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【 セールスフォース コネクションズ】Salesforce Connections in Chicago2019 に参加して

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今回6月17日~20日のSalesforce Connections に参加してきて、気づいたこと、今後考えなければいけないことをまとめておきたい。

弊社のクライアントも参加されることもあり、クライアントと同日15日に現地入りした。世界の航空会社の中で定時運行率No1を誇る日本の航空会社でのフライトだったが、6時間遅延するという最悪な状況での出発であった。予定到着も6時間遅れるという中、着いたシカゴは6月とは思えない寒さで、霧が一面に掛かり、夏服しか持たなかった我々には、風景を鑑賞する余裕もない中、どう暖を取るか、試行錯誤の毎日であった。

結果的には、晴れたのは20日の数時間と、帰国日のみという皮肉な結果であった。タクシーの運転手に、毎年シカゴはこの時期こんなに寒いのか?と聞いたところ、今年はクレイジーで、異常気象だとの返事が返ってきた。

開始日前日の16日は、翌日からの入場パスを受け取りに会場に行った。Salesforceののぼり旗があちこちに多くあり、受付にも多くのスタッフが配置され、会場の規模を物語る状況であった。その日の夕方、Japan Connections というSalesforce主催のパーティーが開催され、今回日本から参加した約150名弱の人たちとの交流会が開かれた。昨年は100名弱の参加者だったそうで、前年比1.5倍の参加率とのこと。Salesforceの勢いを物語っている。1時間半の交流会で全員との交流ができる訳ではないが、その中でも、多くの企業の方々との交流ができた。

さて開催初日は、基調講演や、金融関係のセッション、Marketing Cloud(以下、MC)など、時差ボケの中にも関わらず、かなり多くのセッションに参加した。基調講演は英語→日本語の同時通訳レシーバーが渡されるが、それ以外はすべて英語セッションのため、プレゼンターの資料に注意深く目を注ぎ、英語の単語に耳を集中させる必要がある。3日間で計20ぐらいのセッションに参加したが、2日目に、ある状況がわかった。講演は基調講演などの<大規模>と、<中規模>、<小規模>に分けられる。<小規模>は、Salesforceによる講演、今回のスポンサーやSalesforce製品を利用している企業などによるプレゼンに分けられる。
書き忘れたが、Salesforceのイベントは、大きく年2回に分けられ、一つは、Dreamforceというかなり大規模なイベントと、Salesforce Connectionsというマーケティングに特化した普通に大きい規模のイベントである。前者は本社のあるサンフランシスコで毎年実施され、今年は11月に行われるが、全世界から参加者が集まるため、ホテル代もかなり高騰するといわれている。このイベントでは、コア(中核)と呼ばれるService CloudやSales Cloudなどの自社開発のCRM製品の新機能などの紹介が主なものになる。
後者のConnectionsは、数年前から始まり、アトランタ2回、ラスベガス1回、昨年からシカゴで行われ、今年は2回目のシカゴでのイベントになった。ちなみに何故シカゴなのかは定かではないが、アトランタは場所が南過ぎ、ラスベガスは某社のお膝元ということで、シカゴになったのでは、と関係者は言っていた。

話を講演内容に戻すが、まず基調講演などの大きい講義は、初心者用で、概念的な話が多く、肩書きが上の、製品の詳細までは知らない人にはいいかもしれない。しかし我々のような専門的にMAに従事している者にとっては、未来に組み込まれる機能を理解するのにはいいが、あまり実践的な部分まで理解するには少々物足りないように思えた。中規模のイベントは、テーマが絞られる分、専門家には多少面白く感じるが、これもやはり概念的な部分が多い。小規模のイベントは、Salesforce社員が話すものと、利用者やスポンサーが話すものに分けられるが、前者はSalesforce社員が話すこともあり中規模のイベント同様、概念的なものが多い。またイベント全体のテーマを強調した内容になるので、どうも既視感のある資料や内容になる。個人的意見としては、利用者の発表が一番実践的ということもあり、参加したかいがあったように思える。

今回のイベントのテーマから話すと、
(1)Customer 360
(2)Einstein AI 
機能の強調にフォーカスされているように思える。

(1)Customer 360は、Salesforce製品を融合して、1人の顧客を360度の視点、チャネルで、コミュニケーションを図るようダッシュボード含め、製品の融合を図っていくというものである。Service Cloud(以下、SC)とMarketing Cloud(以下、MC)をコネクトするMCコネクターと呼ばれるものがあるが、それも含め、ツール同士、データを連携していくよう製品化していくものである。

(2)Einstein AIについては、AI機能を充実させていくという宣言で、すべての機能の上にAIの力をサポートさせていくということである。セールスフォースのAIがどこまでのものなのかわからないが、GAFA同様、次の一手はAIにあるのだとも受け取れる。

SFDCの資料を抜粋すると、下記のように書かれている。

• 統合された顧客エンゲージメントを実現させるためには 360°で顧客を捉える必要がある
• しかし、今まで、これは “言うは易く行うは難し” なものだった
• Customer 360 は、顧客のデータプラットフォーム
• 顧客の分析 / セグメント作成 / アクティベーションが可能
• AI を活用したカスタマーインサイトの可視化を実現

○人の高解像度化:より細分化されたセグメントに対して、One to Oneマーケティングを実践していく
○時間の高解像度化:顧客行動に対して、リアルタイムにコミュニケーションをしていくこと。(インタラクションスタジオ)
○場所の高解像度化:オムニチャネルでのコミュニケーションの実践

という部分にフォーカスしている。

MCに追加されるであろう機能の話しが多かったが、日本のMCに加わるのはいつになるかわからないが、よくできた製品であるとは思う。ツールの技術進化とは、どんな人でも使えるようになるということと同義として捕らえるのであれば、今後SQLなど分からない人でも操作できるようになるということである。
3日間とも上記のような内容を強調したものだった。ちなみに日本でもすぐ使えそうな機能は、下記である。

メール送信をするに当たって、何通を送るのが適切か、1人1人に応じて判別したり、朝見る人、夜見る人などを判別し、その人それぞれに合ったメールタイミングを出し分けるといった機能である。日本のMCにも既に導入されているようなので、早速使ってみようと思う。

他には、現在の日本企業同様、デジタルトランスフォーメーションのあり方についての議論もあり、下記の写真にあるセッションでは、システム部門とマーケティング部門の間に、Salesforce CoE(センターオブエクセレンス)という部門を置いている例である。組織の横断的役割を担う部門が必要というものである。システム部門とマーケティング部門の間にCRM部門があり、そこがビジネス側の管轄でシステム権限を持っていることが多いのだが、そうしないとスピードを持ったデジタルマーケティングが進まないということは世界共通なのかもしれない。ちなみに、我々が所属するMA支援チームでは、下記の写真のCoEの中で、Functional Enablement部分を主に担っているが、Technology Enablement部分も加えて担うことになる。ここのセクションもやればやるほど課題は多いが、機会あれば、そこの課題についても書いてみたい。

かなり面白かったのは、ALM Brandsというデンマークの会社の発表であった。20分の講演にも関わらず、プロジェクターの故障で資料を最初見ることができず、デンマーク人が困りながら、スピーチをしていた。英語はわかっても資料がないため、何を言っているのかよくわからない状況であった。ただ10分後ぐらいにプロジェクターが直り、資料が見えるようになって聞いてみると、今、我々が支援しているプロジェクトと近く、加えてNPSによるジャーニー分岐などもあり、とても興味深く、面白かった。その後、基調講演があったので、すぐに移動してしまったのだが、どうしても話を聞きたいと思い、先ほどの講演場所に戻り、スピーカーを探したが見つけることができず、会社のWebサイトもデンマーク語のみで、英語のページが見当たらなかった。検索を駆使し、どうにか英語ページを発見し、問い合わせメールアドレスを見つけたので、スピーカーと会いたいとメールしてみた。そもそも名前からIT企業だろうと思ってメールしたのだが、その後Wikipediaなど調べたら、220年の歴史のあるデンマークの老舗銀行ということがわかった。日本のメガバンクに送ったようなものだから返事もないだろうと思っていた。そんな中、最終日の朝9時にTheresaという女性スピーカーからメール返信があった。欧米で利用者の多いWhatsAppで連絡を、ということで、早速ダウンロードし連絡をすると、14時までであれば会えるということで弊社クライアントの方と3名で、正午に会うことになった。いろいろな質問をしたところ、弊社クライアントの取り組みと非常に近い状況であった。、1年前にSCやMCを導入し、今、8名体制で、4名がメール設定をし、ジャーニーはSQLのわかる人が1人でやっていたり、現在のチームの体制と非常に近いことがわかった。

Einstein Analytics(以下EA)は導入していないようで、理由を聞いたところ、分析まで手が回らず、今回シカゴに来たのもBIツールを探しに来たとのことだった。
またデンマークでSalesforceはどれくらい有名かと聞いたところ、コアは非常に有名だが、MCは徐々に拡大しているとのことで、日本の地域性と非常に近いことを感じた。メンバーズは全社的にデンマーク視察などを行っており、縁深いということもあって、また連絡を取り合っていきたいと感じている。

このようにいろいろな発見のあったSalesforce Connectionsだったが、天候のせいもあり、シカゴという街をあまり好きにはなれなかった。Salesforceが呼んだ Gwan Stefaniのコンサートや、SFDCの計らいでカブスの野球を見たりしたが、寒さがこたえたこともあり、経験以上に楽しめたとは言いがたかった。

ただいくつか発見もあった。Uberの便利さとAmazon Goのすごさである。Uberを使い始めたのは最終日近くからだが、それまでは手を上げてタクシーを捕まえていたが、コンサートなどの深夜ではタクシーを捕まえられず歩いてホテルまで帰ったが、Uberはすぐに捕まえられ、タクシーより安く、街中でほとんど手を上げている人を見ないのはUberのせいかもしれない。(後々、IT企業勤務者として恥ずかしく感じた)

あとAmazonGOは弊社スタッフがどうしても行ってみたいということで、同行したのだが、レジがないお店はさすがにストレスもなく、最高の環境といえる。スマホのみ持参して手ぶらで店に入り、ほしい物を手にして、レジに並ばず、すぐに帰れる姿が、あと2~3年後には当たり前になるのかもしれない。

日本に比べて、ホテルのサービスも悪く(歯ブラシない、石鹸が泡立たないなど)、非常に面倒なチップ文化が未だに残っているが、ある特定の企業による便利なサービスは間違いなく急速に広がっている米国を今回のSalesforce Connectionsで得られたことが最もいい経験であったかもしれない。
機内で弊社常務の西澤に勧められた「世界の51事例から予見する ブロックチェーン×エネルギービジネス」を読んでいたのだが、より便利で、ビジネスがまた変わる時代が間近に迫っているのは間違いないことだけは理解できた。
そういう意味では、クラウドによるSalesforceのCRMやMCの登場は、登場するべくして登場してきたのであり、これから先、GAFAと戦うことになるSalesforceがどこまで勝ち進んでいくか興味はある。日本企業も是非、ここに参戦できることを期待したいが・・・。

今回はコラムということで、Salesforce Connections参加に当たって、Connectionsの中身ではなく、周りの状況をコラム形式で取り上げた。Connectionsの詳細は、後日UPされる予定のレポートを参照いただきたい。

ひとまず先に、Salesforce Connections in Chicagoの報告をさせていただきました。

執筆:福島 信(ふくしま まこと)

大手広告代理店、大手ネットメディアレップを経て、2017年メンバーズ入社。
大手家電メーカーのECサイト分析、レコメンドシナリオ作成や大手鉄道企業、大手金融企業のMA運用、データ連携、シナリオ作成等に従事するなど、大手企業が目指すデジタルトランスフォーメーション問題に精通。2017年よりメンバーズ データドリブンマーケティングユニットを立ち上げる。きれいなPDCA運用をどう大手企業のマーケティングで実現するか、日々奔走中!