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デザイナーのワガママ(その3) 「サイトの歌舞伎町化」は犯罪です

こんにちは。Webデザイナーの杉浦です。前回の記事 「このボタンを赤にして」とはコレ如何に では、ボタンの色変更指示が、デザイナーを暗黒面に落としてしまう危険性を書きました。今回はボタンという小さなパーツではなく、ウェブサイトのページ全体を俯瞰して眺めた時の「見た目」の話を書かせていただきます。

新宿、夜の歌舞伎町

この写真は私が歌舞伎町に行った時に撮ったものです。たくさんのお店が「ウチに来て!」と派手な看板を出しています。
各々が思うままに主張した結果、混沌とした風景になっています。

夜の歌舞伎町

歌舞伎町のこの風景、賑やかで楽しいという見方もできますが、目的の1軒を見つけようとしたら大変ですよね。
もしあなたが……

お店を見つけてもらいたいとき

お店が見つからないとき

困ってしまいますね……。では一体どんな風景ならお客さんはお店を見つけられるでしょう?

絞り込みをした歌舞伎町

看板の明かりを減らしてみました。(例として3つの看板だけ点灯させた状態です)
興味のあるお店以外の看板が消えていれば、目的のお店に簡単にたどり着けそうですね。

「足し算」ではなく「引き算」で作る発想

ユーザーに特定の情報を伝えようと思ったら、上記の看板と同じ考え方をすると上手くいきます。一番大切な情報を決めて、メリハリをつければ良いのです。「引き算の発想」です。

「足し算」だけでは見る人が混乱する

このイラスト、カラフルなお菓子がたくさんあって、一見すると華やかです。

イラスト:たけのこの里はどこ?

しかし目的が、

  • 「たけのこの里」を見て欲しい(売る側)
  • 「たけのこの里」を探したい(買う側)

だった場合、すばやく見つけるのは大変ですね。探す気にならないかもしれません。
ウェブサイトでも、賑やかで楽しそうな雰囲気を出そうとするあまり、肝心なことが装飾に埋もれてしまうことがあります。そうなる前に、ページを俯瞰して「過剰な装飾」や、「あまり必要ではない情報」を引き算してあげましょう。

音楽でも「引き算」

バンド演奏でも同じことが言えます。もしギターを聴かせようと思ったら、他のパートの音量を下げます。ギターの音量を上げるようなことはしません。

ギターソロイメージ

「足し算の発想」で音量を上げてしまうと音が飽和してしまい(ただの騒音)、個々のパートを聴き取ることが難しくなります。バンド演奏で全体のバランスを取ろうと思ったら、引き算で行うのが基本です。

全ての情報を目立たせるのは無理なんです

全ての情報を強調するということは、全ての情報を均等にしてしまうのと同じこと。結果、何ひとつ強調されていないばかりか、ユーザーの混乱を招いてしまう危険もあるのです。

良かれと思って機能を追加したり、装飾を派手にしたくなる気持ちは分かります。寂しいページと思われるのは避けたいですものね。しかし「あれも見せたい!これも見せたい!」という「足し算の発想」で作ってしまうと、ページ上に歌舞伎町が出来上がってしまうことが多いのです。

もしデザイナーがそんな要望を受けたら、どうなるか。「無茶言わないで……」と、暗黒面に落ちてしまうかもしれません。考えないデザイナーなら「ハイハイ盛り盛りね」と言って、見た目が派手なページを作って終わりかもしれません。

足し算は容易でも、引き算には勇気がいることもあります。コンテンツの内容を理解して、ときには引き算していくセンスは、ディレクターとデザイナーの両者に必要だと思います。サイトを訪れたユーザーを、歌舞伎町で迷子にさせないためにも、協力しあって犯罪の芽を摘んでいきましょう。

引き算の具体例については次回!

サイトの歌舞伎町化は犯罪です。

カテゴリ: Webサイト運用運営, コーポレートサイト
2015年03月12日

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