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【共創マーケティング】エンゲージメント・ファースト!エンゲージメントのマーケティング活用意義5(原 裕 寄稿 オルタナティブ・ブログ8)

今回はエンゲージメントがなぜマーケティングに必要なのかの最終回です。過去のポストで5つあげてみました。

  1. そのブランドを他人に推奨、紹介してくれる
  2. その企業やブランドのコミュニティで、独特のグルーブ(高揚感)を作ってくれる
  3. 商品開発や改善のアイデアをくれる
  4. 一緒に商品開発をしてくれる
  5. (耳の痛い事も含めて)様々なアドバイスをしてくれる

そして今回取り上げるのは、ある意味最も重要な意義と言えると思います。

  1. 自身の情報や体験を提供してくれる

既にこのブログで数回取り上げているC.K.プラハラードは2004年の著作「コ・イノベーション経営(The Future of Competition)」でとても重要なパラダイムシフトを示唆しています。

  • 「市場はターゲット」から「市場はフォーラム」へ
  • 「TQM(総合的品質管理)」から「EQM(経験の品質管理)」へ
  • 「企業中心のサプライチェーン」から「各消費者中心の経験ネットワーク」へ
  • 「経済価値の獲得」から「魅力的な共創経験を通した価値の共創、経済価値の獲得」へ
  • 「企業と製品をベースにした価値創造」から「個々の消費者と経験をベースにした価値創造」へ

価値創造プロセスの変容Slideshareはこちら

彼は今後のマーケティング、経営は顧客や関係者との「価値共創」こそが成長の源泉だと示唆しています。この中でもっとも重要な活動が顧客経験・体験をいかに企業が収集できるかです。従来であればパネルを持つリサーチ会社に依頼し、調査を行ったり、市場データを購入するなどで、顧客と思われる人たちの経験や体験を入手していました。また、重要な顧客体験を聞ける場としてのコールセンターもありましたが、残念ながら「クレーム」として取り上げられ、このような目的で活用されている企業はまだ多くないようです。(もちろん、コールセンターをフォーラムとしてとらえている企業もあります。全日空やネスレ、私が在籍していたアメックスなどは顧客の声をホットボイスとしてマーケティングや経営にしっかりと活用しています。)

しかし、デジタルの活用やソーシャルメディアにより顧客の体験・経験は「仕組み的」には安価に、かつ広く入手できるようになりました。いくつかの事例をご紹介しましょう。

NIKE+

NIKEはこの領域で最も成功している企業の一つだと思われます。かれらは早くからデジタル領域に取り組みNIKE+ Gear(デジタルギア)を通じて顧客の運動体験を収集しています。顧客にはこのギアを通じて、自分の運動量のログ、自分の成果の友人への共有、同じ目的を有する人たちのコミュニティなどを提供します。膨大な顧客の運動データは言うまでもなくNIKEにとってとても重要なマーケティングデータになります。「何処で、誰が、いつ、どのくらいの運動を行ったのか、その情報をだれと共有しているのか」という顧客体験・経験を入手できるわけです。まさにビッグデータです。

NIKE+の考え方は「Verocity 思考」という本の中に書かれています。これは現代最も評価の高いクリエイティブエージェンシーAKQAを率いるアジャズとNIKEデジタルスポーツ担当副社長ステファンの対話でつづられているのですが、これからのコミュニケーションのあり方について示唆に富んだものとなっています。この本の中でも「顧客体験」や顧客とのエンゲージメントについて多くが語られています。NIKE+のすばらしい考え方が分かります。

NIKEがこの試みで成功できたのも顧客とのエンゲージメントが強固な物であるからこそ実現できたものと思われます。

NIKE+の成功事例を通じて我々マーケターは何を学ぶべきなのでしょうか?

  • 顧客体験を得る事によるイノベーション、そして成功
  • 継続的な顧客接点の創出の重要性
  • 顧客がブランドと共創価値を創りだせる仕組み、フォーラムの重要性
  • 顧客とブランドが商品たる「物」だけでつながるのではなく「事」でつながる事の重要性(NIKEの場合は「運動」という「事」)
  • 顧客体験を得るための顧客とブランドとのエンゲージメントの重要性

その他顧客とのエンゲージメントを築き、フォーラムやコミュニティを通じて成功している企業として良品計画「くらしの良品研究所」、LEGO「マインドストーム」、Starbucks「My Starbucks Idea」などがあります。

すべての企業がこのモデルを実現する必要もありませんし、また、実現も難しいものと思われます。ただ一つ言えるのは、このモデルを成功させた企業は永続的に成功し続ける確立が高いと言えます。なぜなら高い広告費を払わずとも、重要な顧客をずっとサポーターとして資産化できているからです。


※本コラムは、オルタナティブ・ブログにて、原裕(株式会社メンバーズ 執行役員兼 株式会社エンゲージメント・ファースト代表取締役)が寄稿する記事の転記です。

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カテゴリ: Creating Shared Value(CSV)
2014年01月08日

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