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Social Good な企業とその取り組み #12:西武信用金庫<CSV、共創マーケティング>

数ある金融機関の中でもトップクラスの成長率と健全経営を誇る地域金融機関が、東京都中野区に本店を構える西武信用金庫。

3万人のネットワークによるお客さま支援センターのコンサルティング・サービス、地域まちづくりのための積極的なNPOへの融資の他、年齢による定年制の廃止等、ユニークかつ、Social Goodな取組みは、今、全国の注目を集めています。この度は、西武信用金庫 落合理事長にインタビューの機会を頂きました。

地域金融機関の社会的役割と使命とは? 是非ご覧下さい。

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エンゲージメント・ファーストでは、経済的価値と社会課題解決の両立を図るCSV(Creating Shared Value)や、秀逸でユニークなSocial Goodの取組みを行う企業や団体等の皆さまを Shared Value ベスト プラクティスとして表彰をさせて頂いています。今回は、西武信用金庫 様を対象に授与させて頂きました。

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<インタビューにご協力頂いた方>

西武信用金庫 理事長 落合 寛司 様

 

●西武信金さんは、ゼロ金利政策により金融機関としてなかなか利益が出にくい中、業績も好調です。地域金融機関として、先進的な取組みも進めています。

 

私たちは、人事制度や働き方の側面からも新しい取組みを進めています。

現在では、年齢による定年制も廃止していますので、定年の時期も職員自身が決めています。また、職員の適材適所や能力発揮のため、人事異動も極力自分で行うような体制を導入しています。しかし、そうした取り組みによって、職員の自主性を重要視していることから、職員一人ひとりは、企業の中で自分自身をきちんと確立しないといけない。トップの考えや業界の動向、企業の方向性を把握することがとても重要です。

また、4年前からは在宅勤務の取組みや、営業店舗の改革も進めています。最近の新しい店舗は、店内のバックヤードが見えない、つまり、窓口のテラーが数名カウンターにいますが、それ以外はお客さまからは一切見えない設計になっています。付加価値の高い仕事をするには、業務に集中することが必要と考えてこうした店舗作りをしています。

 

●業務内容を突き詰めて、店舗設計も変えているんですね。

 

現在、年間3、4の営業店舗の開設準備をしていますが、10年後には既存のような形態の店舗は全てを無くそうと思ってます。

デジタル化が進むことにより、金融機関の店舗の役割も変わると考えています。キャッシュレスが進めば、営業店事務の多くは不要になって、ペーパーレスになり、全ての電子化とデータ化が進みます。

私たちのお客様も法人顧客はキャッシュレスになっている。こうした変化が起きているのに、ほとんどの金融機関は対応できていないのが現状です。

 

●私たちも、社会課題をデジタルや本業で解決したいと常々考えていますが、西武信金さんが考える、現時点での大きな社会課題は何ですか?

 

最近の社会課題の一つに、マンションの建替えが挙げられます。

同じマンションの住民でも、高齢者と若いファミリー層では、年齢によって考え方が異なりますので、建替えようと思ってもなかなか進みません。3.11以降、私たちは、耐震やリノベーションの費用は、無担保無保証でマンション管理組合に貸し出しています。したがって、管理組合の理事長にも保証人は求めません。

 

●保証人も求めず、なぜ無担保で融資をするのですか?

 

同じマンションの住民でも建替えに対しては考え方は様々です。そこで建替えたい人は物件を売って他へ引っ越せばいいし、建替えず住み続けたい人は、リノベーションをして住み続ければいい。

そのために売りたい人が売りやすくする方法として、マンションの耐用年数を実質的(長く)評価しています。

一般的に、40~50年経ったマンションを購入する際、ローンを組むことは出来ませんが、私たちは、そうした古いマンションでも、30年ローンを組むことを可能としています。売りたい人には、購入者を探すことのお手伝いもしています。こうして、住宅の流動化を進めることはとても重要なんです。

木造住宅においても、アメリカでは、年間に流通する住宅の90%は中古です。アメリカの木造住宅のピークは築60年と言われていますが、リノベーションを重ねて価値を高めていく。一方で、日本では、中古物件が占める割合は、17%で、日本の木造住宅の耐用年数は22年でしかない。

日本では、10年も経つと、売ろうと思っても売れないし、取り壊すための費用が掛かるため、住み替えも出来ない。成長から成熟に時代が変化して何も変わっていません。

私たちは、こうした成熟時代を前提とした考えに基づいて融資をしていますが、他の金融機関と比べて、その伸びも非常に大きい。それを私たちは、お客様の元気度と呼んでいますが、これだけ融資を増やしても、延滞は少ないですし、不良債権の比率も下がっています。

※H30.3予想 不良債権比率 0.99%(都内信金不良債権比率平均 4.2%)

預貸率も、全ての金融機関の預貸率の平均は、49%ですが、私たちは現在84%です。この8年間に、貸出金も8000億円以上増えています。

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●他の信用金庫や金融機関は、なぜ同様のことが出来ないのですか?

 

頭では分かっていても、組織自体、変化に対応出来ていないからだと思います。

例えば、私たちの業務での検印はほとんどありません。手作業からシステム化が進めば、誤りも減る。システムよりも精度が低い人間がチェックすることは意味がないことと考えています。

 

●こうした様々な改革に取り組むのは、どういった事がきっかけですか?

 

約8年前位に、国内の金融機関は、数が多すぎるのではないかと言われ始めました。そうした時に、変化の時期だからこそ、社会に必要とされる金融機関に自らを変えていこうと考えました。

 

●どのような変革期と見ていますか?

 

現在の世の中の変化には、3つのポイントがあると考えています。

一つは、世界の経済の主役が、先進国から新興国へ変わったこと。このことは、高くても良いものであれば売れた時代から、安くないと売れない時代になった。そして、日本の製造業の生産拠点は、新興国に移って、国内の中小企業は疲弊しています。その結果デフレが進み、企業の収益力を落としています。日本国内の99%以上が中小企業で、その中小企業が、雇用の7割を担っている。だから中小企業か活性化しないと人件費も上がりません。

二つ目は、少子高齢化の進展により、成長経済から衰退経済に入ったこと。このことは税収不足となり地域格差を拡大して行く。

三つ目は、AIが産業界に影響を強めてきたこと。

AIの影響により営業マンや弁護士は、90%以上、税理士は98%が不要と言われている。また、医者も半分位は必要なくなると言われている。つまり、これまで人がやっていた仕事のほとんどは無くなっていくでしょう。

 

●取引先の企業でもそうしたAI等の変化は見られますか?

 

私たちのお取引先に、金型を一切持たない金型屋さんがいます。

たとえば、コーヒーカップをアルミで作ろうとする際、原材料や、素材の厚さ、カーブの角度等をインプットすると、商品の箇所によって、旋盤やプレス等の加工方法が自動で選択され、自動的に商品が完成します。また、その企業は、製造業なのに、女性が7割を占めています。

そして、一番重要なことは、過去の失敗データをビックデータとしてインプットしてあること。このカーブの角度であれば、プレスではなく切削でとか、全てがシステム化されています。こうしたことが進めば、日本の産業構造や、就業構造が劇的に変わっていくでしょう。

 

●時代背景やICTの進化に応じて、企業にも変化が求められますね。

 

変革期には、自らが変わらないと生き残れません。変革期はピンチを迎える企業とチャンスに替える企業に分かれます。

自然界では、平時には強いものが生き残りますが、変革期は、環境の変化に対応したものが生き残る。強いものがずっと生き残るなら、恐竜やマンモスは今でも生き残っているはずです。

そして、変革期は格差も生まれますが、小が大に勝てる絶好の機会なんです。だからこそ、私たちは変化しないといけません。

なぜ、私たちがこうした改革が出来ているかと言えば、株式会社の銀行と違って、協同組織の金融だからなんです。株式会社の銀行は、投資家保護であり、株価を上げること、配当を高めることが優先され、利益追求となる。成長経済ではそれで良かったのですが、衰退経済に入り、利益追求のモデルがうまくいくわけがありません。その結果、現在、メガバンクの7割~8割は、新興国で収益を上げています。

私たちは株式会社ではなく、協同組織のため、投資家保護ではなく利用者保護が最優先されます。もともと私たちは、戦後に経済的弱者である中小企業と個人のために作られた地域金融機関なんです。それが、経済成長と共に原点を忘れ、株式会社の金融機関と同じことをしてきたのです。時代が変わって、改めて原点を見つめ直すと、私たちが目指すのは利用者保護であり、メインの取引先は潰さないという考え方に行き着きました。

NPO向けのローンを積極的に進めているのも、私たちが地域金融機関であり、地域がなくなれば、自分たちの存在も危うくなるからです。

※NPO向け融資(CBローン)実績:H15~H29.3末時点 326件、4,545百万円

 

●短期的視点ではなく、地域を元気にするための中長期的な投資をしていると言えます。

 

今が良くても、5年後、10年後に地域が元気にならないと意味がありません。儲からなくても、地域のNPO向けローンを販売するんです。地域を元気にすることにより、私たちは、地域金融機関の中でも都内ではトップの利益を上げています。

社会的ニーズに対応したビジネスモデルを作れば、利益は増えるんです。

 

●まさに本業を通して社会課題を解決するCSVですね。

 

私たちは大前提として、自分たちの地域を良くしないと生き残れないと考えていますが、地域を良くするのは、経済力と環境力が重要です。

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経済力とは、本業である従来からの融資額の増加させ地域の企業を元気にさせること。環境力は、CO2の削減だけではなく、住みやすさ、働きやすさ、暮らしやすさを追求すること。これからは、こうした地域格差がもっと拡がると思います。

今後、様々な自治体は税収不足となります。だからこそ、私たちは元気な高齢者と地域のNPOをマッチングさせて地域の課題を解決する、環境力を高める取組みをしています。介護や子育て支援、中小企業の従業員の働きやすさ、暮らしやすさ、そうした街づくりを進めています。人がたくさん集まる体制をつくらなければ、地域は絶対に発展しない。経済力は旧態依然のビジネスモデルで、環境力は、新しい時代のビジネスモデルと私たちは思っています。経済力は基本にありながらも、環境力も必要です。

経済力ばかり追求しても、環境力がないと成り立たないし、環境力ばかり追求してもいけない。バランスが重要です。

 

●私たちも、その二つの両立が必要であることであることを常々提唱しています。ポーター教授が提唱しているCSVを色々な企業に広めていきたいと考えています。

 

私たちは企業であって、NPOやボランティア団体ではありません、金融業として何が出来るかを突き詰めていかなければいけません。それぞれの企業には本来の役割があるのです。

私たちの様々な人事制度改革の取組みもその一環です。職員が最大限の能力を発揮して働くことができる環境を作ることで、私たちも地域への貢献ができる。そして、こうした取組みが出来ているのは、職員だけの力だけではなくて、3万人の専門家に支えられて実現しています。これからは、自分たちのビジネスモデルだけではなく、ビジネスネットワークの力で仕事をしていく時代になってきています。

そして、地域への貢献のために私たちが注力していることが二つあります。

一つは、私たちは本業を通して、地域の人たちにお金が行き渡るようにしようということ。お金は血液ですから、血液が行き渡らないと地域は活性化しない。私たちが一番求められるのは地域力を高めることなんです。血液を送り続けること、つまり融資には最も力を入れています。

二つ目は、利用者保護の考え方に基づいたものです。時代は変革期で、企業も個人も課題が満載ですから、これからは課題解決をしようと。そこで、課題解決をするためのコンサルティングに注力することになりました。そのコンサルティングを進めているのが、お客さま支援センターの3万人のネットワークなんです。

※お客さま支援センターとは? http://www.seibushinkin.jp/consulting/support/

お客さま支援センターは、10年前から本格的にスタートしていますが、新しい時代のビジネスモデルとして、お金を貸すこと、情報の提供、そして、人材を提供しています。現在、日本全体で中小企業は、倒産するよりも廃業が、3.1倍も多いんです。企業数が減少しては、地域の活性化はあり得ません。

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そして、変化に対応するためのお手伝いをコンサルティング・サービスとして提供していますが、人的ネットワークにより、年間に延べ約3千人の専門家がこうした支援をしています。また、売上拡大の支援として、1万件弱のお取引先を紹介しています。

他にも、海外に進出したい中小企業に対しては、大企業とは異なり、様々な課題がありノウハウもありません。私たちは中小企業専用の工業団地として、マネジメント機能を持ったレンタル工場も保有しています。

 

●まさに金融機関とお客様との共創ですね。

 

私たちはビジネスネットワークと言っていますが、まさに共創です。お互いがお互いの良さを出し合うことが重要です。

また、私たちは、香港貿易発展局と提携しています。海外の10万社のデータも保有していますが、商品が販売できそうな会社をデータベースから簡単に探し出したり、特定の会社との交渉を香港貿易発展局が行いマッチングしてくれています。

 

●業種としては金融機関ですが、単なる金融業には分類できないですね。

 

だからこそ私たちは、「お客さま支援センター」と呼んでいるんです。法人向けサービスの案内冊子も作成していますが、融資や預金、サービス業務に関することは一切書いていません。

ラーメン屋さんに行ったら、どのラーメンかは注文しますが、ラーメンをこうして作って欲しいとは言いませんよね。お客様のニーズは、お客様自身しか分かりませんが、それをどう料理するのは、私たちプロの仕事なんです。

 

●職員の方々に求める資質もこれまでとは異なってきますね。

 

私たちは、毎年100人程度人材の採用をしていますが、年間を通して、1.5ヶ月程度の応募期間しか設けていません。現在は、多いときでは、2万人の募集がありますが、会社説明会も全て私自身で行っています。個性的な金融機関であるため、入社する職員との相性や価値観の合致がとても重要なんです。

最終面接も10人単位で私が行いますが、最終面接に残った方には、面接の最初に合格を出して、合格者からの質問により、不安や不明点を解消する場にしています。採用で重視することは、個人の感性です。何の質問をしてくるかで、個人の感性も把握できます。

お客さま支援センターの役割は、コンサルティングのため、センスがとても重要なんです。また、センスに加えて、お客様との信頼関係をいかに作れるかも重要です。

金融機関は信用はありますが、信頼されていない。そして、金融機関も取引先を信頼していないから、担保を求めたり、金利を上げたりする。企業も信頼関係がない金融機関には本音の課題を言わないし、そうなると成功も難しい。

私たちは、メインのお取引先を潰さない態勢を確立することを宣言しています。何かあれば、すぐに何かを言ってきて欲しいとお伝えしてます。こうした信頼関係があるからこそ、お客様からも本音が出てくるんです。

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●金融機関の本来の役割はそうあるべきです。

 

原点に立ち返って、利用者保護を突き詰めたらこうなりました。でもそこには、志がないといけない。お客さま支援センターの役割も、単なる士業の先生を紹介することではダメなんです。

論理的な先生がいいのか、情熱的な先生がいいのか?男性か女性か?若い人がいいのか、キャリアのある人がいいのか?経営者と先生に信頼関係が生まれないと本来の解決にはつながりませんので、お取引先に誰を紹介するかといったセンスはとても重要です。

 

●儲かっている時だけのお付き合いではなく、絶対に潰さないというのを宣言しているのは素晴らしいですし、改めて、こうした時代に、協同組織の金融機関はとても良い仕組みです。

 

私たちの金融機関は会員組織であり、メンバーシップだから、会員一人ひとりが投資家であり利用者なんです。

株式会社は投資家が作っている組織です。繰り返しになりますが、株式会社の銀行は投資家保護。利用者保護のために収益を下げられません。

 

●西武信金さんを紹介している書籍に書かれていましたが、こうした考えは、理事長が20代の時に、取引先を潰してしまったことが原点ですか?

 

その通りです。融資をお断りしたことにより、その企業は倒産してしまいました。そうした体験もあって中小企業診断士の資格も取得しました。また、職員には、今日のこの時間は二度と来ないことをいつも言っています。可能性があればどんどんチャレンジすることが重要です。

 

●少子高齢化が進んで地域が疲弊していますが、地域金融機関や自治体の処方箋はなんでしょう?

 

これから地域は、税収不足がより一層進むでしょう。地域の公民館を立て替える予算はないのに、耐用年数が過ぎて老朽化が進めば、公共の施設のため、耐震の観点からも立て替える必要が出てくる。地方自治体は、たくさんの箱モノを所有しています。今後の税収が減る時代を迎え、実質の耐用年数を見直す必要があります。経済を成長させたかったから、住宅を20年位で建て替えた。成長経済では、そうした使い捨てで良かったが、衰退経済では変えないといけません。

また、私たち職員の中で重要視しているキーワードがいくつかあります。

一つ目はポジティブであること、つまり、前向きに生きることです。後ろ向きでは、自分のマインドも上がらないし、自分自身が活性化できるポジティブな考え方をすることが重要です。

二つ目は、自責の精神です。世の中は変革期だから、うまくいかない理由はたくさんあります。それを経済が悪い、お客さんが悪いと言っては、何も変われません。こうした世の中でも、成功している人はいるんです。

そうした人達と自分とは何が違うのか、うまくいかない原因をまずは自分の中に見つける、そうすることにより成長できるし、やりがいにも結びつけることが出来るはずです。

 

●地域金融機関として、元気な地域作りのポイントはなんですか?

 

地域の重要な担い手の一つであるNPOの一番の課題は、経営力が無いこととマンパワーが足りないことが挙げられます。

日本財団さんと進める街づくり支援の預金も利息は高く設定していますが、半分は寄付することを求めていて、その寄付金と同じ金額を私たちも寄付をしています。つまり、地域を良くすることを目的に進めているんです。

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また、寄付先のNPO団体の活動は冊子を作成し、寄付金を拠出した預金者全員にお渡ししています。こうした預金に賛同頂いた方々は、もともと社会的意識の高い方々ですので、ボランティアではなく、自らがNPO活動への参加のきっかけにもなっています。こうした流れを作ることはとても重要です。

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●私たちの調査でもエンゲージメント一番の重要な要素は、参加という結果が出ています。

 

なぜ、ボランティアではなく、参加が重要なのか?それは、暮らしやすさ、働きやすさ、商売のしやすさ、全て継続性が重要だからです。NPOで非営利とはいっても、事業体としての継続性が重要ですから、私たちは積極的に支援を進めています。

 

●西武信金さんのWebサイトのメインメニューも、「個人のお客さま」、「企業・事業者のお客さま」に加えて、「自治体・NPO等のお客さま」が、3つ目の柱になっています。協同組織としての金融機関の役割は大きいですね。

 

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地方銀行は上場企業ですが、地域力を高めるため、つまり、本来の地方銀行の目的を考えたら、必ずしも上場の必要性はないかと考えています。成長経済から衰退経済になって、地方銀行の役割も変わります。

金融庁のWebサイトには、2025年に過半数の金融機関が赤字になると書かれいますが、業績が悪ければ、非上場にされてしまいます。これからの時代を担うために、地方銀行があえて上場を取り止める動きがあっても良いかと思います。

 

●最後に、理事長から、CSV経営を目指す経営者へアドバイスを頂けますか?

 

まずは、経営環境の変化を客観的に捉えることです。今日から変えること、変えないもの、こうした事をきちんと仕分けをすることが重要です。そうすれば、新しいことを進めるために、どんな組織が良いか、どの様な業務運営が必要なのかが理解出来るでしょう。そうすれば、自ずと自社の商品やサービスを活かすビジネスモデルを作ることが出来るはずです。

では、こうした変革の時代に、変えること、変えないものをどう見極めるのか?それは、原点に立ち返ること、この組織は何のために世の中に生まれてきたのか、原点を失わないことです。そして、私たちの場合は、協同組織の金融機関であったわけです。

原点を失わずに、恐れることなく変えて行くことが出来れば、お客様や職員に理解されますし、信用と信頼の違いも理解しても頂けると考えています。

 

●本日はお忙しい中、貴重なお話を頂きまして有難うございました。これからも西武信金さんの取組みに注目していきたいと思います。

 

 

■コラム執筆・インタビュアー
エンゲージメント・ファースト 萩谷 衞厚


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「意義あるよい事(Social Good)」を、企業・顧客・関係者との共創(エンゲージメント・マーケティング)により、マーケティング革新を起こし、社会課題の解決とビジネス目標の達成を実現します。

カテゴリ: Creating Shared Value(CSV)
2018年01月15日

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