一人歩きによって印象付けられた堅苦しいイメージを変えたい
  • 色々な思いを色々な形にする、お客様視点で、自由な発想で
  • 人材のスキルセットはUX単体ではなく、デジタルクリエイターとしてのベーススキル+UX(ユーザー調査やユーザー評価をまずは想定)
  • コンサルではなくアウトプット志向のクリエイター
  • ゼロから1を作り出せる人材
  • 一人一人が自分のキャリアをつくる場所
  • 色々な人とあり方があっていい、カラフルな会社

抽出されたキーワード(一部)

  • ユーザー思考
  • 0→1
  • 自由で枠がない
  • レインボー/カラフル
  • 十人十色
  • スピード感
  • 共創社会

文字周りのプロパティ

実際に書いたキーワード達。30分くらいで一気に書き出します。

2. スローガンをつくる

1でキーワード化した想いを繋ぎ、今度は一つの「文」として整えます。
形より先に言語化をするのは、ロゴにこれだけは絶対込めたい、と言う「想い」を厳選するためです。
文として成立させるために文法を整える事で、込めたくても溢れる「想い」に優先度をつけることができます。
気をつけなければいけないのは、長く色々な言葉を詰め込み過ぎて複雑になり、何が言いたいのか曖昧な文章になってしまう事です。
想いが整理された「文」を中心に置き、関係者で方向性を擦り合わせておくことで、次の抽象化・象形化プロセスで認識の齟齬が起きづらくなります。
形を決める中で、メンバーの認識がブレたら、この「文」に立ち戻って考え直す事ができる重要な基点と言えます。

実際のワークとしては、アシスタントデザイナーと二人でキーワードを書き出し、組み合わせたり順番を変えて、いくつかの文章をつくりました。

文章は社長と擦り合わせ、「スローガン」として掲げます。
ちなみにこのスローガンは「ブランドステートメント(企業理念)」とは違い、内向きのものです。
「コーポレートスローガン(企業コピー)」に近いですが、あくまでロゴデザインの為のものであり、スローガンがメッセージとして表に出る事はありません。

スローガン

”ユーザー思考で新しい1を作り出すクリエイター達が切磋琢磨し、共創社会を創っていくカラフルな会社”

…やや詰め込み気味ですが、ギリギリ文章にはなっていない許容範囲かと。

特にロゴとして込めるべきは「ユーザー思考で新しい1を作り出すクリエイター」
これが他社にない、UX ONEにとってユニークな部分であり、ロゴに込めるメッセージだと考えました。

次のプロセスでは、ここで紡いだ言葉を形にする作業を行なっていきます。

第2回:プロセス② 象形化

第3回:プロセス③ 構造化

コラム執筆

及川 努(おいかわ つとむ)

及川 努(おいかわ つとむ)

デザイナー / HCD-Net 人間中心設計スペシャリスト

2006年メンバーズ新卒入社。
第5ビジネスユニット アカウントサービス第1ユニット所属
コーポレートサイト構築からWebプロモーション・SNS広告・アプリ構築・ECサイト運用案件などでデザイン・アートディレクションを担当。