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【決定版】ASO施策(アプリストア最適化)の適切なKPI設定
—ツール別詳細な算出方法<準備編>

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決定版】ASO(アプリストア最適化)の適切なKPI設定—ツール別詳細な算出方法<準備編>

フリー写真素材ぱくたそ

はじめに

本コラムでは、アプリのDL率を向上させるうえで欠かせないASO対策について、ゼロから始めるASOと銘打ち、<入門編>、<準備編>、<実践編>の全3回に分けて解説していきます。

前回の<入門編>では、ASOとは何か、その重要性、対策の流れと理解しておくべきポイントを押さえました。

今回は<準備編>です。

第2回の<準備編>では、ASOの適切なKPI設定と、ツールごとの詳細な算出方法をご紹介します。

ASOは、SEOと同様に、どの施策がどこにどのくらい影響を及ぼすかが初めからわかっているわけではありません。

ですので、実際に施策を実施する<実践編>の前に、適切なKPIを設定して、ASO対策の効果検証が正しく行えるようにしておく必要があるのです。

※今回は、App Store ConnectとGoogle Play Console、他無料ツールがあればすぐに始められるということを前提にしています。

それぞれのKPIを一覧で確認し、一つひとつ、定義計測するツール確認方法算出方法を押さえながら、詳細にKPIを設定していきます。

ツールの仕様上、DL数・DL率については特に注意が必要ですので、詳しく見ていきましょう。

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目次
1.はじめに
2.KPI一覧
3.ユーザー獲得軸のKPI
4.ファン獲得軸のKPI
5.ポイント:DL数とDL率の定義
6.まとめ

KPI一覧

ではさっそく、KPI一覧を見てみましょう。

KPI一覧とユーザー動線

上の段がユーザー動線、下の段がKPI一覧です。

ASOのKPIは、ユーザーが起こすアクションごとに設定します。
つまり、ユーザー動線に沿って設定していきます。

さらに、それぞれのKPIは、施策に合わせて、前回ご紹介した「ユーザー獲得軸」のKPIと「ファン獲得軸」のKPIにわけることもできます。

例えば、ストアの掲載情報やタイトルの見直しは「ユーザー獲得施策」ですので、検索順位やインプレッション数、詳細遷移数など(オレンジ色の部分)はユーザー獲得軸のKPIということです。

対して、アプリのUI改善やキャンペーン施策などは「ファン獲得軸」になるので、DAU/MAUうやレビュースコア(グリーンの部分)はファン獲得軸のKPIとなるわけです。

ASOの2つの軸について詳しくは、<入門編>をおさらいしてください。

では次に、ユーザー獲得軸とファン獲得軸ごとに、詳細な定義と各ツールでの算出方法・確認方法、それぞれの押さえておくべきポイントを記載します。

ユーザー獲得軸のKPI

(1)検索順位

定義
特定のキーワードで検索結果ページに表示される順位。

ツール
App Annie

確認方法
「アプリを選択」>「USER ACQUISITION」>「キーワード(ASO)」

ポイント
キーワードの選定については<実践編>で解説します。

(2)インプレッション数(検索経由)

定義
ストア検索を経由してアプリのアイコンをロードしたユニークデバイス数。

ツール
App Store Connect

確認方法
「インプレッション数(ユニークデバイス)」>「フィルタを追加」>「ソースタイプ」>「App Storeの検索」

ポイント
インプレッション数は、デフォルトではiOSのみ取得可能です。
また、かならず「ユニークデバイス」にチェックをいれるようにしてください。

(3)詳細閲覧数(検索経由)

定義
iOS:ストア検索を経てプロダクトページを閲覧したユニークデバイス数
Android:ストア検索を経てストアの掲載情報を訪問したユニークユーザー数

ツール
App Store Connect, Google Play Console

確認方法
iOS:「プロダクトページ閲覧数(ユニークデバイス)」>「フィルタを追加」>「ソースタイプ」>「App Storeの検索」
Android:「ユーザー獲得」>「獲得レポート」>「検索」にチェック>「ストアの掲載情報の訪問者数」

ポイント
ツールの仕様上、iOSとAndroidで単位が異なります。
基本的には、iOSはデバイス数ベース、Androidはユーザー数ベースとなります。注意してください。

(4)詳細遷移率(検索経由)

定義
検索結果から詳細ページに遷移したデバイスの割合。

ツール
App Store Connect

算出方法
詳細遷移数(検索経由)÷インプレッション数(検索経由)

ポイント
Androidはインプレッション数が出ないためデフォルトでは計測不可です。

(5)DL数(検索経由)

定義
iOS:ストア検索を経てダウンロードしたユニークデバイス数。
Android:ストア検索を経て、詳細ページからダウンロードしたユニークユーザー数。

ツール
App Store Connect, Google Play Console

確認方法
iOS:「Appユニット数」>「フィルタを追加」>「ソースタイプ」>「App Storeの検索」
Android:「ユーザー獲得」>「獲得レポート」>「検索」にチェック>「初めてダウンロードしたユーザー数」

ポイント
Androidの「インストールユーザー数」「インストール数(デバイス数)」などの指標は、検索を経由したかどうかの判別がつかないため、ユーザー獲得レポートから、ユーザー数ベースで確認しています。

(6)DL率(検索経由)

定義
iOS:検索経由でDLしたデバイスの割合。
Android:検索経由で詳細ページを閲覧しはじめてアプリをDLしたユーザーの割合。

ツール
App Store Connect, Google Play Console

算出方法
iOS:DL数÷インプレッション数
Android:DL数÷詳細閲覧数

ポイント
最初に述べた通り、iOSとAndroidでは、計測ツールの仕様上、DL数の定義、DL率の算出方法に違いがあります。
このあとの「ポイント:DL率の定義と算出方法について」で詳しく解説します。

ファン獲得軸のKPI

(1)DAU/MAU

定義
iOS:「アクティブなデバイス数」:指定期間内で1回でも2秒以上アプリを起動したデバイスの数。
Android:「アクティブなインストールデバイス数」:指定期間内に1回でもオンラインになったデバイス数。

ツール
App Store Connect, Google Play Console

確認方法
iOS:「使用状況」>「アクティブなデバイス数」
Android:「統計情報」>「レポートの設定」>「アクティブなインストールデバイス数」

ポイント
Daily Active Users/Monthly Active Usersです。
iOS、Androidともにデバイス数ベースです。
Apps Flyer等の有料ツールが使用可能な環境であれば、そちらでも計測出来ます。

(2)アンインストール率

定義
「アンインストールデバイス数」:アプリをアンインストールしたデバイスの数。

ツール
Google Play Console

確認方法
「統計情報」>「レポートの設定」>「アンインストールデバイス数」」

ポイント
App Store Connectでは計測できません。

(3)レビュースコア

定義
ストア上のレビュースコア。

ツール
App Annie

確認方法
「USAGE & ENGAGEMENT」>「レビュー」

ポイント:DL数とDL率の定義

最初に述べた通り、DL数・DL率の定義と、DL率の算出方法は、OSによって異なります。

iOS

DL数:検索経由でダウンロードしたユニークデバイス数。
DL率:検索経由でDLしたデバイスの割合。
算出方法:DL数÷インプレッション数

Android

DL数:検索経由で、詳細ページからダウンロードしたユニークユーザー数。
DL率:検索経由で詳細ページを閲覧しはじめてアプリをDLしたユーザーの割合。
算出方法:DL数÷詳細閲覧数

定義や算出方法が、OSによって異なっていることがわかるかと思います。
これは、計測するツールの仕様の違いによるものです。

詳しく解説していきます。
まずはiOSから。

【iOS】DL率算出方法について

なぜiOSでのDL率の分母がインプレッション数なのか?と疑問に思われた方があるかもしれません。

なぜなら、もしユーザーがストア検索を行って、「検索結果ページ閲覧」→「詳細ページ閲覧」→「アプリDL」…と下図のように順当に進んでいった場合、「アプリDL率」(=「詳細画面からアプリをDLしたユーザーの割合」)を算出するための分母は、「詳細閲覧数」であるべきだからです。

iOS

例えば先ほどのユーザー動線の、それぞれのCTR(ここでは詳細遷移率とDL率)の分母となりうる数値を見てみると、「インプレッション数」→「詳細閲覧数」です。

CTR算出のためには、ひとつ前の数値を分母に持ってくることになるので、DL率の算出方法は、Androidと同様に「DL数÷詳細閲覧数」となるはずですよね。

ところが、iOSのDL数・DL率の定義は、「詳細ページからDLした数・率」ではなく、「検索経由全体のDL数・率」となっています。

ここで思い出していただきたいのが、アプリストアでは、検索結果ページに直接インストールボタンが表示されること:つまり、ユーザー動線②の存在です。

ユーザー動線②とは、キーワード検索した後、詳細ページに遷移することなく、検索結果ページに表示されているインストールボタンからDLしたケースのことです。

ユーザー動線②

※詳細は<入門編>をおさらいしてください。

この、ユーザー動線②のケースでDLされた数(=詳細ページを閲覧していないDL数)を、App Store Connectでは、同一の項目(Appユニット数)に一緒にカウントしてしまいます:つまり、Appユニット数は、デフォルトで詳細ページを踏んだDLと踏まなかったDLの両方を含むということです。
※内訳は不明です。

iOS_2

つまり、もしiOSでのDL率の分母を詳細閲覧数にした場合、極端な例ですが、万が一詳細ページに遷移しなかったDL数が詳細に遷移した数を超えると、DL率が100%以上になるということもあり得るかもしれないのです。

これが、iOSのDL率の算出式の分母が「インプレッション数」である理由です。

よって、この場合のDL率の定義は、詳細を閲覧したDLも、閲覧しなかったDLも含む、検索経由のDL全体のDL率になります。

iOSのポイントをまとめると、
DL率の算出方法:DL数÷インプレッション数
DL数の定義:検索経由全体のDL数
DL率の定義:検索経由全体のDL率

次に、Androidを見てみます。

【Android】DL率算出方法について

Androidでは、デフォルトではインプレッション数を取得することができないということは、お伝えした通りです。

よって、必然的に、必然的にAndroidのDL率算出方法は、DL数÷詳細閲覧数になります。

このままでは、先ほどのiOSの例と同様に、詳細ページを踏まずにインストールしたユーザー数がDL数に含まれてしまっているのではと思われるかもしれません。

ところが、Google Play Consoleの「検索経由でDLしたユーザー数」は、デフォルトで、詳細ページにアクセスせずにDLしたユーザー数を含みません。

このことから、AndroidのDL数の定義は、iOSのように検索経由全体のDL数ではなく、「詳細ページからのDL数」となるわけです。

Android

では、検索経由全体のDL数はどのように把握するのでしょうか。

実は、Google Play Consoleでは、「詳細ページを踏まなかったDLを含むか含まないか」をチェックボックスで指定することができます

Android_2

このチェックボックスを入れることで、詳細ページを踏まなかったDLを含む、検索経由全体のDL数を確認することができます。

ところが、前述の通りGoogle Play Consoleではデフォルトではインプレッション数を取得できません。

なので、検索経由全体のDL率を算出することはできません。

個別のポイントでも述べた通り、検索経由に限らない全体のDL数は、「インストールユーザー数」「インストール数(デバイス数)」「インストール指標」等で確認できます。

※iOSの「Appユニット数」、Androidの「はじめてDLしたユーザー数」は、ともに初回DLのみを含みます。iOSで同じ端末への再インストールは、「インストール数」、Androidでは「インストール指標」で確認できます。同端末への再インストールは、今回は考慮に入れません。リターゲティングキャンペーン等の高度な計測が必要な場合は、Apps Flyer等の有料ツールが必要になります。

よって、AndroidのDL数の定義は「詳細ページからのDL数」「詳細ページからのDL率」としています。

Androidのポイントをまとめると、
DL率の算出方法:DL数÷詳細閲覧数
DL数の定義:詳細ページからのDL数
DL率の定義:詳細ページからのDL率

まとめ

かなり細かい話になりましたので、最後に、簡単にまとめておきます。

KPI一覧

KPI一覧とユーザー動線

  • KPIはユーザー動線に沿って設定される。
  • KPIはそれぞれの施策に合わせて、ユーザー獲得軸とファン獲得軸に分けられる。
  • iOSのDL数(Appユニット数)は、デフォルトで「詳細ページを経由しないDL数」を含む。そのため、DL数の定義は「検索経由全体のDLデバイス数」であり、DL率の算出方法は「DL数÷インプレッション数」である。
  • AndroidのDL数(初めてDLしたユーザー数)は、デフォルトで「詳細ページを経由しないDL数」を含まない。そのため、DL数の定義は「検索を経て詳細ページを経由しはじめてDLしたユーザー数」であり、DL率の算出方法は「DL数÷詳細閲覧数」である。
  • iOSのDL指標である「Appユニット数」、Androidの「初めてインストールしたユーザー数」は、どちらも初回DLのみを含む。

準備編は以上です。

KPIの設定は、正しくASO対策を行う上で最も重要な準備プロセスです。
かならず明確に定義や算出方法まで定めておくようにしましょう。

次回は、具体的なASOの施策内容をご紹介します。

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コラム執筆者

清水 聡朱

2018年入社。第1ビジネスユニット アカウントサービス第16ユニット所属。ECサイトやアプリのUI/UX改善、PDCA運用を担当。趣味は囲碁。

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