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【共創マーケティング】エンゲージメント・マーケティングの達人 秋元康とオバマ(原 裕 寄稿 オルタナティブ・ブログ19)

ところで今最もエンゲージメント・マーケティングを実行している人や企業は?と考えた時に頭に思いついたのは「秋元康

そう思うポイントは下記です。

  • 参加型のプロジェクトを行い、みんなをどんどん巻き込み、当事者にする
  • 共感の仕組みの提供
  • ストーリーをうまく活用

それまでのアイドルのプロモーションは言わばマーケティング1.0型マスマーケティングでした。「タレント(商品)をマスメディアを使いプロモーションし、しっかりと商品が配置された売り場(レコード屋)に送客し、大量に販売する」モデルです。しかし、音楽業界をとりまく状況は激変しました。

  • テレビを見ない若者の増加
  • 好みの細分化
  • 短い商品ライフタイムサイクル
  • 誰でも可能なデリバリー環境(オンライン配信)
  • 最大の告知媒体である歌番組の衰退
  • 共有の時代

この状況の中、彼が活用した手法は、まさにエンゲージメント・マーケティングそのものだと感じます。

AKB48はストーリーそのものです。秋葉原のドンキの上の小ホールでオーディションで再起に挑む少女達を口コミパワーを持つオタクが自分毎として応援、口コミなどで販促の支援を行い、どんどんメジャーになっていく過程では総選挙で自分の好きな娘が当選するように自分毎としてがんばる。ストーリーをみんなで作っている=共創なんですね。(ま、秋元さんにかなり仕組まれちゃってますが)

最たるプロジェクトは「恋チュン」でしょう。あまりAKB系は聞かない私が昨年最も耳にしてしまった、あるいは見てしまったのはこの曲です。理由は様々な団体や企業、個人が作った動画が私のフィードに飛び込んできたからです。また、娘にも一緒に踊るように共創を迫られたのです。(笑)

akb

AKB48の公式チャネルには「恋チュン」のさまざまなバージョンと言えるVer.xxx/AKB48[公式]が掲載され、さらには非公認の「恋チュン」も数多くYoutubeにアップされていますが、驚くべきはその動画のView数です。オリジナルは2014年4月現在で33,344,028 回で歴代でもトップクラスです。(ちなみにトップは「ヘビーローテーション」で101,913,018と一億を超えてます。次点は「フライングゲット」で33,705,592)そしてすごいのは他のバージョンのView数もかなりの数をあげているということです。

スタッフ版(900万)、佐賀県庁(200万)などの地方自治体版、ジャパネットたかた(270万)、IBMとその顧客(50万)!!、日本交通(190万)、サイバーエージェント(490万)などなど、公式には73のバージョンがあがってます。それ以外にも個人や家族や学校などもアップしており、その総数は相当数になるものと思われます。言い換えるとそれだけの回数の「恋チュン」が広告費をかけずに視聴されている訳です。こんなにすごいプロモーション(お金かけずに広める)は過去なかったのでは?と思います。では、ビジネスは?というとオリコン歴代5位の売上をあげているそうです。(AKBでは2番目)

ここまでの広がった理由の一つは、まさにエンゲージメント・マーケティングの手法である、共感・共有・参加=共創を促進したことです。本来なら曲の利用を著作権関係から制限する中で、どんどん使ってもらい、公式チャネルにも掲載などで共創を促進し、Youtubeという共感・共有の仕組みを見事に活用しています。

このようにファンを巻き込むエンゲージメント・マーケティングの成功事例としてはオバマ大統領の選挙キャンペーンがあげられます。mybarackobama.com(現在はbarackobama.com)には支援者がより積極的にオバマを支援するための様々なツールが用意されており、かつ、それらがゲーミフィケーション要素を持っているために、従来の選挙戦とは違う戦い方に役立ち、勝利に至った要因の一つと言われています。サイトに登録した支援者はダッシュボードが用意され、オバマや各自が所属するグループ(投票権を持つ場所ベース?)のアクティビティが情報提供され、コミュニティが形成されている。そして自分の寄付額や電話した件数や地域での貢献者の名前やグループでの貢献度合いのランキングなどが表記され、どんどん積極的に活動をするようになる仕組みが実装されていました。またサイトにはYour Storiesというコーナーに支援者の写真入りの支援コメントを自分のストーリーに仕立てて紹介したりしてます。

barackobama

従来型の選挙(主に共和党)は、大きなお金を寄付してくれる企業やお金持ちを中心にTVや新聞などの従来型メディアを活用し、大衆にリーチする手法をとっており、エンゲージメントはリアル中心でした。オバマが活用したこの手法はエンゲージメントがソーシャルを通じて拡大し、支援者がよりダイナミックに支援拡大を自分のフィード使い拡げていく事につながり、一般調査では敗戦濃厚だったオバマを二度も勝利に導いています。彼(彼のスタッフ)もまた優秀なエンゲージメント・マーケターだったと言えます。


※本コラムは、オルタナティブ・ブログにて、原裕(株式会社メンバーズ 執行役員兼 株式会社エンゲージメント・ファースト代表取締役)が寄稿する記事の転記です。

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カテゴリ: Creating Shared Value(CSV)
2014年04月14日

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