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マーケティングオートメーション導入と運用の壁編/大企業のMA活用講座

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前回のコラムでは「大企業が抱えるデータドリブンマーケティングの問題点」についてご紹介しました)。第2回となる本コラムでは、MA(マーケティングオートメーション)(※1)を導入する際のポイントについてご説明していきます。

(※1)マーケティングオートメーション:MAとは、顧客一人ひとりの興味関心に応じたコミュニケーションを実現することで顧客との長期的な関係を構築することができるプラットフォームです。出典:マーケティングオートメーション(MA)とは

マーケティングオートメーション導入と運用の壁編/大企業のMA活用講座

●●●目次●●●
1.MAの導入段階での問題点
2.MAの運用段階での問題点
3.失敗しない!3つのポイント

MA(マーケティングオートメーション)の導入段階での問題点

MAといえば、Salesforceやマルケト(Marketo)などに代表される”メール配信”というイメージが多いと思います。

それ以外には、自社サイトにアクセスしたユーザーの行動から、そのユーザーに適切と思われるコンテンツを出し分ける「Rtoaster」などに代表される”レコメンド”や、顧客体験の最適化を図るプラットフォームとして知られる「Karte」などのように、本来でいえば、企業側の内部施策の自動化ができるようなものになります。

MA導入の目的とは、企業側のマーケティング目標に向かって、自動化&効果最大化を目指すものです。具体的にはカスタマージャーニーを設計して、個々のユーザーの反応・行動に応じた訴求を行うことにあります。

まず「目的」ありきで、設定した「目的」のために、どのような内部施策を行うか、を検討することが最初にあるべきですが、実際は「どのツールがいいか」といったツールばかりを意識してしまうことが多いです。

しかも、それが会社全体ではなく、部門ごとにそのような視点で考える人が多いため、社内に数多くのツールが存在してしまい、使いきれていない実態を垣間見ることも多いのが現状です。

大企業の場合、組織が縦割りということと、ツール選びをある一定の人たちに任せてしまうことが多いため、このような状況になることが多いのですが、巷のデジタルトランスフォーメーションに関する本が多いことも考えると、これではまずいと考える経営者も多いのではないでしょうか。

だからこそ、そのような本が出版され、売れているのであるから、それは救いのように思えます。

MA(マーケティングオートメーション)の運用段階での問題点

<MA導入を行うに当たって>
MAの導入をした後、実際の運用ができずに、運用依頼の連絡が多くの事業会社から来る。これはMAに限ったことではなく、Google AnalyticsやAdobe Analytics等の分析ツールの導入においても同様のケースが発生しています。

導入時における企業側の担当者が、ベンダーと共に実装をし、導入時は良くても、(あるいは運用以前は良くても、)担当者の異動が発生してしまうことや、または運用フェーズに進んだ段階で、「使い勝手が悪い」という評価をされているという話を聞く機会もよくあります。

これは「どのような分析をするために、分析ツールを使うのか」といった「導入後の運用に関する議論」がされずに、中途半端な導入を行ってしまったためです。

MAも同様で、ベンダー任せで進めると、他社で進めた事例を元に導入を進めてしまうことが多いです。自社固有の要件に沿った導入にならないこともあるため、実際にどう使えばいいか担当者が理解できないことや、操作が面倒で使わなくなってしまう事例も数多くあります。

一部の無料分析ツールを除き、ITツールは、どれも毎月定常金額が発生するもので、どのように使っていくか考えて購入しないと「無駄なものを買ってしまった!」と後々、後悔することになる。
さて、ではどう導入を進めるべきか。これは言うまでもなく、導入後にどう使っていくか実際のシナリオを数多く作り、導入と並行して進めることです。

導入ベンダーは、ある程度のデータを入れ込み、使える状態にして納品すれば終了です。「あまり面倒なことはしたくない」というのが実は本音なのです。またITベンダー自体も世の中のニーズの高まりを受け、多くの依頼により業務が増えています。

中途採用をかなり増やしていますが、アサインされたスタッフのスキルのばらつきも顕在化しています。
では、どうベンダーの良し悪しを判断するか、は非常に難しい部分です。

前回のコラムでも書いたように、データ連携プロジェクトの経験がどのくらいあるかは1つの指標です。単一のツールを導入した企業は、だいぶ増えてきているように思いますが、データ連携が必要なプロジェクトに関しては、1つのツールの仕様だけを理解すればいいのではなく、データの受け渡しやその連携のデータ量や処理時間など、多くのことを考え、ビジネス要件を満たさなければなりません。

そのため、やはり簡単にはいかない。簡単に言ってしまえば、いわゆる「理系×文系」の人、ビジネスもわかりITもわかる人が、かなり求められています。ただそのような人は希少であるのは言うまでもありません。

メンバーズは私を含め、理系ではなく、文系の人が多いので、ITの専門知識より、ビジネス知識を理解する人の方が多いのですが、世間の人材事情を鑑みても、このような文系の人たちが、ITの知識を増やしていくことが求められているように思えます。

<運用を進めるに当たって>

導入後に運用を進めるに当たってどのように壁を乗り越えるか。言うまでもなく、導入前からどう運用していくかを考えて、導入を行うべきです。

しかし企業側が何をどこまで行い、ベンダー側が何をどこまで行うのか、スコープを考えて進むケースは少ないように思えます。ここで言うベンダーが導入ベンダーなのか、運用ベンダーなのかは、かなり重要なポイントです。

前記したように、導入ベンダーは設定して納品して終了のため、運用ベンダーを正しく配置、体制構築できるかが肝になります。企業側はたいていMA導入は初めてのことで、手馴れた運用ベンダーも少ないです。そのため導入ベンダーは、企業側が正しく運用できるような道筋を作ってあげるのが、本来求められるべき丁寧な仕事だと思います。

しかし導入ベンダーは、非常に多忙なため、アサインした現場スタッフにまかせっきりの場合も多く、企業から伝えられた要件以上の仕事をすることはありません。「聞かれたら答える」といったスタンスになってしまっていることが多いのです。そのため、企業側が運用フェーズで困難に直面するのは言うまでもない状況です。

企業側が正しく未来を見据え、MAをどう活用していくか、をきちんと考えられる人を据えるか、または手馴れた運用ベンダーを探せるか、が成功の鍵のように思えます。私はその運用ベンダー側の当人ですが、運用ベンダー側においても、手馴れた状況まで経験したことのある人はまだ一部で、大半が未経験者というのが実情です。

ではどうすべきなのでしょうか?MAのインプリや運用で培った経験をこのような場や、実際の新しい提案の機会でお披露目していくしかないのが実情ですが、メンバーズに関しては、数多くの若者をMAの現場に立たせ、考える機会を用意しています。もちろん学ぶ場も充実させ、研鑽させています。

話は戻りますが、MAを入れる目的は、企業側のマーケティング目標に向かって、自動化&効果最大化を目指すものであり、そのためには、KGI、KPIはもちろん必要です。そのための大まかな施策案は企業側が考えるものです。

ベンダーから提案は受けても、最終的に決めるのは企業側です。企業側が、MAとは、を適切に考えることから始まることは言うまでもありません。

失敗しない3つのポイント!

1.導入時に運用設計を十分に考慮する
2.MAの運用体制を構築する
3.専門人材を獲得し配置する

大企業のMA活用講座(全3回)

【第1回】「データがない!」なぜ上手くいかない?
【第2回】マーケティングオートメーション導入と運用の壁編※本記事

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コラム執筆

福島 信(ふくしま まこと)

福島 信(ふくしま まこと)

大手広告代理店、大手ネットメディアレップを経て、2017年メンバーズ入社。
大手家電メーカーのECサイト分析、レコメンドシナリオ作成や大手鉄道企業、大手金融企業のMA運用、データ連携、シナリオ作成等に従事するなど、大手企業が目指すデジタルトランスフォーメーション問題に精通。2017年よりメンバーズ データドリブンマーケティングユニットを立ち上げる。きれいなPDCA運用をどう大手企業のマーケティングで実現するか、日々奔走中!