1. ホーム
  2. コラム
  3. 無印良品のエンゲージメントマーケティング vol.2(無印良品 お客様の声)

無印良品のエンゲージメントマーケティング vol.2(無印良品 お客様の声)

この内容は2014年06月16日にマナビトオンラインでリリースされた、良品計画現WEB事業部部長川名さまとメンバーズ執行役員原が、エンゲージメントマーケティングついて対談した内容の書き起こし文章のため、臨場感のある言い回しや文章表現になっております。ご了承ください。

良品計画川名さま(左)、メンバーズ原(右)

無印がこれから先何を考えていくのかコラムで発信していきながら、お客さんにその考えをしっかり分かってもらって、さらには一緒に商品開発していく

原:これ、すごく重要ですね。今日のエンゲージメントマーケティング、そのものですよね。

川名氏:そうですね。コ・クリエーションみたいなことになっているんですけども、これは1990年にやった「声のキャッチボール」っていうキャンペーンのポスターですね。先ほど、われ椎茸とか、マッシュルームとかを紹介したように、やっぱり無印の商品開発の源泉ってお客様の声なんですね。あるいはお客様の、いわゆる使い手の視点っていうのが非常に無印の商品開発の源泉となってまして、そうしたときに、よりそういった活動をもっと強めようということ、あるいは社内にもっとそういった意思を伝えていこうということで、お客様と声のキャッチボールをする。お客さんの声をもらって商品で返すんだっていうようなことをやったときのキャンペーンのポスターですね。

原:これは、年間に、お客様の声としてこれだけが寄せられた。

川名氏:そうですね。今は本当にお客様の声が寄せられる経路っていうのも、インターネットを中心に非常によく集められてますけれども、今でも年間20万件弱の声が寄せられている。それがまた商品開発のほうにつながって、またお客様に商品としてフィードバックされると、こういったフィードバックのループをまわしているというのが当時から変わらない活動ですね。

原:もともと、だから、お客様の声を聞いて商品開発をしていく、それから聞くだけじゃなくてキャッチボールをするみたいなことが、もう企業カルチャーとして根付いているわけですね。

川名氏:そうですね。生まれたときからそういうものが無印にはあったということですね。

原:なるほど。「ものづくりコミュニティー」、これはウェブでおやりになった?

川名氏:そうですね。ちょうどこれは2000年ぐらいから、今までは本当にポスターで告知していたのですが、だんだんお客様がネットを使うようになってきたときに、ウェブ上にこういうコミュニティーを立ち上げて、その中でお客さんとコラボレーションして商品を出していくっていうような活動が始まってきました。これはその辺の代表的なものですね。

原:これは、僕も家にありますけども、これはお客さんの声とか、お客さんと一緒にまさにつくった定番の商品なんですね。

川名氏:そうですね。これは数あるいろんな無印のアイテムの中でも本当にトップ5に入ります。

原:それがお客様との共創みたいな形で出てきたということですね。単なるマーケティングリサーチとはやっぱり違うんですね、御社のやり方って。すごくそのお客様の声を愚直に聞いたり、オブザベーションっておっしゃってましたけど、いろいろ、観察って言うとちょっと言葉が悪いんですけれども。

川名氏:でも、オブザベーションって言い得ているかなと。アンケートを取って、赤が多いから赤をつくるとかそういうことではなくて、お客さんの言っている会話の中から、行間を読むとか、社内ではよく言うんですけども、お客さんの本当の声に出ないニーズみたいなのを拾って、こういう商品に生かしていくという。

原:行間を読むのが下手なメーカーさんってやっぱり多いですよね。ただ、赤なら赤、赤が7割だから赤にしようとか。行間を読むって、すごく難しいけど、やっぱりそこに肝があるんでしょうね。

川名氏:そうですね。

原:これもそうですね。

川名氏:そうですね。


商品はほとんど訴求しないサイト。今で言うコンテンツマーケティング

原:私もすごく大好きなくらしの良品研究所なんですが、たぶんご覧になっている方も見たことがあるかと思うんですが、商品はほとんど訴求しないサイトですよね。今で言うコンテンツマーケティングですよね、これは。この辺りの背景とか、少し。

川名氏:そうですね。前身は先ほど紹介した、ものづくりコミュニティーというところから、今は「くらしの良品研究所」というのをやっていますけども、もちろん商品の改善アイデアとか、そういうのを聞いて商品開発に生かしていくって活動もあるんですけども、ここにいろいろあるように、っていうようなことを目的としたサイトですね。

原:確かFacebookページをつくり出したきっかけも、言い換えれば、これですよね。

川名氏:そうですね。

原:これをソーシャル化しようという流れの中で、ページもつくって、これ自体はすごく、口コミで広がっていくような仕組みを実装したっていうところになってくるわけですよね。
これは田中一光さんですね。

川名氏:そうですね。無印の最初の発案者となった、クリエイターの田中一光先生ですね。

原:クリエイターの方が創業メンバーの1人ですよね。もともとの発想だというところが、やっぱりユニークですよね、非常に。

川名氏:そうですね。今、これは田中先生が言っていた、売り手とか企業の論理ではなくて、本当に生活者、お客さん、あるいはもっと奥の自然の論理でいろいろ物事を考えていく。それがなければ、ブランドもないし、商売もないということですね。

原:自然とこういう生活者の声とか、あるいは自然のことを考えるというのは、こういうのがあるから根付いているわけですよね。

川名氏:そうですね。

原:エコだからとか、そういう話じゃなくて、もうこうだから。

川名氏:そうですね。エコっていうのは、僕らからすると結構最近の言葉な感じがします。

原:なるほど。これはすごくいいあれですよね。

良品計画川名さま

メンバーズ原


売上に厳しい店長さんは、無印のカタログの最後のページにネットストアの紹介ページがあるんですけど、それをお客さんに配る前にはさみで切っちゃう

原:MUJIマーケティングの3.0っていうのを一緒に考えさせていただいたんですけども、その変遷を少し振り返ってみようということで、1.0から。

川名氏:はい。これはちょうど2000年ぐらいですね。2000年ぐらいで結構、いろいろ世の中みんなインターネットをやるようになってきて、そういったときに無印でもネットストアを立ち上げたんですけども、そのときの戦略っていうのは、当時そんなにお店もなかったんで、お店に行く人はお店で買う。ウェブで買う人っていうのは近くにお店がないのでウェブストアで買うっていう、そういう前提のもとに、別々の人ですよね、お店をそういう意味では、地理的なところをウェブで、通販で補完すると、こういう考え方だったんですね、最初は。これはそのときの象徴的な事例なんですけれども、そうすると、あまりうまくいかないんですね。カニバリとか言いますけども、お店も持っているので、たまたまウェブのネットストアが売上がよくて、お店の売上が悪いと。これはいろんな要因が、実はお天気だとか、本当は商品の在庫だとか、いろいろなものがあるんですけども、そういう事象が起きると、売上に厳しい店長さんとかは、これはなんの絵かって言うと、無印のカタログの最後のページにネットストアの紹介ページがあるんですけど、それをお客さんに配る前にはさみで切っちゃうんですよね。

原:本当にあった話ですか?

川名氏:本当にあった話です。この絵は再現しているんですけど、本当にあった話なんです。だから、ウェブが伸びちゃったらお店の売上が下がるんだっていうようなことで。さっきの戦略の、別々の戦略だとカ二バってうまくいかなかったです。

原:象徴的なことが起こっていたということですね。

川名氏:はい。

次回の記事vol.3はこちら


カテゴリ: エンゲージメントマーケティング
2015年10月30日

RSS