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【セミナー開催レポート】新生銀行の事例から見るマーケティングオートメーション(MA)の活用(後半)

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メンバーズでは、企業のデジタルマーケティングご担当者さま向けに、最新事例やトレンドを盛り込んだセミナーを随時開催しています。
2019年3月5日(火)に開催したセミナーでは、メンバーズがマーケティングオートメーション(以下、MA)領域でご支援している新生銀行の事例をご紹介しました。

本コラムでは、第2部のパネルディスカッションについて、トーク内容の後半パートをレポートいたします。※第1部は資料公開ございませんので、ご了承ください。

 

▼前半パートはこちらからご覧ください。

【セミナー開催レポート】新生銀行の事例から見るマーケティングオートメーション(MA)の活用(前半)

 

パネルディスカッション:新生銀行は、どのようにしてMA活用へたどり着いたのか?~MA活用でつまずきやすい5つのポイント~

【パネラー】

・株式会社新生銀行 リテール営業推進部 CRM担当 営業推進役 松永 美生氏

・株式会社セールスフォース・ドットコム 執行役員 伊奈 憲一郎氏

【ファシリテーター】

・株式会社メンバーズ 第2ビジネスユニット アカウントサービス第1ユニット  マネージャー 福島 信

セミナー登壇者の画像

(3)シナリオ設計・活用のポイント

■シナリオの作り方

福島:新生銀行では、シナリオをどのように作っていますか?

 

松永氏:たとえば営業部門やマーケティング部門から「こんなことできる?」といった質問をきっかけにブレストミーティングをします。大体のイメージの絵をホワイトボードに書いていって、分岐図を描くところからは、MAの構築チームで提案してもらいます。絵に描くとシンプルなシナリオも実際にMAの方で設計すると凄い数の設計ポイントが出来たりしますが(笑)。

※本レポートでは、シナリオの公開はできませんが、スクロールしないと収まらないほどの分岐図になっていました。

 

伊奈氏:ここまでしっかり設計されているお客さまも珍しいですよ(笑)。1つのシナリオを実装するのに、どれくらいの期間がかかるのですか?

 

松永氏:MA設計にかかりきりでよければ、シナリオサイズにもよりますが2週間~1か月ですね。最初の導入時期は、試行錯誤していたので絵を描くまでに1か月、テストに1か月かかることもありました。

 

伊奈氏:参考までに、お客さまによっては簡易なシナリオを1週間に1本といった形で回しているところもありますね。

 

■シナリオのメンテナンス

福島:これだけ大きなシナリオだと、メンテナンスが大変なように思うのですがどうでしょうか?

 

松永氏:最初はそう思っていたのですが、結果的にはサイズの大小では、メンテナンスの手間・頻度は変わらないですね。状態をチェックして、通っていないパスや起こっていない分岐があると、プログラムやコンテンツを直しています。

 

■シナリオ設計における必要スキル

福島:シナリオを作るうえでの注意点や考え方はありますか?

 

松永氏:イメージ図はマーケティングスキル・経験の有無に関わらずある程度描けると思いますが、そこからの落とし込み、「ここのデータって何?」という部分にこだわることが出来るかが重要です。プログラムを組む前に、適切なデータが分かり、この条件であれば何人くらいになる、この分岐は何割程度に分かれるだろうといった自社が持つデータに関する勘があると設計が合理的に進みます。ですので、普段からデータを触っている方が参加されるのがよいかと思います。

 

福島:データが分かる人を近くに置いておいた方が良いですね。

 

松永氏:日頃から顧客情報や行動情報、計表等を見ていればデータは何となく頭に入っていくので、まずは触ってみることが大切だと思います。

 

■シナリオ設計前に考えるべき施策

福島:伊奈さまからもシナリオ作成について、注意する点はありますか?

 

伊奈氏:実装可能なシナリオに落とすのは、職人のような世界でもあるので、サポートする外部に頼ることも良いかと思います。意外に苦しいのが、戦略と実装可能なシナリオの間で、どういう施策をやっていくのかという所です。

 

アパレル業界のアダストリアさまでは、商品開発や店舗の方を含めワークショップを実施し、カスタマージャーニーを作成しました。アダストリアさまは顧客に対してのライフサイクルのステージを決めた時に「ときめき」が重要だと定義をされました。出会い・購入・着用時のときめく瞬間に対して、どういうコンテンツを顧客に合わせて出していくのかという視点で考えていきました。

 

また、JCBさまもカスタマージャーニーを一緒に作らせていただきました。会員になってからの6か月で、お財布の中で一番使うカードになるために何をやるかを考えたのです。まずカード入会いただいた後、カードが届くタイミングでの初回メッセージでは、キャンペーン情報ではなく稼働を上げていただくための使いこなし術をご提案しました。その後もお客さまの利用状況によってシナリオを変えた結果、稼働が5%・利用額が10%向上しました。

 

福島:シナリオについてお困りの際は、ぜひメンバーズにご相談いただければサポートいたします(笑)。

メンバーズ 福島登壇の様子


つまずきを防ぐポイント

・シナリオのメンテナンスは、シナリオサイズに関わらず必須

・自社のデータを理解している人がシナリオ設計に関わるとスムーズ

・シナリオ設計の前の戦略や施策を考えることが重要


 

(4)効果測定

■BIツールの必要性

福島:新生銀行はBIツールのEinstein Analytics(以下、EA)を活用し効果測定していますが、BIツールは必須でしょうか?

 

松永氏:効果測定を自動化せず、マーケティングの施策だけ自動化しているというのは非常に不幸かと思います(笑)。

データをCRMやMA等の外側で回すと、確認したい数値が分かるのが施策開始から2週間後といったことが起こりがちです。その間に状況や取得できるデータが変わってきますし、設定時の記憶も薄れてしまいます。

BIツールを活用し、その場その場で設計者、開発者が営業やマーケティングの担当とともにデータを見て、深掘りしてインサイトを得るということがPDCAには必要かと思います。

 

福島: BIツールを触られたことのある方は分かると思いますが、設定・運用は大変ではないですか?

 

松永氏:大変です(笑)。そこはメンバーズの方にサポートいただいています(笑)。

 

福島:楽なBIツールはなかなかないので (笑)、セールスフォースからもBIツールに関してご意見いただければと思います。

 

伊奈氏:基本的にUIベースで自由なグラフなどが作れるのがセールスフォースのEAの特徴です。セールスフォースの全てのプラットフォームとはコネクタがあり、リアルタイムにダッシュボードを作成し、状況を把握して、改善していくというサイクルがしやすい仕組みになっています。

重要なのは、オンラインの行動だけを分析するのではなくて、オフラインとの連携が多いお客さまは、オフラインの分析も出来る限りすることがオススメです。それも含めてリアルタイムにPDCAを回していただければと思います。

 

福島:弊社もご支援させていただいていますが、BIツールは結構大変ですので、一つずつやりながら進めていくのが良いかなと思います。


つまずきを防ぐポイント

・PDCAを回すためにも、効果測定はBIツールで自動化することが有効

・オフラインとの連携が多い場合は、オフラインの分析もすることがオススメ


 

(5)運用体制

■インソース・アウトソースどちらが良いの?

福島:メンバーズも運用支援していますが、運用体制を作る上で注意点を教えていただけますか?

 

松永氏: 弊社の場合は、導入時はスピード重視のためほぼ全量をアウトソースし、その後の運用フェーズでも多くはアウトソースでやってきています。マーケティングのような専門性の高いプロセス・スキルに関しては、外部の専門性を活用すべきだろうと。人事異動もありますし、人が替わっていく中でスキルが減退しても困るということで、アウトソース体制を作っていくのはマネジメント層を含めた意思でした。

 

ただ、個人的にはインソースでもアウトソースでも良いと思っています。メンバーズをはじめ多くのパートナーさまに委託させていただいていますが、基本的にはオンサイトでご対応いただき、ワンチームでやっていければということで、所属としてのイン・アウト関係ない体制となっています。

 

■社内人材の育成

松永氏:現在はアウトソースも活用していますが、社内人材の育成については、導入時期は無理でも運用時期には対応した方が良いと思っています。少なくともMAやBIの基本的なところ(構造やデータ)を理解していて、読めば分かる程度のプログラミングスキルは必要ですね。

 

組織の観点として、MAに取り組み中で生まれてくるスキル・ノウハウはきっちりと社内財産にしていく必要があると思うので、仕組みも含めて分かる人材を育成していくべきですね。

 

個人の観点では、こういったデータ・プログラミングを扱うというのは、個人のキャリアとして大きな資産になると思っています。社員のモチベーションアップのためにも、社員のスキルは付けたいと思っています。

実際に構築・導入が一段落した昨年秋くらいからは、社員に対して社内の集合研修やハンズオン研修、社外のセールスフォースの主催されているトレーニングに参加することに時間やお金をかけています。

 

■新生銀行がパートナー企業に求めること

松永氏:とはいえ、パートナーさまは専門性が高いので、融合チームを作ることでシナジー効果が高まると思っています。

融合チームでやっていく中で、パートナーさまに必要なことは、我々の商品やサービス・顧客についてのビジネス理解や各チャネルの現場が普段どんなコミュニケーションをとっているのかというリアルな理解です。メンバーズの方には、支店やコールセンターを見学いただいています。

 

このように、インソース・アウトソース両方必要だと思いますし、それぞれのメリット・デメリットをチームとして補っていくという運用体制が重要かと思います。

 

■組織上の部署の立ち位置

福島:各部署を統合したCX部といった統合部署を作られる会社もあります。それについてはどう思われますか?

 

松永氏:それはそれで羨ましいです(笑)私どもは、チャネル別の組織でやっており、その各チャネル・プロセスから派生する周辺的な要望についても色々な巻き取りもしているので、横断的かつ組織の上にあるといったチーム体制は非常に羨ましいです。

 

福島:ただ権限がないと周りは協力してくれないということは一緒なのでしょうか。

 

松永氏:権限だけではなく、やはり結果が大事だと思います。結果を出していれば組織上でどんな位置づけであっても他のチーム、担当の方も協力してくれます。

 

福島:なるほど。伊奈さまから他社の運用体制についても教えていただけますか?

 

伊奈氏:他社さまですと、社内の合意形成に苦労しているのが現状です。なので、MC導入にCX部のような部署を作ってカスタマージャーニーとコミュニケーション設計をつかさどって、ガバナンスもするといった企業さまもございます。

 

たとえば、GDOさまもお客さま体験デザイン本部というものを立ち上げられています。また、三井住友カードさまもネットビジネス事業本部でWeb領域のみ扱っていたのですが、コミュニケーションの設計からガバナンスまでを巻き取られて、今は統合マーケティング部という組織になっています。

 

■3年間を振り返って

福島:ありがとうございます。最後にこれまでの3年間の中でつらかった点・良かった点をそれぞれいただけますか?

 

松永氏:導入している最中は各部署から色々な意見・苦情もありましたが、終わってみるとチャネルも業務も、インフラやデータ、全部がつながって回るようになって、これからおもしろいところだなと。スタート地点にようやく立てたと今はワクワク・ドキドキという心境です。

 

伊奈氏:色々な企業さまと接している観点で申し上げますと、新生銀行は非常に成功されているお客さまの一つです。組織や実際のシナリオなどを話してきましたが、大層にとらえずに、まずは小さなところから成功を積み上げていくところからご支援できればと思っています。

3社登壇の様子


つまずきを防ぐポイント

・人事異動によるスキル減退を防ぐため、アウトソースを活用

・社内にMAスキルやノウハウを蓄積するための人材育成も実施

・パートナー企業へは、自社の商品や現場の状況へのリアルな理解をしてもらう


 

以上、セミナーレポートの後半をお送りしました。

メンバーズのマーケティングオートメーション導入・運用支援については、下記より詳細をご確認いただけます。

 

▼メンバーズのサービスご紹介ページ
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