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インバウンド売上高447.9億円企業のWeChat活用戦略とは? WeChat pay等、訪日客数ランキング1位の新宿の最先端事例

こんにちは。今回は東京都が「平成27年度 国別外国人旅行者行動特性調査」にて発表する外国人が最も多く訪れる街ランキング1位の「新宿」のインバウンド事情を調査しました。その中でも一歩先を行く企業の取り組みについてご紹介いたします。
特に訪日外国人数1位の中国で最も活用されているWeChatについて重点的にご紹介します。WeChat payをはじめ、ぜひ皆さまのマーケティング戦略にぜひお役立てください!

インバウンド売上高447.9億円!家電量販店大手ビックカメラ

写真はビックカメラ新宿西口店

2016年8月期の決算発表(2016年10月18日公表)ではインバウンド売上高は前期比111.6%と拡大傾向にあり、単体売上4,266億円のうち10.5%を占めています。

ちなみに、インバウンド販売商品の内訳は、この1年で以下のように変化しています。時計カメラといった高級品から、理美容品やドラッグといった日用品に推移していることが分かります。

(出所:ビックカメラ2016年8月期決算説明資料)

<インバウンド販売商品の構成比>
   
2015年8月期  2016年8月期
1位 時計19.0% →理美容25.3%(前期4位)
2位 カメラ18.4% →家電21.3%(前期3位)
3位 家電17.9% →時計15.4%(前期1位)
4位 理美容 →ドラッグ(前期6位)
5位 パソコン 11.6% →カメラ 10.7%(前期2位)
6位ドラッグ 6.3% →パソコン5.6% (前期5位)
7位その他 9.6% →その他 10.4 %

また中国人の来店客数は増加しており、人民元ベースでは売上も堅調に推移しています。爆買いは落ち着いたものの、一般の中国人観光客の購買意欲は今後も伸びる余地があると言えるでしょう。

それでは実際にこのようなトレンドの変化に対して、ビックカメラはどのようなインバウンドの戦略を打ち出しているかをご紹介します。

ビックカメラの戦略その1.
WeChat Pay(微信支付)導入により、中国人旅行客に利便性の高い決済サービスを提供

ビックカメラは2016年9月28日より中国有数のモバイル決済サービスWeChat Pay(※1)を池袋本店他 11 店舗で導入開始し、中国人旅行客にモバイル決済による利便性の高いサービスを提供しています。WeChat Payであれば、現金がなくても中国にある口座から自動引き落としになるので、外貨両替の手間が省け便利です。

写真を見て分かる通り、WeChat Payが使えることを遠くからでも目立つように掲示しています。WeChat Payだけでなく、支付宝(ALIPAY)(※2)も使えることが分かります。

※1)WeChat Payとは中国で月間7億以上のアクティブユーザーを誇るWeChatのモバイル決済サービス(テンセント社提供)。中国の決済市場におけるシェアは17.4%(2015年度4Q)より38.3%(2016年度1Q時点)と急速な普及・拡大を見せている。

※2)支付宝(ALIPAY)とは アリババグループの提供するオンライン決済サービス。WeChat同様モバイルでの決済が可能。


ビックカメラの戦略その2.
WeChatから商品やサービス情報、乗り換え案内、クーポン券など多様なコンテンツを提供

ビックカメラが持つWeChatの企業公式アカウントでは、来店前から来店後まで楽しめるカテゴリー(玩具、化粧品、PC/家電など)ごとのコンテンツ記事や、お店までの乗り換え案内、来店時に使えるお得なクーポン券を提供しています。
※WeChat IDは「Japan-biccamera」
最新商品の情報など来店前の情報収集に役立ちそうなコンテンツが充実しています。

ビックカメラの戦略その3.
訪日外国人向け交通チケット販売で集客時に、店舗集客とWeChatのフォロー訴求を実現

実店舗に案内カウンターを設け、訪日外国人向けにメトロのパスを販売しています。
このパスの販売店舗は空港や旅行代理店、ホテル、ラオックス、ビックカメラ及びソフマップなど一部に限られているため、外国人の集客に影響力を持っています。
また案内ボードには、FacebookおよびWeChatのQRコードを掲載(案内ボード最下部)しており、SNSへの誘導も同時に行っています。

WeChatのQRコードを読み取ると、ビックカメラの公式アカウントをフォローするページに遷移します。(下図)

次にFacebookのQRコードを読み取った場合、ビックカメラの公式アカウントを8言語(日本語、中国語繁体、中国語簡体、タイ語、インドネシア語、韓国語、ベトナム語、英語)の中から選択してFacebookページを閲覧することができます。(下図)

その他、WeChat以外に気になったもの
訪日外国人旅行客を呼び込む!「ビックドラッグ」

ビックドラッグ シダックス新宿セントラルロード店
(2015年12月シダックスと共同でオープン。訪日外国人旅行者をターゲットにしている。)

インバウンド商品売上の構成の変化を見据え、ビックドラッグは医薬品、美理容品などの日用品をメインとして販売し、また新宿セントラルロード店では、ビックカメラでの免税品売上ランキング上位に入る人気の家電を厳選して取り揃えています。

ビックドラッグでもWeChat Payの利用が可能です。
ドラッグや美理容品等、こまめな日用品の支払いには、WeChat Pay(微信支付)等モバイル決済との相性が良さそうです。

まとめ ~今後のWeChatを活用したインバウンド戦略とは~

今回は家電大手のビックカメラのインバウンドの取り組みをご紹介しました。

WeChatを活用した戦略では、訪日外国人旅行客の社会で利用頻度の高いWeChat Payなど決済サービスを導入することによる購入の促進や、「来店前→来店時→来店後」といった訪日外国人旅行客の顧客体験を意識したコンテンツ設計(役立つ商品・サービス情報の訴求や、購入を後押しするクーポンなどの割引券、顧客を店舗まで導く乗り換え案内等)が重要です。

またビックカメラでは、全て自社でサービスを展開するのでなく、ジョルダンのような乗り換え案内サービスに強みを持つ企業、シダックスのような食・エンターテーナメントを提供する企業、WeChat Payの代理店、東京メトロのような交通機関と提携した戦略を設計しています。
このように、今後はインバウンド戦略を進めていくうえで、外部パートナーをより上手く活用し、自社の戦略に活かすことが今後の国内市場で勝ち抜く秘訣となりそうです。

メンバーズでは中国に情報収集拠点を持ち、現地パートナーと業務提携を行うなどして、国内大手企業さま向けに最新のインバウンドマーケティング支援を行っております。
WeChatの開設/運用や、その他インバウンド戦略の設計でお困りのことがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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■コラム執筆者

西村 佳祐
インバウンドラボ所属。
好きな食べ物は餃子。好きな女性はリン・チーリン。

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