1. ホーム
  2. コラム
  3. 「データがない!」なぜ上手くいかない?大企業のMA(マーケティングオートメーション)活用講座

「データがない!」なぜ上手くいかない?大企業のMA(マーケティングオートメーション)活用講座

はじめまして、メンバーズでデータドリブンマーケティングを担当している福島です。
早速ですが、みなさんこんなお悩み聞いたことありませんか?
 

『MA(マーケティングオートメーション)を入れたけれど、いざ使おうとしたら必要なデータが思うように作れない』
 
『きちんとデータベースにデータが蓄積されていると思ったら、実際はなかった』
 
 

多くの企業がビジネス成果向上のために、自社が持つ多くのデータをマーケティングへ活用する動きが活発化しています。なかでもデータの整理による新しい示唆の獲得や顧客へのアプローチの機会創出などを想定したSalesforceなどを代表とするMAツールの導入が進んでいます。
 
一方で、MAツールを導入しただけではビジネス成果につながるマーケティング活用までの道のりは遠く、あるべきツール活用に関してお悩みの声も耳にします。
 
そこで、本コラムではこれまで私がプロジェクトに携わってきた経験を基に、なぜ大企業のMAツール活用は上手くいかないのか、具体的な事例と活用のポイントについて全3回にわたってご紹介してまいります。

             

大企業が抱えるデータドリブンマーケティングの問題点

コラム1回目の今回は、私がメンバーズのデータドリブンマーケティングユニットで、いくつかの案件に携わったなかで実感した、企業がデータドリブンマーケティングを実践するために必要なこと、問題点をお伝えしたいと思います。

 

●●●目次●●●
1.そもそも測れていない? データ活用の根本原因とは
2.データを”どう捉え”分析するか
3.データサイエンティストさえいれば問題解決・・・?

 

そもそも測れていない? データ活用の根本原因とは

みなさん、マーケティングに活用できる自社のあらゆるデータが”当然正しく計測されている”と思っていませんか?
データを活用するためには、まずKPI、KGIを明確にする必要があります。(オンラインでコンバージョンページがあるかどうかにもよります)
 
しかし、たとえ明確にKPIを定めていたとしても、そのKPIを正しく測れるかどうかは別問題なのです。実際に私が携わった案件のみで考えても、下記のような問題がありました。

  • 過去のPOSデータや施策データが整理されておらず、必要なデータが揃っていない
  • タグが誤っている/計測が部分的/CV(コンバージョン)が外部ページ/UTM(パラメータ)設定が正しくない/デバイス横断で計測できない/eコマース設定がされていない…などなど、仮にデータを取れる状態にあっても、データが虫食い状態であったり、ツールもばらばらで連携できる状態にない
  •  

    これらの問題が散見される大きな原因が、企業におけるデータの「分散」です。
    複数のデータを連携させようとした場合、営業チーム、分析チーム、システムチーム等、それらのデータが多くの組織の管轄下に細分化されているため、それぞれが必要とする形のデータ計測に留まってしまい、いざ連携しようとすると思うようにできないことが多く、特に大企業はこの傾向が顕著なのです。

    このような場合、レコメンドやMAのスコアリング設定、プライベートDMP(データマネジメントプラットフォーム)設計を行うことも当然一苦労であり、データを有効に活用してデジタル変革を促そう!と思っても、いざ取り組み始めると想定以上の期間を要するため、アマゾンや楽天などIT事業社に10年以上の遅れを取ることになってしまいます。
     
    大企業の中では、先駆的であるユニクロのファーストリテイリング柳井会長は、「競合はグーグルやアマゾンになる」とお話されていますが、オンラインではデジタルチラシ訴求を超える試みができていない状況でもあり、やはりトップダウンでデジタル変革を促さない限り、大企業の縦割り型組織を崩すのは並大抵ではないことが、よくわかった最近の状況といえます。
    (※先日ファーストリテイリング社はグーグルとの業務提携を発表)

     

    実際にあった『データがない!』現場エピソード(1)

    某大手メーカーA社さまと「WebサイトのアクセスデータとPOSデータの相関関係を詳細に出してみよう」と決まりました。ところが、いざデータをつき合わせようとしたところ、過去のPOSデータを出力自体に一苦労...
     
    なぜならPOSデータそのものが製品カテゴリーなどの分類でのデータの整理できていなかったのです。
    結局、分析期間に限りがあったため、少ないデータのみでの相関関係を出すのみになってしまいました。

     

    実際にあった『データがない!』現場エピソード(2)

    某大手金融会社B社さまで、データドリブンマーケティングを実践する際に、過去に外部の専門業者に依頼し設定されたアクセスデータを元に検証しようとしました。ところが私たちに実際に提供されたデータを見てみると、「あれ?アクセス数が想定よりもとても少ない???」
     
    詳しく確認したところ、設定されたデータはWebサイト全体のアクセス数ではなくて新規のアクセス数のみになっていたことが判明!当時の外部の専門業者にはすでに確認も取れず、致し方なく私たちの分かる範囲で修正・検証を行いました。

     

    データを”どう捉え”分析するか

    データドリブンマーケティングを実践するのだから「分析」の要素は不可欠です。
    さて、正しく計測されたデータさえあれば簡単に分析もできるでしょうか?いえいえ、実はここにもうっかりすると時間を無駄にしてしまう可能性があります。
     
    なぜなら「ビックデータ」と呼ばれているように、企業の持つデータは無数にあり、どのデータをどう活用し、何を分析するかをまずきちんと考えなければならないからです。
     
    たとえば自社のECサイトのアクセスデータを見てみるとしましょう。
    千葉県の40代の女性が、とある勉強机を日中スマホから複数回アクセスしているデータを見つけました。
    ここで5W1H(WHO、WHAT、WHEN、WHERE、HOW)をあらためて当てはめてみます。
     
    40代の女性(WHO)/勉強机(WHAT)/日中(WHEN)/千葉県(WHERE)/スマホ(HOW)
     
    5W1Hの分析で、このように情報を整理することができました。
    ここでのWHOは「属性データ」、WHEN、HOWなどは「行動データ」と呼ばれて、WHEN、HOWもきっかけや行動を深堀し、属性に加えていくことにはなりますが、それにいくつかのデータをどう加えていくかを考察することが最も重要なポイントです。
    最後は何故購入したのか(WHY)という仮説を作り、とことん検証する必要があります。
     
    上記の例で仮説のWHYを考えた場合、「日中に勉強机のページをスマホからアクセスしている40代の女性」という5W1Hのデータ情報から、「このユーザーは日中に比較的時間が取れることからフルタイムではないパート勤務者または専業主婦で、該当ページへのアクセスは、近い将来自分の子どもが使う勉強机を探しているのではないか」という仮説を組み立てることができます。
    たとえばこんな仮説を立てることができたら、次は立てた仮説の検証のため、該当の商品ページの訴求方法でA/Bテストなどができそうです!
     
    つまりデータが大量にあったとしても、どのようなデータをどのようにつなぎ合わせるか、だけではなく、何故(WHY)を分析し、洞察し、分析・施策をパターン化する必要があるのです。

     

    実際にあった『正しく分析ができていない?』現場エピソード(3)

    某大手金融会社C社さまでは、顧客向けに配信しているメールマガジンで、プロダクトプッシュで商品情報をメールで送り、クリック率とメール解約率といった場当たり的な分析に終始していました。
     
    KPIが設定されていれば、どういう効果を見込んで、誰に(WHO)、なにを(WHAT)、いつ(WHEN)、どこで(WHERE)、どうやって(HOW)配信するのかを明確に設定してから配信し、その結果が仮説通りか、または差分があるのかを見定めなければ正しい分析にはならないのです。

     

    データサイエンティストさえいれば問題解決・・・?

    これまでご紹介した課題を解決するために、よく名前があがる職種が「データサイエンティスト」です。
     
    ところが、データサイエンティストと一口に言っても実はとても幅が広いのです。ツールの仕様も異なるため、そのサイエンティストがどのようなツールを使いどのような手法でどのようなデータ連携をした経験があるのかをきちんと確かめないと、今後運用する上で役に立たないシステムやツールの実装をされてしまうこともあり注意が必要です。
     
    これまでに携わったいくつかのプロジェクトでも、残念ながら上記のような事象で実践したかった施策のためのデータ活用のその手前で苦戦する企業さまに数多く出会いました。

    データ基盤の構築をするためには、「正しい分析→ビジネス要件整理、確認」した上で進める必要があるというのは当たり前の話のように思いませんか?ですが、構築をITやシステムセクションが、運用を営業セクション等がそれぞれに行っている場合、この当たり前がなかなか実施できないのが大企業の実情と言えそうです。
     
    具体的な話は、次回「 大企業から相談の多いMA(マーケティングオートメーション)」回でフォーカスしてご紹介したいと思います。

    関連サービス


    デジタルマーケティング施策を最適化するためのマーケティングツールの活用を支援

    コラム執筆

    福島 信(ふくしま まこと)

    福島 信(ふくしま まこと)

    大手広告代理店、大手ネットメディアレップを経て、2017年メンバーズ入社。
    大手家電メーカーのECサイト分析、レコメンドシナリオ作成や大手鉄道企業、大手金融企業のMA運用、データ連携、シナリオ作成等に従事するなど、大手企業が目指すデジタルトランスフォーメーション問題に精通。2017年よりメンバーズ データドリブンマーケティングユニットを立ち上げる。きれいなPDCA運用をどう大手企業のマーケティングで実現するか、日々奔走中!

    RSS