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【セミナー開催レポート】新生銀行の事例から見るマーケティングオートメーション(MA)の活用(前半)

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メンバーズでは、企業のデジタルマーケティングご担当者さま向けに、最新事例やトレンドを盛り込んだセミナーを随時開催しています。
2019年3月5日(火)に開催したセミナーでは、メンバーズがマーケティングオートメーション(以下、MA)領域でご支援している新生銀行の事例をご紹介しました。

本コラムでは、第2部のパネルディスカッションのトーク内容を前後半に分けてレポートいたします。※第1部は資料公開ございませんので、ご了承ください。

 

パネルディスカッション:新生銀行は、どのようにしてMA活用へたどり着いたのか?~MA活用でつまずきやすい5つのポイント~

【パネラー】

・株式会社新生銀行 リテール営業推進部 CRM担当 営業推進役 松永 美生氏

・株式会社セールスフォース・ドットコム 執行役員 伊奈 憲一郎氏

【ファシリテーター】

・株式会社メンバーズ 第2ビジネスユニット アカウントサービス第1ユニット  マネージャー 福島 信

セミナー登壇者の画像

(1)CRM導入までの道のり

■マネジメント層からの理解

福島:新生銀行では2016年にCRMとして、Service Cloud(以下、SC)を導入していますが、その経緯をお聞かせください。

 

松永氏:それまで利用していたシステムの老朽化もありますが、2016年度から第3次中期経営計画が始まるタイミングでもありました。リテール部門全体の方針を考えるなか、コミュニケーションとチャネルに関する計画は「CRMを使わないと計画の遂行が難しい」とアピールしていき、中期経営計画全体の中でマネジメント層の理解を得ていきました。

「どのようなステップを踏んでいくのか」に加えて、「どのようにビジネスに貢献する数字に結びつくのか」をあわせた3か年計画を提示したことで、理解してもらいやすかったと思います。

 

福島:一般的に他の企業さまでは、導入は容易に進むものでしょうか?

 

伊奈氏:他の企業さまは苦労されることが多いです。現場の方は、近年 “消費者軸”でコミュニケーションが進んでいることを実感しているのに対して、マネジメント層はそのイメージが湧いていないため、理解が進みにくいのです。

 

まだイメージの湧いていないマネジメント層に対してやっていることを2つご紹介します。

1つ目に「ビジョンストーリー」を作っています。ROIの算出とセットで、顧客接点がどう変わっていくのかイメージをマネジメント層と一緒に作っています。ワークショップを通じて、課題感をディスカッションし、「こうあったらいいよね」というものを動画で作っていきます。これをやることで、マネジメント層が自ら言ったことが絵になっているので、ご納得いただきやすいです。また、動画で表現することで、ぱっと見てわかりやすいので、合意形成がしやすいです。

 

2つ目に「カスタマーユースケース」を作ることもしています。ある具体的なジャーニーを切り取った場合に、お客さまのエクスペリエンスがどう変わっていくのかを分かりやすくパワーポイントに落として説明しています。

 

松永氏:実際に「ビジョンストーリー」は新生銀行でもやらせていただきました。動画で見ると実現できそうだと何故だか思うのです (笑)。数字を提示してもなかなか伝わらない部分が、具体的なイメージを目の当たりにすることで検討が進むことはあるかと思います。

■社内理解での苦労と解決方法

福島:社内理解・社内の合意形成で苦労はありましたか?

 

松永氏:コールセンターや営業といったチャネルのスタッフ、彼らを束ねるリーダー達といった実際の現場で理解を得ることが最も苦労しました。システムに関する理解の差や従来の業務のやり方を変えることに抵抗があったのは事実です。なので、セールスフォースからこれらチャネルスタッフやリーダー陣に向けても活用方法や事例を紹介いただき、現場でのイメージアップを図りました。

 

福島:セールスフォースのサポート体制はいかがでしたか?

 

松永氏:ワークショップやトレーニング研修のサポートをしていただいています。最もお力を借りたのは、ブランド力かもしれません。セールスフォースはCRMで世界No.1なので、世界標準的に使われているものに対して、我々の業務プロセスをフィットさせていく方が今後のビジネス変化に耐えられると、マネジメント層にも考えを広めていただいています。

 

伊奈氏:現在は、日本国内においても業態問わず、大企業から中小企業までご利用いただいています。年に3回バージョンアップし、ご要望の多かった機能のリリースし、業界のベストプラクティスを随時埋め込んでいます。

新生銀行さまご登壇の様子


つまずきを防ぐポイント

・マネジメント層には、導入までのステップ+売上試算が分かる計画書を提示

 時には、動画などを活用して理解を深めるのも手段の一つ

・世界標準的に使われているツールを導入し、自社の業務プロセスをフィットさせる


 

2)ツール選定・各業務との連携のポイント

MAツール選定のポイント

福島:新生銀行では、MAツールとしてMarketing Cloud(以下、MC)も導入されました。MC導入について、重要視した点は何でしたか?

 

松永氏:競合ツールも比較しましたが、インフラの拡張負荷の観点からデータ連携がいかにスムーズかを重要視しました。データプラットフォームとしてインフラの統合が進み、大規模なデータ連携ができるようになってくると、次は、データをいかに速く、どう使うかが重要視されてきます。MCは、CRMと同じクラウド上でリアルタイムにデータ連携出来る点が良いと思いました。

 

CRMMAの連携

福島: MCとCRMの連携を図り、営業店舗支援やコールセンター業務支援ツールとして活用されている企業さまは多いのでしょうか?

 

伊奈氏:マーケティングチームとサービスチームの連携が進んでいるかについて、グローバルのマーケター4,100人へアンケート調査をしたところ、ソーシャルチャネルを中心とした場合の連携は55%出来ていると結果が出ています。

一方で、顧客からクレーム的な電話をいただいた際に、マーケティングチームの方でキャンペーンのメールを止めているかを伺うとそこまで出来ていないという回答が多く、全体チャネルの連携は各社まだまだ進んでいない状況です。

 

福島:徐々には増えているのでしょうか?

 

伊奈氏:そうですね、新生銀行もそうですし、他社さまでもSCとMCを併用することで連携範囲が広がっていきます。

例えば、高速路線バス、ツアー旅行のビジネスを展開するWILLERさまは、インバウンドでお問い合わせ電話を頂いたお客さまに対して、対応時のご意見によって、その後のメールでのフォローアップ内容を変えています。コールセンターのスタッフが対応履歴を変更することで、自動的にシナリオが変わっていきます。こういった顧客に合わせてスタンスを変えていくということは非常に重要になってきます。

 

■営業やコールセンターとの協力体制

福島:新生銀行では、チャネル連携の過程で、営業やコールセンターの方々は協力してくれる体制だったのでしょうか?

 

松永氏:マネジメント層をはじめとした会社としての意思決定があったので、組織上の協力体制があり、それに対して正面からNOという方はいませんでした。実務的にワークしたポイントとしては、各部署の中でテクニカルな点も含めて、MAの取り組みにピンとくる人がリーダーレベルにどれだけいるかなんですね。CRM・MAに関して理解を示し、データやシステムを分かったうえで、自部署のチャネルでの活用方法をイメージできる人が各チャネルに1~2人いて、その人たちをアサイン出来ると飛躍的に活用や連携がワークします。

 

福島:それはどの企業さまでも一緒かもしれないですね。MAを活用するには、店舗やコールセンターの方々がCRMに正しく情報を入れ込む習慣が必要不可欠ですが、正しく入力されない、入力するに当たってクレームが出る等はあるのでしょうか?

 

松永氏:「何故こんなことしないといけないの?」といった声はあります。なので、情報を入れたことが各スタッフの評価になるし、回りまわって各チャネルで役にたつことを説明しています。実際に情報が見えるようになるなかで少しずつ理解をしてもらい、アーリーアダプター的な存在が出てくると、そこで集中的にトライアルをやってもらって、良い結果が出れば周りに還元していくというサイクルが出来てくると思います。

 

■チャット・チャットボットとの連携

福島:少しずつ理解を深めているのですね。チャットやチャットボットも含めてチャネルが増えてきていますが、それらのツールの導入や連携は容易に進むものでしょうか?

 

松永氏:簡単と言ったら怒られてしまいますが(笑)、ビジネスの進め方としてはそこまで難しくないです。システム・データ連携が必要となる前提でツールを選定していますが、連携構築にかかる工数は考えていく必要があります。

 

また、チャットやチャットボットのおもしろいところは、それがどういう媒体にあたるのかという規定がまだ確立していない点です。既存のツール・媒体の規制を参考に、同じようなコミュニケーションができるように、という気持ちです。また、チャットを運用するスタッフにも、お客さまに提供したい会話、サービスをヒアリングして、実現するための協力関係を築いています。

 

■オンプレのCRMMAの連携

福島:今日来ている方の中ではオンプレミス(以下、オンプレ)なCRMを使われていて、MCとの連携がうまくいかないことがあると思います。オンプレのCRMを使いながらも、オンライン・オフラインを連携しながら進めている事例はございますか?

 

伊奈氏:連携に関しては、技術的には容易です。クラウドサービスは、オンプレのサービスからデータを連携することを前提としているので、FTPやAPIでバッチベース、リアルタイムを柔軟に連携出来るようになっています。

 

三井住友カードさまも、オンプレのコールセンターと連携しながら、コールセンターのコミュニケーション後にリアルタイムでメールのご案内を実施しています。お客様対応における満足度を上げつつ自社のコールセンターオペレーションの効率化を実現していらっしゃいます。

新生銀行さま・セールスフォースさまご登壇の様子


つまずきを防ぐポイント

・MAツール選定のポイントは、スムーズなデータ連携が出来るか

・各部署にMAの取り組みに協力的なリーダー層がいると、推進がスムーズ

・アーリーアダプター的な存在を見つけて、トライアルに協力してもらい成功事例を作る


 

以上、セミナーレポートの前半をお送りしました。後半のレポートも近日公開いたします。

メンバーズのマーケティングオートメーション導入・運用支援については、下記より詳細をご確認いただけます。

 

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今後もメンバーズでは、オウンドメディアやデジタルマーケティングの研修、最新事例やトレンドを盛り込んだセミナーを開催して参ります。

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