1. ホーム
  2. コラム
  3. 【訪日外国人インタビュー第1回】あなたは何しにこの街へ?丸の内、皇居編(インバウンドマーケティング)

【訪日外国人インタビュー第1回】あなたは何しにこの街へ?丸の内、皇居編(インバウンドマーケティング)

こんにちは、沼田@北京です。

北京は、マイナス気温が続きとても寒いです。

株式会社メンバーズのインバウンドビジネス研究所では、訪日外国人インタビューを定期的に行っています。
「なぜこの街を訪れたのか」「何で情報を得たのか」など、生の声を聞くことで新たな気付きを得ています。

今回ご紹介する第1回は、東京の玄関”丸の内”です!
さて、丸の内にはどんな旅行者の方々がいらっしゃるのでしょうか。

目次
■1. まずは調査データを見てみる
■2. 丸の内での、訪日外国人インタビュー
■3. 調査結果から考える、丸の内誘客方法

インタビュー日:12月某日 14時~16時 9組19名の方々にインタビューしてきました。


1. まずは調査データを見てみる

インタビュー前に、まずは丸の内の調査データを見てみましょう。

東京の訪れた街ランキング

東京周辺・丸の内・日本橋エリアの訪問ランキング

・丸の内エリア(※1)は全体6位です。
1位は新宿・新大久保、2位は銀座、3位は浅草となっています。

※1 丸の内エリア・・東京駅周辺/丸の内/日本橋エリア

東京の各国別訪れた街ランキング(複数回答)

東京周辺・丸の内・日本橋エリアの各国別訪問ランキング

丸の内エリアは、
・米国1位、英国2位、ドイツ5位など・・・各国別の訪問割合は4.5割~5.5割(欧米圏)
・中国5位、タイ7位、台湾6位など・・・各国別の訪問割合は3.5割~4.5割(東アジア・東南アジア圏)

東アジア・東南アジア圏は、欧米圏と比較すると、丸の内エリアに訪れる割合が少ないようです。

では各国の方々が街に求めていることは何でしょうか。訪都中の行動を見てみましょう。

訪都中に行った活動

東京周辺・丸の内・日本橋エリアの活動ランキング

・全体 1位日本食を楽しむ 2位ショッピング 3位街歩き 4位歴史的伝統的な景観・寺神社・日本庭園という結果です。

国別の、訪都中に行った活動

東京周辺・丸の内・日本橋エリアの各国別活動ランキング

国別の上位をみると、
米国・・・日本食を楽しむ 街歩き ショッピング68.7% 歴史的・伝統的な景観・寺神社・日本庭園
英国 ・・・日本食を楽しむ 街歩き ショッピング72.2% 歴史的・伝統的な景観・寺神社・日本庭園
ドイツ・・・日本食を楽しむ 街歩き  歴史的・伝統的な景観・寺神社・日本庭園 ショッピング57.0%
中国・・・日本食を楽しむ ショッピング90.6% 街歩き 歴史的・伝統的な景観・寺神社・日本庭園
タイ・・・ショッピング91.4% 日本食を楽しむ 街歩き 歴史的・伝統的な景観・寺神社・日本庭園
台湾・・・日本食を楽しむ 街歩き ショッピング84.0% 歴史的・伝統的な景観・寺神社・日本庭園
(他の東アジア・東南アジア国のショッピングは、香港92.3%、シンガポール85.1%、マレーシア90.2% 韓国は55.8%と例外)

いずれの国も「日本食を楽しむ」や「街歩き」の割合は高いですが、「ショッピング」は東アジア・東南アジア圏の方が欧米圏よりも優先項目とする傾向のようです。
「ショッピング」を重視するといった訪都中の行動は、丸の内に関係しているのでしょうか。

最後に、行った場所別の満足度を見てみると

東京で訪問して一番満足した場所で行った活動

東京都 訪問して一番満足した場所

丸の内エリアは、訪問数上位エリアと比較すると
・「歴史的/伝統的な景観/寺神社・日本庭園」で満足した割合が高い
・「ショッピング」で満足した割合は低い
という特徴がありました。(浅草は例外)

●歴史的/伝統的な景観/寺神社・日本庭園を選択した割合
新宿/大久保1.4%、銀座0.7%、浅草66.2 %、渋谷0.4%、秋葉原0.6%、丸の内15.0%(訪問上位順)
●ショッピングを選択した割合
新宿/大久保44.1%、銀座62.7%、浅草7.2 %、渋谷42.4%、秋葉原58.1%、丸の内12.3%(訪問上位順)

まとめますと、以下のようになっています。

1. 東京の各国別訪れた街ランキング
・・・丸の内に訪れた国別割合は、欧米圏>東アジア・東南アジア圏
2. 国別の、訪都中に行った活動
・・・ショッピングを重視する傾向は、東アジア・東南アジア圏>欧米圏
3. 東京で訪問して一番満足した場所で行った活動
・・・丸の内エリアにおける満足割合は、歴史景観・寺神社・庭園などで高く、ショッピングで低い。

以上、調査データを踏まえると、

ショッピングをしたい東アジア・東南アジアの方々にとっては
・『丸の内は魅力が十分でない』 ので訪れない。

また「訪日前の段階で、ショッピング目的に丸の内訪問しよう」と計画していないので、
結果ショッピング自体を行わず、満足と評価していない。と考えると
・『魅力あるショッピングをできることが理解、認知されていない』 とも言えるかもしれません。

 

※浅草は例外で、「ショッピング」で満足とされる割合は低いですが、「歴史的/伝統的な景観/寺神社・日本庭園」の満足割合がとても高い(訪れるべきエリアとして抜群の人気がある)からか、東アジア・東南アジアの方も多く訪れています。
丸の内も「歴史的/伝統的な景観/寺神社・日本庭園」の満足度を更に高める工夫も大切だと思いますが、浅草のように突き抜けて高い満足度を出すのは、現存する建築物などにも依存するためハードルが高そうです。

 

さて、ここからが本題のインタビューです。


2. 丸の内での、訪日外国人インタビュー

最初に結果がこちら

丸の内、皇居訪日外国人インタビュー結果

いくつかインタビューエピソードをご紹介します。

エピソード1 【UAEの富裕層】

皇居出口で出会ったのは中東の方々らしき男性2人組でした。
話を伺うと、UAEから初来日し、1週間程の滞在で東京と富士山を回ったとのこと。関西にも行きたかったが遠いと感じ、片方の男性が嫌がり断念したそうです。(揉めたそうです…。)

『皇居は大変素晴らしく感動した。』
と仰っていましたが、丸の内の名前は知らず、代わりに「千代田区」という地名を知っていました。

驚いたのは、
滞在中は「ペニンシュラ」「マンダリンホテル」などの高級ホテルを転々とし、各ホテルを味わっていること…。

行き先はホテルのコンシェルジュにおすすめを聞いて選んでいるそうです。また富裕層は旅行をオーダーメイドしているイメージがありましたが、旅行直前にGoogle検索である程度は自分で調べると仰ってました。

『この後、Instagramに皇居写真をアップするんだ。』と言い残し、気さくな彼らはUberで次の地へと去って行きました。

エピソード2【カナダのご年配男性】

丸ビルの外からショーウィンドウを眺めている50~60代男性に声をかけてみました。
男性はカナダのトロント在住で、浅草の友人に会いに来ていました。丸ビルで和食ランチを食べてきたそうです。

日頃使うSNSはFacebook、今回の旅行はExpediaで予約したとのこと。

来日回数は多く、丸の内にも度々足を運んでいる男性は、
『丸の内の名前は知っているし、好きな映画の舞台なんだよね』
と良い印象を持っておられました。

今回のインタビューで唯一「丸の内」の名前を知っていた方でした。

エピソード3 【中国人親子】

夜になりイルミネーションが点灯した丸の内仲通りを歩いていると、通りの屋台を眺めている中国人親子を発見しました。親子は20代の娘と40代~50代母、娘は何度か訪れているが母は初めての来日、ぴったり寄り添って歩いていました。

『古い街並みを期待してきたが、東京駅以外はモダンでがっかりしたよ。』と残念そうに仰っていました。

娘はハイアットホテルの会員で、ポイントを使って母と泊まっており、丸の内は「Tokyo Map」というガイドブックと、Google mapをつかって調べて来たそうです。
日頃使うSNSは、WeChatらしいです。

『これから有楽町のビックカメラに行って買い物するんだ。』
と、親子は有楽町へ歩いていけることを知っており、皇居・丸の内は近いこともあり、観光に選んだとの事でした。

他にもツアーで訪れているスポーツ選手、姉弟(弟は僧侶)など、多様な訪日観光客にインタビューする事ができました。

【インタビューからわかったこと】

  • ・エリアに訪れている理由のほとんどが皇居目的
  • ・「丸の内」という地名は認識されていない
  • ・初回訪問者が多い
  • ・日頃使っているSNSはFacebookやInstagram。中国の方はWeChat。
  • ・訪日前、大体の行き先を決めた後はSNSではなく、ガイドブックや検索エンジンを利用する
  • ・訪日中はガイドブックやホテルで情報を収集する
  • ・有楽町・銀座エリアが徒歩圏内と知っている方がいた

【街を歩いて気づいたこと】

  • ・皇居から東京駅の直線上に人が多かった
  • ・皇居前の和田倉噴水公園広場に外国人が多く、写真を沢山とっていた
  • ・夜のイルミネーションになると、街歩きの人が増えた


3. 調査結果から考える、丸の内誘客方法

●調査データからの仮説

ショッピングをしたい東アジア・東南アジア圏の方々にとっては、丸の内は魅力が十分でない、もしくは魅力あるショッピングをできることが理解、認知されていないかもしれない。

●インタビュー結果

皇居目的で訪れている方がほとんどで、丸の内は残念ながら名前を知らない方がほとんどだった。また旅行計画段階では、大きな候補先を決めた後は、検索エンジンや旅行サイト、ガイドブックを使っていた。

▼丸の内に誘客するには

調査データとインタビュー結果を踏まえ、丸の内エリアにもっと訪日外国人に来てもらうには、

  • 丸の内エリアには、皇居目的で訪れる方がほとんどで「丸の内」とは認識されていないため、街へ誘客するには皇居をフックに街の魅力を伝えていく。
  • 特に東アジア・東南アジア圏からの訪問者に対しては、ショッピングもできる街、またはショッピングができる有楽町や銀座へ歩いていける事を伝える。 例:ショッピング前に訪れるべき街
  • 訪日前、大きな行き先を決めた後の旅行予定者に対して、検索エンジン、旅行サイト、ガイドブックでPRをしていく。
  • また、日々の利用率が高い各種SNSを使い、訪問先候補になるよう、認知訴求することが必要。

以上、丸の内インタビュー調査でした!
次回のインタビュー調査もご期待ください。


■コラム執筆者

沼田周大(ぬまた しゅうだい)
インバウンド / グローバルマーケティング ユニット 上海担当。

インバウンドマーケティング・プロモーションサービス

メンバーズでは、日本企業のグローバルWeb展開やインバウンド(訪日外国人/外国人観光客)に向けたWeb・ソーシャルメディアプロモーションを一括してご支援します。

タグ:
カテゴリ: インバウンドマーケティング
2016年02月10日

RSS