1. ホーム
  2. コラム
  3. 無印良品のエンゲージメントマーケティング vol.5

無印良品のエンゲージメントマーケティング vol.5

この内容は2014年06月16日にマナビトオンラインでリリースされた、良品計画現WEB事業部部長川名さまとメンバーズ執行役員原が、エンゲージメントマーケティングついて対談した内容の書き起こし文章のため、臨場感のある言い回しや文章表現になっております。ご了承ください。

良品計画川名さま(左)、メンバーズ原(右)

いわゆる広告然としたものが結構もう、バナーブラインドネスってよく言われますけども、たぶんもう意識せずに、避けているんじゃなくて、もう目に入らなくなってきているということですね。

原:これは今までのパターンなんですね。企業さん。

川名氏:そうですね。これは今まで。企業がいて、生活者がいて、ここのコミュニケーション、あるいは会話っていうのが、これは極端に書いてありますけども、広告、何かしらの媒体を通して、言い換えれば、一方通行で発信されていると。これは皆さんお感じの通り、ちょっとこういう図式が崩れ始めていると。これは、うちの娘のiPadの動作ですね。

原:分かっちゃうんですね。

川名氏:そうですね。これは広告を一生懸命スキップして、「早くアンパンマンを見せろ」っていうことを言っています。

原:広告自体は必ずしも悪いわけじゃないんでしょうけどね。

川名氏:そうですね。これは極端にこういう例に(笑)。面白かったのでちょっと載せていますけども、極端に悪いということじゃなくて、いわゆる広告然としたものが結構もう、バナーブラインドネスってよく言われますけども、たぶんもう意識せずに、避けているんじゃなくて、もう目に入らなくなってきているということですね。なので、すごく大事なポイントとして、いかにして伝えるかということじゃなくて、どうすればお客さんにすんなり受け取ってもらえるかということを意識する必要が今後コミュニケーションにおいてすごく大事なポイントになると思います。

原:どうしても多くの人にリーチするっていう発想は、やっぱり企業目線ですもんね。

川名氏:そうですね。

原:リーチしているけど、こういう状態が起こっているということが、まま起きているわけですよね。

川名氏:これは、最愛であるブランドであるために何をお客さんに伝えたらいいのかという話になってくるんですけども、今までというのは、いわゆるブランドのこと、商品だったり、サービスの「他のサービスと比べてどう、この商品、サービスは優れているのか」というところを抽出して、それを広告メッセージに変えて配信していたんですけれども、これは変わってくるかなと思っていまして。意思、ブランドの意思というものをしっかりとお客様に伝えていくというのが最愛になるためにすごく大事に。

原:お客様の言うことを愚直に聞くということと、やっぱり意思というのは、両方持ってなきゃダメですよね。

川名氏:そうですね。

原:結局、よくある話で、アンケート調査とかリサーチをやってお客様の声を聞いたんだけども、いざ商品にしたらよく売れなかったとか。そこにはやっぱり意思とか、「こうやりたいんだ」とかっていうものがないと、ということですよね。

川名氏:そうですね。ですし、独自の売りという部分でも、コモディティ化という言葉が出ましたけども、お客さんから見ると本当に差がほとんどないんですね。そうしたときに何をもって選ばれるのかということがすごく大事。

原:Appleは、僕らはAppleが好きだからあれですけども、スティーブ・ジョブズの意思があるように見えますもんね。

川名氏:そうですね。

原:と勝手に思うようになっちゃうぐらいですよね。これはノキアさんのなんですね。

川名氏:そうですね。これは意思という部分で、ちょっと古い事例ですけども、ノキアのやったサイレンスブースという施策ですね。これはコンサート会場なんですね。コンサート会場に、これはなんのブースと言うとシンプルで、コンサート会場ってうるさいので、この中に入ると音が遮断されていて電話をかけられるということなんですね。なんでノキアはこんなことをやっているのかなってノキアのサイトを調べてみると、ノキアの意思っていうのが、「コネクティング・ピープル」って書いてあるわけですね。コネクティング・ピープルっていう大きな意思のもとに、もちろんこういう端末もつくりますし、あるいは電波のこととかを改善したりとか、いろいろやっていくんですけども、そういった1つの施策としてコンサート会場にブースをつくるっていうのは非常に体験としてノキアの意思というのが非常に出ている施策かなと。

原:製品だけじゃなくて、人とつながることをこういう形で支援をしているわけですよね。

川名氏:そうですね。

原:なんて言うんでしたっけ?ブランド。

川名氏:ユーティリティー。

原:ユーティリティー。ブランドユーティリティーですね。

川名氏:役に立つと。

川名氏:これもさっきありましたけど、リーチですから、やっぱり体験。リーチベースでガーガーうるさく言われても、だんだんもう消費者からすると見えなくなってきている。僕もこれを使って走っていますけれども、これは皆さんもそうだと思うんですけど、Nike+ですよね。今まではランニングって1人で黙々とやる大変な作業だったんですけども、これはテクノロジー、あるいはこういうインターネットのコミュニティーをつくって、自分の走ったスピードや距離、あるいはどんなコースを走ったのかというのを友達とシェアして、ランニング体験っていうのをまた1つ新しい体験に昇華しているんですね。こういった強い体験っていうのをつくっていくと、これがテレビCMだとか媒体で宣伝しているのをあまり見たことがないですけど、こういったいい体験をつくると、「Nike+、やってる」っていう感じで、人から人にどんどん体験がシェアされて、このサービスっていうのが認知されていくという。そういう意味で体験はすごく大事。

原:これはもちろん消費者にとっての利便性も高いんですけども、Nikeにとってこれはすごいデータですよね。

川名氏:そうですね。

原:世界中でこれを使って運動している人たちのデータが入ってくるので、まさに体験をシェアしているわけですよね。生活者同士がシェアするだけじゃなくて企業がシェアしてもらうことによって商品開発に使われているということなので。やっぱりメーカーのCRMってこれじゃないかなと思うんですよね。メアドをもらってなんとかじゃなくて、こういうことをお客様と企業と、お客様同士がシェアできるような何かものができるとすごく強い。

川名氏:そうですね。進化すると、フューエルバンドという。

原:製品にもなってくるということですね。これもAmazonで。

川名氏:そうですね。体験として、これは非常に僕は好きなんですけど。皆さん、Amazonを1回ぐらい使ったことがあると思うんですけど、Amazonで頼むとすごく早く届きます。これはたぶんみんな実感していることだと思うんですね。Amazonってすごく配送が早いんですけれども、これってすごくワオな体験なんですよね。これってAmazonが「私たちがすごく早くお届けします」ということって、広告とかを一切やってないんですね。やっぱりこのワオな体験をもって、人づてにどんどん伝わっていって、「Amazonに頼めばいいじゃん。もう明日届くよ」、あるいは、「今日の夕方に届いちゃうよ」という、人から人にこのサービスの優位性というのがどんどん広まっていくんですね。なので、これから、今までってサービスを伝えるために広告をやっていたんですけれども、Amazonはその広告をやるお金があったら、その投資を広告に投資するんじゃなくて物流のほうに投資して、ある意味、体験をつくっているという。それが一番いいことなんだということで非常にいい姿勢だなと。

原:お客様とエンゲージメントする、1つの体験価値みたいなのが、このお届けということですね。

川名氏:そうですね。

メンバーズ原


一時的な広告によって途切れてしまうコミュニケーションよりも、こうやって継続的にお互いに建設的に意見を言う場っていうのをつくって、常にお客様とつながれている状態というのを。

原:フローからストック。

川名氏:ストックということですね。これは広告主の方とかは、広告メニューって見たことがあると思うんですけど、金額が書いてあって、掲載期間がいつからいつみたいなことが書いてあると思うんですね。でも、それってやっぱり、広告って掲載期間が過ぎたらお客さんとの関係、コネクションというのが切れてしまう。これからってやっぱりそういうことじゃなくて、ちょっと事例では、これはMy Starbucks Ideaという、これはコミュニティーですね。このコミュニティーで、お客さんとスターバックスが会話をしながら商品とかサービスを改善する。先ほどのくらしの良品研究所に近いんですけれども、皆さんはスタバに行ってWi-Fiを使ったりすると思うんですけども、スタバのWi-Fiもここの、お客さんの声から生まれているんです。なので、一時的な広告によって途切れてしまうコミュニケーションよりも、こうやって継続的にお互いに建設的に意見を言う場っていうのをつくって、常にお客様とつながれている状態というのを。ある程度、意見というのがストックされている、こんなことをやっているのがいいんじゃないかと。

原:コミュニティーとかは、こういうところに入ってくるわけですね。

川名氏:そうですね。

原:さっきのNike+とか、Appleとか。

川名氏:そうですね。こういった、ここを広告がつなぐのではなくて、コミュニティーだったり、あるいはアプリケーションであると。僕たちはこういうものを会話っていうふうに定義しているんですけども、この真ん中も、企業というよりも、やっぱり企業って言っても結局、人の塊なので、人の塊とお客さん、これは上下の関係ではなくてフラットな関係で、その間を会話で埋める、こういった会話をつくっていくということが一番最愛に向けていいんじゃないかなという。こういうところですね。


カテゴリ: エンゲージメントマーケティング
2016年09月03日

RSS