members

members

マーケティングオートメーション実践編:分析、シナリオ作成、PDCA実践/大企業のMA活用講座

Tweet

前回のコラムでは「大企業のMA(マーケティングオートメーション)活用~導入と運用の壁編~」についてご紹介しました。第3回となる本コラムでは、MA(マーケティングオートメーション)(※1)を実践する際のポイントについて、ご説明していきます。

(※1)マーケティングオートメーション:MAとは、顧客一人ひとりの興味関心に応じたコミュニケーションを実現することで顧客との長期的な関係を構築することができるプラットフォームです。出典:マルケト:マーケティングオートメーション(MA)とは

マーケティングオートメーション導入と運用の壁編/大企業のMA活用講座

●●●目次●●●
1.MAの実践:分析
2.MAの実践:シナリオ作成
3.MAの実践:PDCA実践
4.MA運用メソッド

マーケティングオートメーションの実践:分析

第1回第2回までの2回のコラムで書いてきた話は、MAを使う上での問題点、MA導入を行う上での問題点についてでしたが、ではMAを実践していくにはどうしたらいいかについて取り上げたいと思います。工数削減等のマーケティング業務の生産性向上も重要ですが、第1の目的はマーケティング成果最大化です。

マーケティング成果と言うと聞こえはいいですが、マーケティングという言葉は非常に幅広い言葉として使われています。ここで言うマーケティングとは真のマーケティングを意味しています。

すべての施策が、成果である真実のコンバージョン数、コンバージョン金額にどう貢献したかを分析し、その効果が最も高い方法を突き詰めて施策を考えることを意味しています。(KPIはCV数といった量だけでなく、NPS(顧客推奨度)といった質を重視するものもあります)

とはいえ、当然ですが施策を実施する前に、コンバージョンを測定するのはできません。分析というより、まずはデータ確認を進める必要があります。ある商品を販促したい場合に、「ターゲットはどのような人で、どの商品を訴求するか」という視点になりがちですが、昨今は「顧客視点でのマーケティング」が重要と叫ばれている時代です。

顧客本位の時代である昨今では、各顧客が何を求めているかを分析してシナリオを考える必要があります。実際には顧客嗜好を追及するには、いろいろなデータを掛け合わせて分析する必要があり、簡単に分析はできません。従って想定されるシナリオのテーマに沿って、データ確認をしていくことをお勧めします。

金融企業であれば、例えば「満期時期を迎えるユーザー」や、「リスク商品未購入者でリスク商品ページを閲覧したユーザー」に向けて「リスク商品を訴求する」といったシナリオを考えた場合、そのターゲットユーザーのセグメントを作るためにデータをどう抽出して、どうMAに入れ込むかという話になります。

あるいは小売企業等の場合で商品購入サイクルが2年の場合、「その商品を2年前に購入した人はどういう人たちか」、「どういうチャネルで購入したのか」、「どういうアプローチをするのがいいのか」など、ターゲットへの訴求内容考えて、シナリオを作る必要があります。

マーケティングオートメーションの実践:シナリオ作成

実際にシナリオを作成する際、あまりにも細かく作っても、データとの整合性を取る段階で、すべて書き直しになることも多いので、まずラフ案を作ることをお勧めします。何をトリガーとするのか、どういう分岐を作っていくのか、またどのデータを活用していくか、などをプロットしていきます。

なお実際にはシナリオ作成者(ビジネス主管者)がデータのありかを把握していない場合も少なくありません。従ってシナリオのラフ案を作成後、データ管理担当者に、データの抽出・確認を依頼することになります。そのシナリオどおりにデータを抽出できるかは、データの持ち方にもよります。

CRM等にデータがわかりやすく格納されていれば、データ抽出も簡単ですが、実際には多くの関係者がデータを入力している状況だと要注意です。CRM上に似たようなカテゴリーが存在し多く使われているもの、あまり利用されていないものなどが混在しているので、間違ったデータを選んでしまうことが起こりかねません。それを防ぐためにも、シナリオ作成者はデータ管理担当者と密なコミュニケーションが必要です。

またアンケートデータなどは、別のデータベースに格納されていることもあるので、それらを使う場合はCSV等でデータを取り込む必要があります。

抽出するデータとトリガーを正しく決めた後、ジャーニー等の設定に入ります。もしシナリオどおりのデータが存在しなかったり数が少なかったりする場合は、シナリオの切り口を変えて作成する必要があります。

また配信数等が少なければ意味がないので、有効な配信数があるか確認しながら、シナリオを作る必要もあります。シナリオを継続していく場合は、オートメーションも併せて設定していくことになります。

MAもいろいろツールがありますが、BtoB用、BtoC用で、いろいろと異なる点があります。ジャーニーを細かく設定できるかできないか、スコアをためてシナリオに活用できるかなどです。BtoB用のツールはスコアリング機能を使って、段階的に興味関心を増加させ営業につなげるように作られております。

他には、WebレコメンドやWebチャット、チャットボッドなどのシナリオも広義のMAシナリオに分類されます。ユーザーの閲覧データや購買データを集計し、ユーザーが閲覧/購入している商品と関連性の高い商品を自動的にレコメンドする自動レコメンドと、シナリオを作って、作成者の設計したタイミングで掲出するルールベースレコメンドの2つが現状の主流です。

いずれにしろ、すべてに共通しているのは、シナリオを作成してデータをどう抽出し、トリガーを何にして、どのような訴求をして開始するか、という基本的な部分が最も重要です。

※「除外設定」「エラーチェック」も重要なポイントですが、これについては次回以降の詳細版でご説明いたします。

マーケティングオートメーションの実践:PDCA実践

PDCAの進め方はいろいろありますが、最もシンプルなものはA/Bテストです。

A/Bテストは初期段階で効果がわかりやすい特徴があります。例えば“A”を送るユーザーと何も送らないユーザーで効果の違いを見て、その分量(比率)を変えていくのが非常に進めやすい方法です。

ある一定の期間は“A”,次の期間は“B”というように時間軸で効果を検証していく方法もありますが、時間がかかるのと、時期が異なるので検証しづらいところがあります。ある程度の配信量があることなどを前提にして進める必要があります。

また文面やクリエイティブの中身を変えて、”A”、”B“で効果を調べる方法もあります、大量のコンテンツを作るのが大変なので、”A”の効果を見て(開封はあるが、クリックはない、等)、”B”のコンテンツを作成して結果を確認していくなどのやり方がお勧めです。

一例をご紹介します。

Webで店舗への予約推進を図るシナリオを実行したケースで、「開封率は高いが、コンバージョン率が低い」という結果が出たことがありました。店舗ページは見ているがフォーム登録は少なかったので、「オファーを追加する」などの施策を実施し、再度予約を促すといった手法を試みるといった事例です。

MAのシナリオでは、分岐を多く作ることができます。ユーザーの反応に応じて訴求する内容を変えるものですが、その分岐の経路測定もMAの醍醐味です。シナリオにもよりますが、先ほどのWeb予約推進のケースですと、「開封分岐」、「フォーム閲覧分岐」を追加し、双方のアクションを行っている場合、「コールセンターに見込み客として連携する」という分岐を増やすなどのアクションをすることも可能です。

またPDCAを進める上で、必要不可欠なものがKPIです。KPIを定めずにMAを実行すると、ただ開封率、クリック率等の数値をだけを確認するだけになり、真のPDCAとは言えないものになります。

MAのKPIは、シナリオ全体のKPI、経路分岐ごとのKPI,メールやレコメンド単体のKPIなど、いくつかKPIを設定することが可能です。進めながら理解していく必要がありますが、KPI確認、PDCA改善と運用工数は間違いなく比例しますので、事前に考慮の上運用する必要があります。

またPDCAをどのレベルまで実行するかにもよりますが、MAツールだけでわかるものは開封やクリックなどの基礎的な情報だけになってしまいます。施策のターゲットユーザーがどう行動したか、CVまで深く見て行きたい場合、CRMデータ等をBIツールに連携して確認する必要があります。これはこれで導入が大変ではありますが、正しいPDCAを回すには必要不可欠なことです。

マーケティングオートメーションの実践:MA運用メソッド

上記のようなものを体系的にまとめたものが、メンバーズが考える「MAメソッド」です。

(1)【シナリオプランニング】
→【データマネジメント】
→【コンテンツ制作】
→【配信設定】
→【配信】
→【データ収集】
→【可視化・検証】
→【改善】
→(1)に戻る

という一連のフローがあり、メンバーズはそれぞれの領域に対応できる職制もカバーしています。
より詳細なMAメソッドの定義を策定しており、2019年4月中には完成する予定です。是非お問い合わせいただきご説明させてください。

さて、今年度3回に分けて発表してきたMAコラムいかがでしたでしょうか?2019年度はより詳細な部分にまで落とした内容でお送りしたいと思いますので、是非ご期待いただきたいと思います。またご質問等があれば、お気軽にご連絡いただきたく、よろしくお願い致します。

<失敗しない!3つのポイント>
・最初は分析より、実施したいシナリオに向けたデータ確認が重要
・シナリオ作成は完璧なものを作るのではなく、ラフ案でデータ管理者と共同で作ることが重要。
・PDCAは簡単なA/Bテストから始めていくことを推奨。KPI設定、BIツールでの管理も忘れずに。

大企業のMA活用講座(全3回)

【第1回】「データがない!」なぜ上手くいかない?
【第2回】マーケティングオートメーション導入と運用の壁編
【第3回】マーケティングオートメーション実践編※本記事

関連サービス

デジタルマーケティング施策を最適化するためのマーケティングツールの活用を支援

コラム執筆

福島 信(ふくしま まこと)

福島 信(ふくしま まこと)

大手広告代理店、大手ネットメディアレップを経て、2017年メンバーズ入社。
大手家電メーカーのECサイト分析、レコメンドシナリオ作成や大手鉄道企業、大手金融企業のMA運用、データ連携、シナリオ作成等に従事するなど、大手企業が目指すデジタルトランスフォーメーション問題に精通。2017年よりメンバーズ データドリブンマーケティングユニットを立ち上げる。きれいなPDCA運用をどう大手企業のマーケティングで実現するか、日々奔走中!