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【セミナーレポート】SMBC信託銀行が取り組んだ”顧客体験ファースト”のサイトリニューアル(3)

メンバーズでは、企業のデジタルマーケティングご担当者さま向けに、オウンドメディアやデジタルマーケティングの研修をはじめ、最新事例やトレンドを盛り込んだセミナーを随時開催しています。

2018年11月8日(木)に開催したセミナーでは、SMBC信託銀行さまにご登壇いただき、サイトリニューアルプロジェクトの全容や成果、プロジェクト成功のポイントについて講演とパネルディスカッションを交えて、お届けいたしました。

本レポートでは、アンケートでもご好評いただいた第2部のパネルディスカッションについて、トーク内容の後編をレポートいたします。第1部に関しては第1回レポート、パネルディスカッションの前半については第2回レポートをご覧ください。

第1回レポートはこちら>

第2回レポートはこちら>

 

パネルディスカッション:5つのキーワードから紐解くサイトリニューアル成功のカギ

【講師】株式会社SMBC信託銀行 デジタル・バンキング部長 中野 浩一氏
株式会社SMBC信託銀行 デジタル・バンキング部 シニアマネージャー 酒井 俊祐氏
株式会社メンバーズ マネージャー 兼 PMO専門クリエイティブマネージャー 澤田 雅城
株式会社メンバーズ クリエイティブディレクター兼アートディレクター 錦織 愛
司会:株式会社メンバーズ 執行役員 ビジネス開発担当 神尾 武志

 

仙台合宿を通じて、クライアント・ベンダーを超えたパートナーとしての関係に

●澤田: プロジェクトが経つ中で、目の前の業務に追われる状況が両社でありました。また、細かい情報連携や認識齟齬の課題があり、1つずつはクリティカルではないですが、このまま放置すると大きな問題を引き起こす可能性がありました。その後には受入工程の開始や移行判定という山場を控えていたので、このままの状況を迎えるのは厳しいだろうと。そこで、両社過密スケジュールの中、弊社の制作拠点がある仙台で合宿を強行したんです。

合宿では、4つのことをしました。1つ目が、提案書&プロジェクト計画書の読み合わせです。改めて、当初どのようなことを目指しプロジェクトが始まったのかを再確認しました。

2つ目が、KPT法を取り入れたプロジェクトの振り返り。3つ目は、今後の実行施策の検討をしました。出てきた課題に優先順位をつけて、いつだれが主幹でやるかということを整理しました。最後4つ目に、オフィスツアーをしました。東京と仙台でテレビ会議を通して常に連携している状況を見ていただけることで多少ご安心いただけたのかなと。日帰りではありましたが、非常に濃い合宿だったと思います。

●神尾:実際にこういったことをやるのは珍しいのですが、効果はありましたか?

●中野氏:合宿でユニークだと思ったことは、お互いにクライアント・ベンダー関係なしに対等にディスカッションしたことです。「相手のここが良くない」ということをオープンに言い合いました。メンバーズさんから、「こういった依頼があり業務が切迫している」といったことを我々の判断でやめさせるといった解決もできました。

●酒井氏:時間も頭数も大規模なプロジェクトだからといえばそうですが、進んでいくほどどうしても局所最適になってしまうことが多かったので、どこに向かうべきなのかという大きなマイルストーンから整理できたのが良かったと思います。

●中野氏:時間がない時こそこういったオフサイトが非常に重要にあったと思います。

 

▼仙台合宿内でのオフィスツアーの様子

 

 

プロジェクトの山場を乗り越えるカギは、流動的なリソース

●中野氏:大型のシステム統合プロジェクトでは「システム移行判定」と呼ばれるプロジェクトの進捗具合を当局に報告する必要があり、ホームページのリニューアルもその進捗報告に含まれていました。従ってスケジュール遅延は許されない状況でした。結果は、1回目→○に近い△、2回目→○、3回目→○といた結果でした。特に2回目と3回目は仙台合宿が功を奏したのかスケジュールを前倒しで完了する事が出来ました。

●澤田:開発と移行判定があるというところで、我々もリソースが切迫しており、信託さまもリソースが足りていないと伺っていました。この状態が続いてしまうとスケジュール的に厳しいかもしれないと。

そこで、①信託さまのWebリニューアルにまつわる業務を少しでも巻き取る・②プロジェクトメンバーの1人としてやっていた上野というスタッフを信託さま側に常駐させていただく形を提案しました。

●酒井氏:課題感は澤田さんがおっしゃったとおりだったのですが、ただ人を入れて果たして状況がよくなるのかという不安はありました。結論効果は大きかったと思っています。

ポイントは2つあって、1つ目は格段にコミュニケーションのスピードがあがったことです。話せば解決することを課題管理表に書いて定例まで待つ時間さえもったいない状況だったので、メンバーズの方が1人いるだけで、どんどん課題を積み残さずその場で解決する体制が良かったです。

2つ目が、常駐した上野さんが頑張った点なのですが、積極的に行内のプロセスや進捗を細かいレベルで把握して、晴海や仙台の皆さんに連携いただいたことです。行員が説明しなくても情報共有が既にされており、定例会が課題を解決するところから始められるので全体の効率が向上する、という点が良かったと思います。

●神尾:とりまとめる・キャッチアップするということがボトルネックになることが、こういったプロェクトでは多いと思います。新しいメンバーを入れるのではなくて、もともとのプロジェクトメンバーを捻出して常駐させていただいたということもポイントでしたね。

 

 

公開後の成果について

●神尾:そんな移行判定を経ていよいよ公開ですね。その時の気持ちはいかがでしたか?

●酒井氏:実際に触っていくほど意図通りだったなという点と「ここは今後こうしていこう」という新たな課題があったと思います。課題は積み残しということではなく、今までの行員目線のサイトをきれいにした上でさらにブラッシュアップするために何が必要かというフィルタリングがきちんとできているなと実感しました。

●神尾:公開後の反響はいかがだったでしょうか?

●中野氏:いろいろお声をいただきました。特にうれしかったのが、シティ銀行時代の外国人の同僚から、「新しいサイトは分かりやすく、使いやすい」 といった良い反応を頂いた事です。当行は外国人のお客さまが数多くいらっしゃるので、きちんと日本語と英語をサポートする対応を行っており、シティの同僚からのポジティブな評価は良かったです。

●酒井氏:数値的な成果も出ていました。1・2つ目はホームページ単体の指標、3・4つ目がビジネスゴールにどうつながったかの指標でリニューアル前後を比較してみました。

1つ目はセッション数。明確にあがり特にスマホ化したことでモバイルの伸長率1.27倍と高くなりました。2つ目が自然検索流入数ですが、1.7倍になりました。やったことはSEOの基本的なことばかりなのですが、それをきっちりやりきってもらったことで良かったなと思います。

3つ目がオンラインで口座開設訪問数もモバイルで1.3倍に増えました。また、インターネットバンキングのログイン数も伸びました。公開前はモバイルバンキングへの導線が良くなかったのですが、ご対応いただいたことで1.8倍に伸ばすことができました。

ここで大切なのが、ホームページ単体の数字が上がって良かったで終わらない点です。どんなプロジェクトでも「何のためにやっていたのか」がぶれることがあると思うのですが、ホームページの改修はただホームページが良くなればいいというものではないので、ビジネスゴールまで成果が出たということが非常に良かったと思います。

 

 

リニューアルをご検討中の皆さまへ

●神尾:最後にこれからリニューアルを検討している方にむけて、アドバイスやポイントを中野さま・酒井さまよりお願いします。

●中野氏:3点ほど頭の中に常に入れたほうがいいなと思うことがあります。1つ目が、クライアント側の課題を把握し、その課題をきちんとベンダーさん伝え一緒に解決していく取り組み。新しいホームページのトップページでは、マーケット情報を前面に出しています。要件定義の際は、商品・サービス・キャンペーン情報じゃなくて良いのかといった意見もありましたが、トップページへの流入課題を共有し、その課題を伝える事でトップページの新デザイン(課題解決)につながりました。

2つ目は、クライアント・ベンダーの垣根を越え一つのチームとして取り組んでいくということです。3つ目は、アジャイル的な取り組みです。リソースも含め何事も流動的に対応できる体制を作り、クライアント側も変化を楽しみながらプロジェクトを進める事がよいと思います。

●酒井氏:とにかく触って確認したほうがいいということですね。実際公開されるまで動くものをみる機会がなかったりするのですが、途中で触ってみておかしな点があれば、どういった意図があるのか確認することが大事だなと思います。1人が思うということは誰かが引っ掛かりを感じる可能性があるので。そういった観点を持つことが顧客視点のはじまりだと思います。

また、リニューアルを迎えた日がゴールではないということです。リニューアルした時点でKPIをみてうまくいった点、いっていない点を改善していくことが重要だと思っています。

●神尾:最後に今後の抱負を教えてください。

●中野氏:ホームページはインターネット上での会社の看板です。従ってオンラインから有人チャネル(支店やコールセンター)への誘導・送客を増強させる施策は重要だと考えます。またMarketing Automation施策も必要です。今回システム統合のタイミングでセールフォースを導入したのですが、広告 → ホームページ → オンラインバンキングやソーシャルまで、顧客体験全体の向上に注力していきたいです。SMBCグループでは、セールスフォース製品の導入を進めておりますので、グループレベルでの連携も実施したいと思います。

 


 

以上、第2部パネルディスカッションのセミナーレポートの後編をお送りしました。

今後もメンバーズでは、オウンドメディアやデジタルマーケティングの研修、最新事例やトレンドを盛り込んだセミナーを開催して参ります。

 

 

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カテゴリ: Webリニューアル
2018年12月27日