members

members

「名乗る」覚悟

Tweet

※この記事はnoteからの転記です。

 

私は今「サービスデザイナー」を名乗っています。
その前は「UXデザイナー」でした。
この「UXデザイナー」を名乗ることがとても高いハードルでしたが、大きなティッピングポイントとなり、重要なワークを得る機会と、その機会によってスキルの向上をすることができました。

どんなことをしていったかを振り返ってみます。

まず「デザイナー」ではなかったので、特に何者であるかを名乗ることもなく、UXデザインを始めました。ところが知れば知るほど、やればやるほど奥の深さ痛感し、どんどん「UXデザイナー」を名乗れなくなっていきました。

「UXデザイナー」は複数の異なるスキルを統合的に使う複合職です。それゆえ「UXデザイナーです」と名乗る人への周囲からの期待も大きい。

その期待を感じながら私は、

ユーザー調査ができないといけない
ユーザー分析ができないといけない
コンセプトのデザインができないといけない
アイデアが出ないといけない
体験のデザインができないといけない
モノのデザインができないといけない
ユーザー評価ができないといけない
プロジェクトがデザインできないといけない
ワークショップデザインができないといけない
デザインシンキングを理解、実行できないといけない
etc…

と「もっとできないといけない」ばかり考えていました。
結果、外部の研修を受け、学校を修了し、実際の仕事でやって、知れば知るほど、経験を積めば積むほど「UXデザインができる」実感が持てない。一体いつになったら「UXデザイナーになれるんですかね?」と笑い話っぽく話をしていました。

そんな時にチームのメンバーが「名乗ればいい、きっと大丈夫です」と言ってくれました。
その言葉に後押しされて名乗ることにしました。

名乗るとどうなったか?

まずやりたかった仕事に恵まれました。
しかしその仕事は「難易度が高い。まだ早いかも知れない」と思えるものでした。
でもその仕事をくれた方は期待をして話をしてくれたんだとも感じています。
その期待に応えるために、無理をしてなんとかその仕事をやりきりました。
すると、周囲の目が変わります。「あいつはUXデザイナーなんだ」と思ってもらえるようになった実感がありました。こっそり知らない間にやって、事後報告することと、「やる」といってやりきることは、依頼者の満足度は大きく違います。満足してくれた人は、直接的、間接的に次の仕事をくれます。この良いループが回っていきました。

合わせて自分のスキルも伸びたのだと実感しています。
「無理をする」はポイントです。逆にいえば、「無理をすればできた」。これはスキルのストレッチにとても大事なことです。プレッシャーがないと人間はなかなか無理をしないですからね。「無理をすればできる」が、経験値の蓄積とやりきった自信によって「できる」に変わっていくことがスキルの取得なのだと考えます。

「名乗る」ことで周囲から期待され、それに応えることでまず他者に認められ、自分でもその他者からの承認と、スキルが上がる実感が自信に繋がり、自分自身を認めることができるようになる。それにより名乗った肩書きにふさわしい自他共に認める肩書きとして定着していきました。

まとめて、モデルにしてみます。

こうして見ると「KeyEvent」が自分が認める→他者に認められる→自分が認める・・と繰り返しているようです。この繰り返しは、キャリアを作っていくに当たって必要なことに思います。そして、他者はスタート地点からは「遠く」になっていく必要があるようにも思えます。
「覚悟を決めて名乗る」は自分を認める大きなティッピングポイントで、より遠くの「他者」へ繋げるためのパスを繋げる役割を果たしてくれると言えるかも知れません。

身近な仲間に認められているのに、行き詰まっている状況があるのであれば、
「覚悟を決めて名乗る」ことも考えてみてください。

転記元:「名乗る」覚悟

コラム執筆

川田 学

川田 学

UXデザイナー × プランナー
HCD-net認定 人間中心設計専門家

国内メディア系企業の新規サービス開発プロジェクトにおけるUXリサーチ・分析・体験設計、評価、メーカー系企業のコンテンツサイトの初期設計、PDCAプロセスデザイン等、担当。プロジェクト全体におけるUXデザインの適用と、デザインスプリントにおける、調査、分析、体験設計といった「見えないデザイン」を主に手がける。

メディア掲載履歴:
MdN Design Interactive
「UXデザインを上手に組み込むための「関わり方」と「取り組み」のコツ」
https://www.mdn.co.jp/di/newstopics/50425/
書籍:UX × BizBook(マイナビ出版)
その他:
産業技術大学院大学履修証明プログラム
「人間中心デザイン」非常勤講師 等