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「間違い探しから考える、海外巨大消費財メーカーのグローバルサイト戦略」

はじめに

こんにちは、戦略プランニング室の佐藤夏生です。
夜の涼しさに秋の訪れを感じる今日このごろ、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、今までと少し毛色の違うテーマで海外事例をお送りしたいと思います。海外巨大消費財企業の例を見つつ、グローバルサイトの在り方について考えていくという内容になります。どうぞお付き合いください。

1. さっそく、間違い探し(Webサイトキャプチャ比較)

まず、とある二つのWebサイトを見比べていただきたいと思います。
ご覧になっている皆さまは、「どこが同じか?」「どこが違うか?」という視点を持って、比較してみてください。

では、1つ目はこちら。

nestle1

2つ目はこちら。

nestle2

2. 答え合わせ の前に…

このWebサイトは何のサイトかご存知だったでしょうか?
これは、世界的な消費財メーカー、ネスレのコーポレートサイトです。日本では、ネスカフェやキットカット、ミロなどの製品が有名ですね。ネスカフェ アンバサダーなどのサービスをご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
今回比較したのは、このネスカフェのグローバル版(特定の国向けでないサイト)と、中国語版(中国国内向けサイト)の2つです。

3. 相違点を考える

では、答え合わせの時間です。まず、相違点から見ていきましょう。

  • 言語
    当然のことかもしれませんが、サイト内で扱っている言語が違います。1つ目のWebサイトは英語、2つ目は中国語(普通話)です。

  • コンテンツエリアの使い方
    先程の画像を再掲します。赤枠で囲った部分に注目してください。こちらは、グローバル版です。

    nestle3

    続いてこちらが中国語版です。

    nestle4

    グローバル版では問い合わせ窓口やSNSへのリンクが掲載されているのに対し、中国版ではそのサイト内のコンテンツへのリンクが掲載されています。また、メインビジュアルの下のエリアのリンク先や、そのさらに下にブランド・製品へのリンクがあるかどうか…なども、2つのサイトで異なっている点です。

  • コンテンツ
    上の画像の、右側のコンテンツエリアの中身を見てみましょう。赤枠の中で、さらに青枠で囲った部分(一番上)を見てください。赤っぽい画像があるのがお分かりでしょうか?このリンク先のコンテンツは「重陽の節句(9/9)」に関連させたネスレのキャンペーンを扱うものです。他の国ではこのようなキャンペーンはできないでしょう。お国事情を反映した中国らしいネタだと言えそうです。

4. 共通点を考える

「間違い探し」という視点で見ていたため、共通点は気付きにくかったかもしれません。
しかし、3.で挙げた部分以外はほぼ共通していると言っても過言ではないほど、ネスレのグローバルサイトはきわめて統一的です。

  • デザイン(ヘッダー、フッター、全体のレイアウト、色調…)
    3. で挙げた相違点をサイトの「中身」とするならば、サイトの「外見」とも言うべきデザインはほぼ一致しています。外見は中身よりひとつ上の次元にあたり、企業イメージの形成にかかわる重要なポイントです。

  • コンテンツ
    各国のお国事情を反映したコンテンツもある一方で、どの各国サイトでも共通しているコンテンツも多く存在しています。何より企業概要やビジョン、スローガンなど重要な情報は全ての国や地域で欠かすことができませんし、ロゴも統一しておく必要があります。また、企業が消費者に何を伝えたいか?どのようなイメージを持ってほしいか?という部分を担うようなコンテンツも共通しています。特にネスレでは、CSV(Creating Shared Value=日本版では『共通価値の創造』と訳されています)を多くの国(地域)向けのサイトで扱っているところが特徴的です。

おわりに

ここまでのところをまとめると、ネスレのグローバルサイト戦略立案は以下のような手順を踏んでいると考えられます。

  1. 世界共通に伝えたい企業ブランドとは何か?何を伝えたいか?を明確にする
  2. サイトで表現すべきブランドの理念、イメージ、アイコンを考える。必須なものを検討(企業概要やビジョン、ロゴ等)
  3. 各国・地域で伝えるべきことは何か、その国のユーザーが知りたいことは何か?を決定する
  4. 上記を考慮してサイトの設計、デザイン、コンテンツを行う

上記の手順により、世界各国どこでもネスレという企業の統一されたイメージと、各国の人の暮らしに寄り添う姿勢の両方を消費者に見せていくことができます。

今回はネスレを例に挙げましたが、全ての企業がネスレ同様の戦略でグローバルサイトを展開すべきかというと、きっとそんなことはないでしょう。グローバルサイトの在り方には、さまざまなタイプがあります。グローバルサイトと各国の情報バランス、企業とブランドどちらを重視するか等、様々な企業事情を考慮して決定すべきでしょう。

ちなみに、このようなグローバルサイトの戦略や運用はどうしたらよいのか?
そんなお悩みをお持ちの方は、一度こちら「グローバルWeb支援サービス」もご覧ください。

今後もこのコラムでは海外事例を扱っていきますので、どうぞお楽しみに!

カテゴリ: Webサイト構築, コーポレートサイト
2014年09月30日

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