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観光名所にオリジナルの名前を!中国人観光客を誘致するイギリス観光庁インバウンド施策

いまや世界最大のアウトバウンド市場となった中国。目的地をイギリスに限定しても、中国人旅行客の消費額はすでに5億ポンドを超えているそうです。このような時代の流れの中、VisitBritain(英国観光庁)は中国人旅行客の消費額を2020年までに倍増させることを目指し、内務省とともに大規模な観光キャンペーンを実施しました。それが、”GREAT Names for GREAT Britain” です。
中国人観光客を対象としたこのキャンペーンは、イギリス国内の観光名所にぴったりの中国語のネーミングを考案し、特設サイトに投稿してもらうというものでした。PR効果は250万ポンド(日本円にして約4億7000万円※)にのぼり、観光客数は27%の増加となりました。Web上でもキャンペーン動画の再生数は2700万回など、大きな反響を巻き起こすキャンペーンとなりました。

※為替レートは1ポンド=186.05円で計算しています。

イギリスは“遠い国”?インバウンドにおけるイギリスの課題と挑戦

中国人観光客の呼び込みをめぐって、イギリスは激しい競争に巻き込まれていました。イギリスのインバウンド経済にとって中国は不可欠な存在でしたが、近年はアメリカやスイスなどの競争相手にシェアを奪われていたのです。さらにイギリスにとって不利なことに、中国人旅行客はイギリスによいイメージを持っていなかったようです。イギリスは、中国人観光客にとって歓迎的ではなく、地理的にも感情的にも離れた存在だと思われていました。
世界に向けたPRとインバウンド経済の発展のため、そして中国とイギリスの心の溝を埋めるため、VisitBritainは新しくキャンペーンを行う必要がありました。それも、中国全体をイギリスの話題で持ちきりにし、「今年の旅行はイギリスへ」という唯一無二のポジションを獲得するくらい、斬新で反響の大きいキャンペーンが求められていたのです。

好きな場所に自由にネーミング!キャンペーンの枠を超えたユーザーの動き

キャンペーンは、在中英国大使 Sebastian Wood氏からの公式招待状という形式で始まりました。Wood氏は北京の自宅でビデオを録画し、メディアイベントを主催しました。また特設キャンペーンサイトがオープンし、ネーミングの対象となるイギリス国内の名所101ヵ所がリストアップされました。
キャンペーンはさまざまな手段で行われました。静的広告(動画のように変化しない広告)による紹介では、いままでなぜか中国語名のなかった観光名所も取り上げられていたようです。映画館やタクシー、OOH(消費者が自宅外で触れる広告メディア)では、プロジェクターの画面に映し出された観光名所のネーミングに頭を悩ませる人々の姿を捉えたキャンペーン動画が流されました。とあるビートルズ一筋のファンが、ペニー・レインやアビーロードなど、有名な目的地にネーミングをするため英国へと旅する姿も収められていました。
ユーザーアクションの中心に位置付けられていたのは特設サイトで、自分で考え出したネーミングの投稿や、他の人のネーミング案への投票を行う場となっていました。しかしユーザーの動きは特設サイトにとどまらず、自分の好きな場所に好きな名前をつけ、キャンペーンハッシュタグを使ってネーミングと写真をソーシャルメディアに投稿することもあったそうです。

好きな場所に自由にネーミング!キャンペーンの枠を超えたユーザーの動き

有名曲にちなむ場所に訪れたファンが、中国語でネーミング(”GREAT Names for GREAT Britain”キャンペーン動画より)

寄せられたネーミングは13,000以上!大反響のキャンペーン結果

13,000以上のオリジナルのネーミングが、公式サイトにアップロードされました。以下はその例です。

Highland Games: Strong men’s skirt party.(裙英会)
Savile Row: Street of the tall, rich and handsome.(高富帅之路)
The Shard: Tower for plucking stars.(摘星塔)
Haggis: Tripe that wafts aroma.(涵肚生香)
Stilton: Porcelain cheese.(青花香酪)

何百万人もの人がネット上でこのキャンペーンの話題に触れ、関連投稿はWeibo(中国版Twitter)だけでも3億回以上視聴されたようです。その他の主な結果は、以下の通りです。

  • 260以上のメディア(テレビ・ラジオ・雑誌…)がこのキャンペーンについてのレポートをリリース
  • 特設サイトへの訪問数:130万回
  • キャンペーン動画の再生数:2700万回
  • PR効果:250万ポンド
  • 中国人観光客数:27%増加

Weiboのタイムライン画面

Weiboのタイムライン画面に表示されるキャンペーン関連投稿

イギリス観光庁の大胆なインバウンド施策、いかがだったでしょうか?
今後も当コラムでは、様々な側面から分析したインバウンドマーケティング情報を皆様にお届けしていく予定です。
ぜひ、引き続きご覧ください!

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