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【一日目】参加レポート「Shared Value Leadership Summit 2014(シェアード・バリュー・リーダーシップ・サミット2014)」

CSVの年次総会であるShared Value Leadership Summit 2014(シェアード・バリュー・リーダーシップ・サミット2014) 初日参加を無事終えました。

主催者発表によると世界35カ国400人以上が会場のコンラッド・ニューヨーク・ホテルに集まっているそうです。

朝食付きの時間を含めてではありましたが、朝7時受付開始のため、5時起きでシャワーを浴びて、6時半に地下鉄に飛び乗り、911の跡地に建つコンラッドホテルへ向かいました。時差ボケもあり1時間毎に目が覚めていましたので、さほど眠気も感じず。

冒頭SVIのExecutive Director, Justin Bakule氏の開会挨拶。

「一言よろしいでしょうか。
今日から2日間、私達は合衆国金融の首都たるウォール街から遠くない、世界的な出来事の中心にいますが、社会におけるビジネスの役割について語るには、なんと刺激的な所でしょう。

このいつもどこにでも或るビジネスと社会の切るに切れない繋がりを、この場所ほど明らかに感じられる所は他において無いでしょう。(中略)価値共創について、今はどんなお気持ちでしょうか。楽観的、力が漲る、これまでにない初挑戦、孤独。…事業組織を本来あるべき方向へと変革してゆくこと、…我々の社会をあるべき姿へと変えることは、真っ直ぐな道のりではなく、指数関数的な力を必要とします。」

次いでCSV概念の提唱者マイケル・ポーター教授の基調講演が始まりました。

詳細は後ほどコラムにて紹介いたしますが、CSVとは「社会的なニーズと課題解決に取り組まんとする事業モデルそのもの」であり、「意義ある重要なことのみに注力する」ことで、「全ての企業が創り得る価値」と定義されました。

民間企業、政府、非営利団体(NPO)が組織の垣根を越えて協業して初めて成し遂げられる長期的な事業ゴールであることが繰り返し強調されました。

短期的な売上増や利益率向上のみを追求する組織が、長期的に繁栄を維持することはできず、サブプライム不況の発端となった米国の金融機関も含め、どんな組織も遠くない将来、CSV経営へと舵を切ることは避けらないだろう。

その後、ポーター教授が司会を務め、金融業界の代表によるパネルディスカッションへと入りました。

この先、金融機関が非金融事業を通じて直接的に共創価値を創ることは難しいとしても、少なくとも、CSVを是とせず短期的収益のみを追求し続ける「Economic Purist」企業に融資することは少なくなってゆくだろう、という合意が為されました。

午前2本目のパネルディスカッションでは、コカコーラ・ブラジルのコレクティーボ・プロジェクトの取り組みや、IBM社のSmarter Planet、ユニリーバ社のCSVブランディングなどの事例が担当トップマネジメントから直接紹介されました。

午後の部に入り、CSVを事業の中核に据える新興企業のストーリーが紹介されました。

建築用のコンクリート合成装置を販売するベンチャー企業が、何故CSVの先進企業となっているのでしょう。パキスタンや中東でシャベルを使って地面で手作業により混ぜ合わせて作られるコンクリート。

目が粗くなり、震災時に僅かな力でひび割れを起こし、建物全壊により圧死事故を頻発させているのだそうです。これに対し、地場の建築業者には高価な生コンミキサー車を購入するほどの資金力はなく、政府の協力も得ながら中小土建会社でも安価に導入できる生コン製造機がヒット商品となり、同社に飛躍的な成功をもたらしているとのこと。

このように社会的な問題を新規事業の機会と捉えることで、無限のビジネスチャンスが広がっており、かつ社会にとって良いこと、求められていることを営むことができるという好事例でした。

速報で初日の内容全てを御紹介することはできません。
プレゼンテーションされたにも関わらず社名に言及しなかった会社様や、私の拙いヒアリング力のせいで荒削りな解説になってしまった点などご容赦ください。帰国後、CSV連載コラムにてきちんとご紹介するつもりです。

最後に、本日の会議全体を通じて共通して感じられたことをお伝えしたいと思います。

「短期的なROI 回収」から「長期的な社会事業価値の形成」へのパラダイム・シフトが繰り返し、多数のプレゼンテーターから様々な表現で語られていました。

また単なる数字の成長や、PL/BSの拡張のみがプライベートセクターのゴールではないということ。数字に表れない無形価値の大切さに気付いたということ。
そして何よりも、米国のリーダーシップの下、企業の価値観や評価指標が変わり始めている、という実感を強く持ちました。

世界は本来あるべき方向を模索し、どんなに困難で時間がかかろうとも、より良い地球を築くべく、待った無しの変革に向けて動き始めているようです。

明日、Summit 二日目は日本を代表する先進CSV企業として、キリン株式会社の磯崎代表取締役が登壇されます。

その後、金融、健康、教育の分科会に分かれて3時間のワークショップ。楽しみです。

2014年5月13日(火)深夜 at Manhattan


■参加レポート一覧

■CSVコラム一覧

【第二回】CSV(Creating Shared Value)価値共創の定義と条件

【第三回】CSV(Creating Shared Value)の展開分野とCSV代表的事例(ネスレ社)

■統計・サイト解析コラム一覧

【第二回】統計・サイト解析コラム「デジタル・マーケターが陥るA/Bテストの罠」(2)

■コラム執筆者
株式会社エンゲージメント・ファースト
グループ長 兼 チーフ・エンゲージメント・ストラテジスト
統計士・データ解析士
渡辺 弘

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