members

members

拡張し、具体化し、選択し、言行一致させる。
サービスストラクチャー:関係を考える

Tweet

※この記事はnoteからの転記です。

先週公開したサービスストラクチャー(プロトタイプ)について、構成要素の関係性の考え方を紹介して行きます。

まだ読んでいない方はこちらからどうぞ。
「サービスストラクチャー(プロトタイプ)」

以下4つの関係を考えることで、ある程度大きな影響力のある、ファンになってもらえるサービスを作っていけると考えています。

1.拡張(パーパスとビジョン)
2.具体化と目的(ビジョン、コンセプト、体験)
3.選択(体験と手段)
4.言行一致(ビジョンと体験・手段)

1、パーパスとビジョンの関係:「拡張」
パーパスは個人の思いを、ビジョンはどんな社会を作るかを書きます。個人の思いを社会に適応するまで拡張します。

個人の思いだけでは、わがままや妄想と言われて、他者は動かせない。人が動かないとビジネスにはならない。そこで個人の思いが拡張されて、広がった世界はどのようになるのかを提示する。そのビジョンに興味を持ってくれる人、自分もその世界を作りたいと思う人が、パートナーや顧客となってくれる。

2、ビジョン、コンセプト、体験の関係:「具体化と目的」
ビジョン→コンセプト→体験で抽象的な「世界」というイメージから、そこで実現される具体的な「体験」に落としていきます。逆に見た時に、「なぜその体験なのか?」の回答がコンセプト、「なぜそのコンセプトなのか?」の回答がビジョンとなります。

またビジョン、コンセプト、体験のニュアンスの距離感が等距離に感じられるかは注意が必要です。壮大なビジョンと具体的な体験は、繋がりをイメージしにくく、ビジョンの壮大さと体験の具体性の中で何がしたいのかを見失ってしまいます。コンセプトを等距離で置けることで、ビジョンに偏ることもなく、体験に固執することもない、ビジョンと体験の必然性ができ、なぜこの体験を作る必要があるのか?に説得力と納得性が出ます。

3.体験と手段の関係:「選択」
人間中心デザインがベースの考え方なので、体験とその体験を実現するための手段は分けて考えます。手段は最後に時期によって、適切なものを選びます。

わかりにくいと思いますので、例を考えて見ます。

   
1と2の間では、文字が発明され、ペンが発明され、紙が発明され、印刷技術が発明され・・様々な技術から「本に書かれた文字」という手段で、「物語を読む」ことができるようになりました。
2と3の間では、本の電子化、スマートフォンという技術から、「スマートフォンで電子書籍に書かれた文字」を読むことできるようになりました。さらに最近ではスマートスピーカーに朗読してもらう、という手段も出てきています。このように体験と時代にあった技術で手段を作っていきます。

※この考え方は書籍「エクスペリエンス・ビジョン(丸善出版 2012年 山崎和彦他)」に紹介されている「アクティビティシナリオ、インタラクションシナリオ」を参考にしています。                  

4.ビジョンと体験・手段の関係:言行一致の関係
リリースされたサービスとして、利用者の目に触れるのは「体験・手段」と「ビジョン」であると考えています。サービスのファンになってもらうためにビジョンは欠かせません。「ビジョン」のない「体験・手段」は、他類似サービスとの競合で埋もれてしまうかもしれません。サービスを輝かせるのはビジョンです。一方で、具体性の無いビジョンもただの妄想やきれい事として、一笑に付されるのも事実です。
大きなビジョンを掲げ、具体的な体験・手段を提示するというセットの関係が必要です。これはビジョンを実現するという「宣言」を、体験・手段の提供という行動を持って示す関係になります。その言葉と行動が一致しているからこそ、そのビジョンは信頼され、手段は他類似サービスとの違いを認識されるのです。

各関係性の考え方はいかがでしたでしょうか。
個々の磨き込みだけでなく、関係性を意識することでより良いサービスのストラクチャーが作れるのだと考えています。

次回はサービスストラクチャーでデザインをするためにしているトレーニングについて、ご紹介できればと思います。

転記元:拡張し、具体化し、選択し、言行一致させる。サービスストラクチャー:関係を考える

コラム執筆

川田 学

川田 学

UXデザイナー × プランナー
HCD-net認定 人間中心設計専門家

国内メディア系企業の新規サービス開発プロジェクトにおけるUXリサーチ・分析・体験設計、評価、メーカー系企業のコンテンツサイトの初期設計、PDCAプロセスデザイン等、担当。プロジェクト全体におけるUXデザインの適用と、デザインスプリントにおける、調査、分析、体験設計といった「見えないデザイン」を主に手がける。

メディア掲載履歴:
MdN Design Interactive
「UXデザインを上手に組み込むための「関わり方」と「取り組み」のコツ」
https://www.mdn.co.jp/di/newstopics/50425/
書籍:UX × BizBook(マイナビ出版)
その他:
産業技術大学院大学履修証明プログラム
「人間中心デザイン」非常勤講師 等